実力ケーブルブランド"Zonotone"が、カーオーディオ愛好家の間で話題に? Part2 サウンド・インプレッション 01 | Push on! Mycar-life

実力ケーブルブランド"Zonotone"が、カーオーディオ愛好家の間で話題に? Part2 サウンド・インプレッション 01

多くのピュアオーディオファンに支持されている実力ケーブルブランド"Zonotone(ゾノトーン)"が今、カーオーディオ愛好家からも熱視線を浴び始めているという。さて、"Zonotone"とはどのようなケーブルメーカーであり、各製品の実力はいかほどなのか…。

カーオーディオ カーオーディオ特集記事
Zonotone・7NAC-Granster 5000α
  • Zonotone・7NAC-Granster 5000α
  • Zonotone・Silver Granster AC-1001α
  • Zonotone・6NAC-Granster 2000α
  • Zonotone・6NAC-Granster 3000α
  • Zonotone・7NAC-Granster 5000α

多くのピュアオーディオファンに支持されている実力ケーブルブランド"Zonotone(ゾノトーン)"が今、カーオーディオ愛好家からも熱視線を浴び始めているという。さて、"Zonotone"とはどのようなケーブルメーカーであり、各製品の実力はいかほどなのか…。

そこのところを浮き彫りにすべく、"Zonotone"特集を展開している。前回はまず、同ブランドの代表取締役社長である前園力氏のインタビューの模様を掲載し、ブランドの歴史とコンセプトを明らかにした。それに引き続き今回からは3回にわたって、インプレッション・リポートをお伝えしていく。

ハイエンドケーブルに合わせて、上級ユニットでテスト環境を構築。


初めに試聴環境を紹介しておこう。テストは、"Zonotone"のカーオーディオ市場での販売窓口となる、イース・コーポレーションの試聴室で実施した。

試聴に使用した機材は以下のとおりだ。"Zonotone"のトップエンドモデルのテストも実行するので、それに合わせて上級機でシステムを構築した。

ソースユニットにはPCを用いて、CDクオリティのFLACデータをテストトラックとして使用した。その信号を“USB DAC”経由でパワーアンプ(グラウンドゼロ・リファレンス2ピュア、税抜価格:72万円)に送り込み、スピーカーにはZRスピーカーラボのエントリーライン(税抜価格:38万8000円)を使った。クロスオーバーはテスト用のパッシブクロスオーバーネットワークで行った。

まずは、インターコネクトケーブル(RCAケーブル)の試聴から開始したのだが、その際のスピーカーケーブルには、“Zonotone”の現行モデル中のミドルグレードとなる『6NSP-Granster 5500α』(4000円/1m、税抜)を用い、4芯のうち2芯同士を捩じって接続するスターカッド方式で接続した。

至って素直なサウンド。個性を主張し過ぎることもなく、原音をピュアに再生する。


Zonotone・Silver Granster AC-1001α

インターコネクトケーブルの最エントリーモデルとなる『Silver Granster AC-1001α』からテストした。用意していただいたのは、最短の設定となる1.2mのモデル(税抜価格:8500円、ペア)だ。なお『Silver Granster AC-1001α』では、1.2mモデルに続いては2mモデル(税抜価格:1万1700円)が設定されていて、以降は50cm単位でサイズを伸ばすことが可能だ(6mモデル<ペア>で税抜価格は2万7700円)。

なお当モデルはエントリーモデルながらも、使用されている素材はなかなかにゴージャス。純銀コートOFCをはじめとする高純度の4種の素材が使われていて、それらが絶妙な黄金比でハイブリッドされて仕上げられている。価格から考えると相当に手が込んだケーブルと言っていい。ちなみに当機は車載での使用も考慮されていて、105度の耐熱温度が確保されている。

テストトラックを流してみると…。

まず感じられたのは"ナチュラルさ"だった。試聴システムがゴージャスなのでそもそも悪い音がするはずもないのだが、そのシステムの中にあって当ケーブルは、特に個性を主張し過ぎることもなく、音源を淡々とピュアに再現してくれている。そして、アンプやスピーカーの性能もストレートに引き出せているように思えた。"Zonotone"は「ケーブルによって音作りをしていくブランド」という説明を聞いていたが、そうはいいつつもあくまでも素直。クセっぽさを感じることは皆無だった。

初体験する"Zonotone"サウンドは、至って好印象だった。優良なブランドであることを、まずは知ることができた。

価格が倍となり、サウンドの印象も相応に向上。味わいも深まりコクも増した。


Zonotone・6NAC-Granster 2000α

次には、『6NAC-Granster 2000α』をテストした。試聴に用いたのは1.5mのモデル(税抜価格:1万7400円、ペア)だ。なお当機においてはもっとも短いものとして1mのモデルから設定されている(税抜価格:1万3400円、ペア)。そして1.5m以降、50cm刻みで長さを選択可能だ(6mモデルで税抜価格5万3400円<ペア>)。そして当機も耐熱105度が担保されている。

