「パワーアンプ」の使い方、楽しみ方を完全解説! Part1「外部パワーアンプを使う利点とは?」 | Push on! Mycar-life

「パワーアンプ」の使い方、楽しみ方を完全解説! Part1「外部パワーアンプを使う利点とは?」

クルマの中で「もっと良い音を聴きたい」と考えて“スピーカー交換”を実行したという方に向けて、次なる一手をおすすめする短期集中連載を開始する。その一手とは…、「外部パワーアンプの導入」だ。

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“AVカンサイ”デモカー「アウディ・A5」。
  • “AVカンサイ”デモカー「アウディ・A5」。
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クルマの中で「もっと良い音を聴きたい」と考えて“スピーカー交換”を実行したという方に向けて、次なる一手をおすすめする短期集中連載を開始する。その一手とは…、「外部パワーアンプの導入」だ。

第1回目となる今回は、“外部パワーアンプ”を導入することによってどのような利点が得られるのかを詳細に解説していく。

なお当特集では、全国の有名カーオーディオ・プロショップの協力を仰ぎ、プロならではのアドバイスを元に記事を展開していく。今回は、大阪府大阪市の実力店、“AVカンサイ天王寺店”代表の岩元さんに講師役をお願いした。じっくりとお読みいただきたい。

■“外部パワーアンプ”の導入はハードルが高い。そこまでして行う必要はある?

早速、“外部パワーアンプ”を導入することで得られる利点を教えてもらった。

「カーオーディオのグレードアップを実行しようと考えたときの最初の一歩となるのは、“スピーカー交換”、もしくは“パワーアンプ内蔵DSPの追加”、このどちらかでしょう。

となるとその次に行うべきは、最初にやり残したどちらかになりますよね。もしも最初に“スピーカー交換”を行ったのなら、次は“パワーアンプ内蔵DSP”となるわけですが…。もう少し欲が出るのも趣味の世界ではよくあることです。

そこで、“外部パワーアンプ”となるわけですが、少しハードルが高くなるのも事実です。パワーアンプ内蔵DSPには外部出力端子付きが少ないのでプロセッサーが必要となり、ケーブルの追加やインストール等々でコストも多く掛かります。

そこまでして“外部パワーアンプ”が必要か? そんな疑問も当然出てきます。

結論から言うと、効果は確実にあります。それはなぜか。答は『制約』です。これが一番適切な回答になるかと思います。

メインユニットやパワーアンプ内蔵DSPにはアンプが内蔵されていますので、それらを使えばそれでシステムを完結できコストダウンが図れます。さらには省スペースというメリットも得られます。

しかし…。それらのメリットを得る代わりに、『制約』に縛られることとなってしまうのです」

■『制約』から解き放たれて開発された“外部パワーアンプ”には、技術者の“思い”も反映され…。

話を続けてもらった。

「内蔵パワーアンプは『制約』により、使用できるパーツが限定されてしまいます。特に問題となるのは“電源”です。コスト的にもスペース的にも大きなパーツは使えません。

そしてこのように『制約』の中で設計された製品では、音質を追求するという観点よりも、“納得してもらえるレベルにしなくては”という意識の方が強く製品に反映されることとなるでしょう。“1つ1つの部品を少しずつレベルアップさせれば良い音になる、しかし予算的にもスペース的にも限りがある…”、このようなジレンマと戦う技術者の苦悩も容易に想像できます。

このように“一般的に納得してもらえるであろう”という想定で設計された内蔵パワーアンプが、より良い音を追求しようとする気持ちの強いお客様にマッチするでしょうか。そこには無理があると言わざるを得ません。

そこで、“外部パワーアンプ”の登場となるわけです。

確かにデメリットもあります。コスト、スペース等々…。しかし、メリットは無限大でしょう。『制約』から解き放たれて設計された“外部パワーアンプ”には、技術者たちの思いが十二分に反映されているはずです。

性能的にも多々メリットが発揮されます。しかし一番の利点は、各メーカーの思う音を、技術者の思いや表現力を、それらを持たせた製品として完成でき、世に送り出せることではないでしょうか。

趣味の世界で一番大事な“思い”や“ポリシー”が注入されて製品化されたものと、『制約』の中で作られた内蔵パワーアンプとがどれくらい違うのか。製品によっても違いがありますが、雲泥の差があると考えます」

■エンジンを換えたら、アクセルを踏むのが楽しくなる!

さらには、こんな話も訊かせてもらえた。

「解りやすく例えると、せっかくハイグリップなタイヤを履いたのに、エンジンはまるでパワーがない…。法定速度で流すなら問題はないのかもしれませんが、なんだかつまらない。しかしエンジンを載せ換えたらどうでしょうか。アクセルを踏むのが楽しくて仕方がない、そういう感覚に浸れると思います。“外部パワーアンプ”を使うというのは、まさにこういうことだと思うんです。

当然エンジンにもいろいろと特長があります。今なら“モーター”という選択肢もありますよね。選ぶ楽しみは無限大です。

味付けがケーブルでできたりするのも、“外部パワーアンプ”を使うからこその楽しみですよね。

もしも“外部パワーアンプ”を付けてみようかな? と思われたら、迷わず付けてみるべきです。購入したスピーカーの“本当の実力がどこにあるのか”も解るかも知れません。スピーカーの能力を発揮させる楽しみが広がります。

もっと深く、バシッ!と止まる制動感も味わえて、メカ的な好奇心も満たせますし、音楽性の高い再生も経験できるかもしれません。内蔵アンプで鳴らしていたころの“可もなく不可もなく”という音から、“凄くいい!!”と思えるサウンドに変えることも可能です。逆に、“なんだかいまいち”なんてこともあるかもしれませんが、それもアンプを足すからこそ味わえる楽しさの一部だと思うんです。“追求”こそが音響機器を趣味とするときの原点なのではないでしょうか。

変えなければ変化は味わえません。変えれば楽しさは何倍にも膨らみます。これは絶対的な真実だと思います」

岩元さんから訊いた話は以上だ。“外部パワーアンプ”を導入することで、新たな景色が見えてくる。挑戦して後悔することはなさそうだ。

《太田祥三》

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