【レクサス ES 新型試乗】乗り味は「LS」を超えた?デジタルミラーの使い勝手は…島崎七生人 | Push on! Mycar-life

【レクサス ES 新型試乗】乗り味は「LS」を超えた?デジタルミラーの使い勝手は…島崎七生人

◆かつてのウィンダム、日本へ再び ◆注目の「デジタルアウターミラー」の使い勝手は ◆フラッグシップFRを上回る走りの仕上がり

自動車 試乗記
レクサス ES300h version L
  • レクサス ES300h version L
  • レクサス ES300h version L
  • レクサス ES 新型のデジタルアウターミラー(ES300h version L)
  • レクサス ES300h version L
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かつてのウィンダム、日本へ再び

「LEXUS ES300、日本名ウィンダム」そんなコピーをご記憶の方もおられると思うが、初代『LS』(初代セルシオ)とともに、レクサスの当初からのラインアップに用意されてきた『ES』の自身7世代目にあたる新型が、今回、日本市場へも投入された。

初代『ウィンダム』のなめらかな走りはレポーターは今でもシッカリと身体で覚えている。そこで今回の試乗車はあえて「F SPORT」ではなく、基準車の上級仕様「version L」とした。

ちなみにESらしく両車の外観上の差異は小さいものの(全高なども共通)、「F…」は専用のメッシュ調グリル、バンパーや、専用19インチアルミホイール&タイヤを装備し、ブルー、ホワイトの専用ボディ色、専用の赤内装などを備える。ES全体では12色の設定とまずまずの豊富さだ。試乗車のボディカラーは“マーキュリーグレーマイカ”という、青紫がかった色味のダークグレー。色(やデザイン)はあくまで好みの問題だが、こういう控えめだが個性のある色で乗るのも悪くない。

注目の「デジタルアウターミラー」の使い勝手は


ところでESの注目点として外せないのが、量産車世界初採用の「デジタルアウターミラー(メーカーオプション)」だ。多くの人が指摘するであろう外側のハウジング形状は、複数のカメラなど必要なユニットをギッシリと収めなければならずこの形状になったとのこと。他方で室内側のモニターは5インチの130万画素VGAで、通常の視野をズームアップで見せる使い方をしている。

スマホのように画面に顔を近づけて見る訳ではないから画素数は許容範囲であり、今やミラーレス一眼レフカメラのEVファインダーなど、“生”ではない画像を見る機会が増えたせいか、思った以上に普通に見ていられる……が第一印象。左折などで自動的に画面の視野を広げてくれるのもいい。トンネル内で明るく視界がよく見えるのも助かる。

ただし場合により信号機がチラついて見えたり、流れる画像の動きがぎこちなかったり……という点などレクサスのクオリティに見合うかどうかは“?”。また目の前が液晶モニターばかりで果たして疲れないかどうかは未確認だ。アウターカメラはレンズの前に平面のフィルターがかけられレンズ面の汚れ等に配慮してあり、レンズとフィルターの間に換気式の空気層を設けることで、気温差での曇りが生じにくいよう設計されているという。

フラッグシップFRを上回る走りの仕上がり


走りは期待以上だった。とくに乗り味は、“レクサス車として他のFRモデルとの味わいの差はどれほどか?”は興味のひとつだったが、嬉しいことにしっとりとした振るまいで、あえて車名の表記は略すが現在のフラッグシップセダン(の導入初期型)を上回るほど。

訊けばピストンスピード0.002m/sの超微小領域まで減衰力を発揮する凝ったダンパーを採用、これにより乗り心地、フラット感を始め、ステアリングフィールなど大きく改善できたという。もともとなめらかな走りっぷりの現行型トヨタ『カムリ』と較べても、ホイールベースの差(+45mm)だけではない、さらに磨き込まれた感がヒシヒシと伝わる乗り味で、走行中の微震動もなく、「これこそレクサス」といえる仕上がりぶりだ。

2.5リットルのA25AーFXS型エンジンとハイブリッドシステムによる動力性能も、絶対性能は十二分なうえ、折々のパワーマネージメントに違和感がないのがいい。裏方の機能だがACA(アクティブコーナリングアシスト)も安定した気持ちよいコーナリングワークの一助となっている。

■5つ星評価
パッケージング:★★★★★
インテリア/居住性:★★★★★
パワーソース:★★★★★
フットワーク:★★★★★
オススメ度:★★★★★

島崎七生人|AJAJ会員/モータージャーナリスト
1958年・東京生まれ。大学卒業後、編集制作会社に9年余勤務。雑誌・単行本の編集/執筆/撮影を経験後、1991年よりフリーランスとして活動を開始。以来自動車専門誌ほか、ウェブなどで執筆活動を展開、現在に至る。便宜上ジャーナリストを名乗るも、一般ユーザーの視点でクルマと接し、レポートするスタンスをとっている。

《島崎七生人》

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