使われている素材の数は4種類。しかし内容はぐっと高級になっている。超高純度銅である6NCuをはじめ、革新素材PCUHDやHiFCが惜しげもなく使われている。

構造的にも複雑化している。こちらではシールドは2重構造。さて、それらが音にどう効いていたのかというと…。

価格が倍以上であるので、サウンドの印象も相応に変わった。密度感が増し、定位感もよりシャープになった。反応もより素速くなっている。情報量も上がりS/N感も向上した。基本的なスペックが明らかに良化している。

その上で、味わいが濃くなったことも感じ取れた。コクが深まり、ツヤも増している。あくまでも原音再生の範囲内ではあるが、個性を発揮し始めた感がある。このサウンドを好む人は多いようにも思う。ウォームでかつビビッド。生き生きと音楽を再現してくれている。

グレードの高まりとともに、ますます味わい深く、リッチに…。


Zonotone・6NAC-Granster 3000α

続いては、『6NAC-Granster 3000α』をテストした。使用したのは1.5mのモデル(税抜価格:2万4100円)。当機も最短のモデルは1mで、以降50cm刻みで長さを選べる(6mのモデルで税抜価格は7万900円<ペア>)。耐熱温度は同様に105度だ。

なお当機で使われている素材は、『6NAC-Granster 2000α』とほぼ同一だ。しかしながら構造は1段階複雑化している。『6NAC-Granster 2000α』が2芯2重シールドであったのに対し、こちらは4芯2重シールド。これに伴い、2芯タイプに比べて導体量も2倍となっている。しかしながら価格は2倍までには至っていない。内容に対して設定価格は抑え目の印象だ。

聴いてみると、『6NAC-Granster 2000α』で感じられた良さが、それぞれさらに向上していることを感じ取れた。味わいはさらに深くなり、雰囲気というか空気感の表現力も上がっている。そして低音もよりふくよかだ。しかし反応スピードも速くなっているので、リズムの刻みは実に軽快。

そして聴き込むにつれて、演奏者の体温も感じられてきた。音楽性が増し、説得力も上がっている。さらには耳当たりもなかなかに心地良い。サウンドがよりリッチで、豊潤度も増している。

より"Zonotone"らしさが発揮されているようにも思えた。特長がさらに深まっている。

素材のグレードが1ランク上昇したのに比例して、サウンドの質ももう1段、高みに到達…。


Zonotone・7NAC-Granster 5000α

その次に聴いたのは『7NAC-Granster 5000α』だ。なお当機も4芯ハイブリッド構造2重シールド方式であるのが、導体がワンランク高級になっている。いよいよ当機から、"7NクラスCu"が用いられているのだ。

テストでは1mのモデル(税抜価格:4万円、ペア)を使用した。そして当機も、サイズバリエーションはここから50cm刻みで設定されていて、6mのモデルとなると税抜価格は12万円(ペア)となる。

『6NAC-Granster 3000α』に対して一気に価格が上昇する当機。その音はどうだったのかというと…。

テストトラックを流し始めて最初に感じられたのは"静けさ"だった。これまでのモデルと比べて基礎スペックが一層向上している。S/Nも情報量も解像度も1枚上手だ。

さらにはムダがない度合いも高まり、同時に生々しさは増している。高域のスムーズさも伸長し、全体的なヌケも良くなった。音の分離感も上々で、1音1音の粒立ちも良化している。

ところで前モデルまでは、グレードが上がるごとに味わいの深まりを感じたのだが、当機になると一旦それはリセットされたかのようにも思えた。味わいの上昇率よりも、"ピュア"度の高まり度合いのほうが大きいからだろうか。とにもかくにもサウンドのHi-Fi化がぐっと進んでいる。

そしてつくづく思えたのは、コストパフォーマンスの高さだ。価格に対しての満足度が高い。この部分は明らかに、"Zonotone"ならではの強みと言えそうだ。

なお、当機も含めこれ以上のグレードのモデルでは、ジャケットにナイロン編組を使っているため、105度の耐熱温度は担保されていない。とは言え、ラゲッジスペースなどに設置したDSPとアンプを接続するようなケースでは車内でも問題なく使用できる。ただし、フロアパネルとカーペットの間に敷設するような場合は、コルゲートチューブを併用するなど、熱対策が必要になる。

最初のテストリポートは以上で終了だ。次回はインターコネクトケーブルの上級モデル2機種と、スピーカーケーブルのエントリーモデルのインプレッションリポートをお伝えする。お楽しみに。

《太田祥三》

特集

関連ニュース

page top