魅惑の“外部パワーアンプ・ワールド”への誘い…。Part6「4chアンプ」で“フロント2ウェイ+サブウーファー”を鳴らす! ll | Push on! Mycar-life

魅惑の“外部パワーアンプ・ワールド”への誘い…。Part6「4chアンプ」で“フロント2ウェイ+サブウーファー”を鳴らす! ll

メインユニットの「内蔵パワーアンプ」から「外部パワーアンプ」へと切り換えることの楽しさを紹介している当特集。その第6回目となる当回では、前回に引き続き「4chパワーアンプ」で“フロント2ウェイ+サブウーファー”を鳴らす際の“コツ”を解説していく。

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「クロスオーバー」機能を搭載した4chパワーアンプの一例(フォーカル)。
  • 「クロスオーバー」機能を搭載した4chパワーアンプの一例(フォーカル)。
  • 「クロスオーバー」機能を搭載した4chパワーアンプの一例(フォーカル)。

メインユニットの「内蔵パワーアンプ」から「外部パワーアンプ」へと切り換えることの楽しさを紹介している当特集。その第6回目となる当回では、前回に引き続き「4chパワーアンプ」で“フロント2ウェイ+サブウーファー”を鳴らす際の“コツ”を解説していく。

まずは愛用のメインユニットの「サウンド設定機能」の中身をチェック!

ところで前回、「4chパワーアンプ」を使って“フロント2ウェイ+サブウーファー”を鳴らそうとするとき、サブウーファーのドライブのさせ方には3とおりがあると解説した。今回はその中でもっともスタンダードな、“ブリッジ接続”にて1発のサブウーファーを鳴らす場合に限定して話を進めていく。

また、当システムを組む際の楽しみ方にも2つの方向性が有り得ている。1つが「ステレオイメージを重視するアプローチ」で、もう1つは「重低音のパワフルさにこだわるアプローチ」だ。今回は前者について掘り下げていく。

さて、このシステムを「ステレオイメージを重視して」楽しもうとするときにポイントとなるのはズバリ、「フロントスピーカーとサブウーファーのサウンドの繋がりをコントロールできるか否か」だ。これが上手くいくかどうかで、得られる満足度が変わってくる。

で、これを実行する方法は主には2つある。1つは、メインユニットの「サブウーファー出力」という機能を活用する方法で、もう1つは「4chパワーアンプ」に内蔵されている「クロスオーバー」機能を活用する方法だ。

最初に前者について解説していく。まずは愛用のメインユニットのサウンド設定機能の中身を確認してほしい。そうしてもしもその中に「サブウーファー出力」という機能が搭載されていたらラッキーだ。そうであると多くの場合、「クロスオーバー」機能も使えるようになる。あとは“カーオーディオ・プロショップ”に任せれば、プロはそれを駆使して、フロントスピーカーの音とサブウーファーの音を上手く繋げてくれるのだ。

なお「クロスオーバー」とは、音楽信号の“帯域分割”を行う機能だ。で、「サブウーファー出力」に併せて搭載されている「クロスオーバー」では、フロントスピーカーとサブウーファー間の“帯域分割”を行える。「ここから上側の音はフロントスピーカーに、ここから下側の音はサブウーファーに」というような“役割分担”をさせられるのだ。

「クロスオーバー」を活用すると、低音の“前方定位”が実現!?

さて、このように「クロスオーバー」が使えると、なぜにプロはフロントスピーカーの音とサブウーファーの音を上手く繋げられるようになるのかと言うと…。その理由は以下のとおりだ。

もしも「クロスオーバー」が掛けられないと、ドアスピーカーからも重低音が発せられ、サブウーファーからも中低音が発せられることとなる。結果、音がダブって聴こえてくる。この状態は実は、あまり好ましくはない。ステレオイメージの再現性が落ちるからだ。

というのも、「ステレオ」とは音楽を立体的に再現しようとするものなのだが、それが上手くいくとスピーカーの存在感は消えていく。スピーカーから音が聴こえてくるというよりも、ただただ目の前にサウンドステージが展開されるというような聴こえ方になるのだ。しかし、音がダブって聴こえると、スピーカーの存在感はむしろ際立つ。結果、ステレオイメージが希薄になる。

しかし「クロスオーバー」を掛ければ音のダブりを緩和できるのでサウンドの一体感が出しやすくなる。そしてプロはさらにその他の機能(例えば「位相切替スイッチ」等々)も活用してチューニングを煮詰めていく。そうすると…。

なんと、サブウーファーから放たれる重低音も正面から聴こえてくるようになる(このような聴こえ方のことは「低音の“前方定位”」と呼ばれている)。こうして、「4chパワーアンプ」を使って鳴らす“フロント2ウェイサブウーファー”のサウンドを、心地良く楽しむことが可能となるのだ。

「クロスオーバー」が使えると、その他のメリットも享受可能に!

なお実を言うと、「クロスオーバー」を使って得られるメリットはあと2つある。1つは「フロントスピーカーの負担を減らせること」、そしてもう1つは、「ドア内部のビビリ音を抑制できること」。ドアスピーカーは口径的な問題で重低音再生はあまり得意ではないので、濁った重低音を発してしまいがちだ。しかし「クロスオーバー」機能を活用すればドアスピーカーが苦手な帯域の音楽信号をカットできるので、サウンド全体のクリア度が上がる。また、ドアスピーカーの裏側から放たれる重低音もカットされるわけだから、それによってドア内部の鉄板が共振するという弊害も軽減できる。

このように、「サブウーファー出力」が備わっていると良いことずくめなのだが、愛用のメインユニットにそれが備わっていなかった場合は、冒頭に挙げたもう1つの作戦、「4chパワーアンプ」に内蔵されている「クロスオーバー」機能を活用する、を実行しよう。

多くの「4chパワーアンプ」には、「クロスオーバー」機能が搭載されている。これを活用すれが、メインユニットに「クロスオーバー」機能が搭載されているときに享受できる利点を、ほぼ同じように獲得できる(「位相切替スイッチ」は搭載されてはいないが、サブウーファーの接続のプラスとマイナスを逆に繋ぎ換えれば位相を逆にできる)。

ところで、低音強化をしたいと思ったときには「パワードサブウーファー」を用いてもいい。これを使うと、「外部パワーアンプ」は取り敢えず必要ないのでその点においては便利だ。しかしメインユニットに「クロスオーバー」機能が搭載されていない場合には、フロントスピーカーに「クロスオーバー」は掛けられない。

しかし、「4chパワーアンプ」を使って“フロント2ウェイ+サブウーファー”システムを組めば、それが可能となる。低音強化をしたいと思ったときには、このやり方の方が有利に働く場合があるのだ。覚えておこう。

今回は以上だ。次回は他のシステムレイアウトを例に上げ、そのときの楽しみ方の“コツ”を解説していく。乞うご期待♪

《太田祥三》

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