オーディオの不思議。ケーブルでなぜ音が違うのか?(前編) | Push on! Mycar-life

オーディオの不思議。ケーブルでなぜ音が違うのか?(前編)

ケーブルの交換によって高音質化を目指すユーザーは多い。しかしケーブルのメリットや高音質化の理由などは難しい素材の話や理論があり難解だ。そこで高音質ケーブルとして名を馳せるM&Mデザインの吉岡氏にケーブル交換の魅力を聞きに伺った。

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ケーブルの交換によって高音質化を目指すユーザーは多い。しかしケーブルのメリットや高音質化の理由などは難しい素材の話や理論があり難解だ。そこで高音質ケーブルとして名を馳せるM&Mデザインの吉岡氏にケーブル交換の魅力を聞きに伺った。

ケーブルのグレードアップで
高音質化が実現できるのはなぜ?

カーオーディオのシステムアップの中でも、重要なファクターになっているケーブル。高品質なケーブルに交換することで音質アップが望めることから多くのユーザーが実践している。そこで今回はケーブルのグレードアップの必要性や音質アップにつながる理由について紹介していくこととした。

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話をうかがったのはM&Mデザイン代表の吉岡氏。ハイエンドなシステムを組んだ車両でかなり目にする同社のケーブル。多くのオーディオユーザーに高く評価され、その高音質ぶりはコンペでの上位入賞などでも明らか。M&Mデザインは自社で開発からテスト、販売までを一貫して手がけているのが特徴。ケーブルのスペシャリストとしてすでに幅広く知られた存在なのはご存じの通りだろう。

また、吉岡氏はオーディオプロショップであるサウンドステーション ガレージ ショウエイの代表としてインストールの現場で長らくその腕を振るってきた人物だ。それだけにオーディオの取り付け&調整の現場を熟知し、ケーブルに求められている要素をインストーラーとしての感覚で知るのが強み。そんな経験をフィードバックしてケーブル設計を手がけてきただけに信頼性は抜群だ。

机上の理論だけでもの作りをするメーカーでは無く「良いケーブルとは何か」を現場の感覚を大切にして設計したからこそ生み出される高品質ケーブルの世界。M&Mデザインが目指している製品開発のバックボーンを知れば、その音の良さが理解できるはずだ。

良いケーブルを選ぶことで
音の変化では無く高音質が得られる

なぜケーブルを交換するのだろう? そんなベーシックな疑問を吉岡氏にぶつけてみた。すると出てきたのはシンプルな答えだった。

「オーディオって何かを変えたら必ず音が変わります。もちろんケーブルも同じです。しかし、それが良い音であるとは限りません。良い方向に音が変わること、音を良い方向に進化させていくのが良いケーブルに求められているのだと考えています」。

では良いケーブルとはどんなものなのだろう?

「一般的な話ですが、ケーブルを交換することによってS/Nが良くなり情報量が豊かになる、そして鮮度感がアップするといったメリットが感じられるのが良いケーブルの条件だと思っています。そもそもケーブルはオーディオシステムの中で最も“長い”パーツです。伝送経路が長くなる=影響力も大きいのです。だからこそケーブルのクオリティが音への影響力が大きいのは当然と言えば当然のことなのです」。

良いケーブルに変更すると、リスナーはどのように感じるのでしょう?

「私はケーブルを説明するときにエンジンに例えることがあります。ケーブルを高品質なものに交換するのはエンジンで言えばエンジンチューニングでは無く“ボアアップ”にあたると考えています。エンジンではチューニングを施すと高回転域が良く回るようになったり、特定の部分に変化が現れます。対してピストン径を太くするボアアップは排気量もアップされるため全域での性能がアップします。ケーブルはこのボアアップに相当する感覚です。どこかがもの足りないからケーブルで補うのではなく、交換することでサウンド全体をレベルアップすることができるのがケーブルの魅力なのです」。

ケーブル交換はハイエンドシステムだけではなく
純正オーディオ派にも効果あり

M&Mデザインでは多彩なケーブルをラインアップ。ラインケーブル、スピーカーケーブル、パワーケーブル、さらにはUSBケーブルや同軸ケーブル、DAP向けのラインケーブルまで、幅広く用意している。しかもグレードをわかりやすく分類して、価格帯別に選びやすいラインアップにしているところもユーザーがセレクトしやすい。これは自社のケーブルの音と特性を知り尽くしているからこそできる明確な分類と言えるだろう。

ところでケーブル交換をこれから実施するというユーザーにはどこからはじめれば良いかがわかりにくいのも事実だろう。「すべてを高品質ケーブルに交換するのは予算的に……」などと悩んでいる場合にとっておきのアプローチ法を教えてもらった。

「ケーブルのレベルアップを始めるなら、最初に手がけたいのはスピーカーケーブルです。もっとも影響が大きくて差がわかりやすいです。ケーブルによる音の違いを体感するには絶好でしょう。スピーカーケーブルの交換で良い音を体感したらラインケーブルやパワーケーブルに発展し行けば良いのです。順にその違いを体感していきながらレベルアップして行ってください」。

また「ケーブル交換ってハイエンドシステムを組んでいるクルマだけのものなのでは?」と考えるエントリー~ミドルクラスのユーザーもいるが、実はそうではないようだ。

「純正オーディオの内蔵アンプでもスピーカーケーブルを変えるだけで大きな違いが体感できます。むしろ内蔵アンプの方が良いケーブルを使ってポテンシャルを発揮してやらないといけないでしょう。そのため純正システムを変えないで音を良くしたいと思っているノーマル派のユーザーにもケーブル交換はオススメです。純正マルチなどでユニット交換が難しいクルマの場合でもスピーカーケーブルの交換は可能です。交換することで大きく音質が改善します。例えば純正スピーカーを使っていても音がこれほど良くなるのかとビックリするほどの効果があるでしょう」。

ケーブル交換と言えばハイエンドなものという概念を覆しノーマル派のユーザーにも絶大な効果を発揮するのがわかった。クルマを大きく加工すること無く良い音にしたいと狙っているユーザーにもケーブルのグレードアップはかなり魅力的なメニューになりそうだ。さらにDAPを日常使っているユーザーにもケーブル交換による音質アップが大きいことが感じられるだろう。そのためケーブル交換は幅広いユーザー層に体験して欲しいメニューと言えるだろう。

《土田康弘》

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