売れ筋パワーアンプ、計8機種一気試聴! Part.2「エントリー4chモデル」編 | Push on! Mycar-life

売れ筋パワーアンプ、計8機種一気試聴! Part.2「エントリー4chモデル」編

人気を集めているパワーアンプの、その実力を探る週刊特集をお贈りしている。試聴対象としたのは、イース・コーポレーションが昨年末に発表した『CAOTY(カーオーディオオブザイヤー)2017』で上位に食い込んだ製品群。

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売れ筋パワーアンプ、計8機種一気試聴! Part.2「エントリー4chモデル」編
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  • グラウンドゼロ・GZIA 4115HPX-II
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  • JLオーディオ・MX280/4
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人気を集めているパワーアンプの、その実力を探る週刊特集をお贈りしている。試聴対象としたのは、イース・コーポレーションが昨年末に発表した『CAOTY(カーオーディオオブザイヤー)2017』で上位に食い込んだ製品群。

それらを改めてじっくりと聴き込み、支持されている理由を探ってきた。

実質、3年連続で部門1位に輝いている、「グラウンドゼロ」のエントリー機の実力は…。


グラウンドゼロ・GZIA 4115HPX-II

なお今回は計8機種のパワーアンプの試聴を行ったのだが、すべてのテストにおいて、リファレンススピーカーとして「ロックフォード・フォズゲート」の2ウェイコンポーネントスピーカーのトップエンドモデル、『T5』(税抜価格:30万円)を使用した。各パワーアンプの性能を十二分に引き出すべく、敢えてハイグレードなスピーカーを組み合わすこととした(それ以外の使用機材については、前回の記事をご参照いただきたい)。

では早速本題に入ろう。今回はまず、『4chパワーアンプ6万円未満部門』で第1位に輝いた、「グラウンドゼロ」の『GZIA 4115HPX-II』のインプレッションリポートからお伝えしていく。

ところで『CAOTY』では、部門を問わず「ロックフォード・フォズゲート」の強さが目立っているのだが、当機はその中にあって、その牙城を崩した猛者のうちの1台である。「ロックフォード・フォズゲート」の人気ライン『プライムシリーズ』のモデルを抑え、堂々2年連続での第1位に輝いている。実を言うとマイナーチェンジ以前の『GZIA 4115HPX-B』も『CAOTY2015』で第1位となっていたので、実質的には3年連続での栄冠だ。不動の人気モデル、という風格を湛えつつある。

主要スペックは以下のとおりだ。

☆『GZIA 4115HPX-II』(税抜価格:2万7000円)
●仕様:4ch(4/3/2ch)パワーアンプ ●定格出力:70W×4(4Ω)115W×4(2Ω)230W×2(4Ωブリッジ) ●周波数特性:10Hz~30kHz(±1dB) ●S/N比:80dB ●クロスオーバー:ハイパス40Hz~3kHz(-12dB/oct)ローパス50Hz~250Hz(-12dB/oct) ●サイズ(幅×奥行×高さ):285×213×50mm ●ハイレベルインプット付
4chを備えながら税抜価格は3万円を切るというリーズナブルさが際立つ当機。それでいながら定格出力は1chあたり70W(4Ω接続時)が確保され、内蔵クロスオーバーは低域側のみならず高域側でも使えるタイプとなっている。かつ、サイズ的にはシート下に収まるコンパクトさ。お手軽モデルではあるが、スペック的に不安材料はなく、むしろ使い勝手も良さそうだ。さて、音のほうはいかに…。

中・高域の音色の美しさに特長アリ。コスパの高さが光る優秀機。


グラウンドゼロ・GZIA 4115HPX-IIグラウンドゼロ・GZIA 4115HPX-II

1曲目のイントロを聴いたところで、音色が正確であることを実感できた。しかも質感がなかなかに良好だ。聴かせ上手なパワーアンプ、そんな印象をまずは抱いた。

先週にインプレッションリポートをお届けした、「ロックフォード・フォズゲート」の『R150X2』と比べても、見劣りしない。1chあたりの価格差は倍近くあるが、音色的な満足度は価格差ほどの違いはないように思えた。

低域のパワー感については、「ロックフォード・フォズゲート」のほうが上回っている。しかし当機には、中域、高域の余韻の美しさが備わっている。むしろこちらのサウンドのほうを好ましく思うユーザーもいるだろう。魅力的な音を聴かせてくれるアンプであることは確かだ。

とにもかくにも、コストパフォーマンスの高さが光っている。スタンダードな価格帯にあるメインユニットやAV一体型ナビの内蔵パワーアンプから当機にステップアップさせれば、価格以上の満足度が得られることは間違いなさそうだ。

当機を導入すれば手軽に「フロント2ウェイ+サブウーファー」を鳴らす本格システムを構築できる。まずはここから楽しむのは大いにアリだ。

明確な防水性能が備えられた、個性派“超小型”モデル。


JLオーディオ・MX280/4

続いては、『CAOTY2017』の『4chパワーアンプ6万円以上10万円未満部門』で初登場第5位という健闘を見せた、「JLオーディオ」の『MX280/4』についてリポートしていく。

まずは、主要スペックから見ていこう。

☆『MX280/4』(税抜価格:6万4000円)
●仕様:4ch(4/3/2ch)パワーアンプ ●定格出力:50W×4(4Ω)70W×4(2Ω)140W×2(4Ωブリッジ) ●周波数特性:20Hz~22kHz(+0-1dB) ●S/N比:89.5dB ●クロスオーバー:ハイパス35Hz~300Hz(-12dB/oct)ローパス35Hz~300Hz(-12dB/oct) ●サイズ(幅×奥行×高さ):220×78.5×45mm ●ハイレベルインプット対応
当機は2017年の3月に発売された新製品だ。つまり、『CAOTY2017』において集計期間が他モデルよりも約4か月短かったのだが、その中での第5位は非常に立派な成績と言える。ここまでの支持を得られたポイントとは…。

ところでここ数年、「ウルトラスモールアンプ」の人気が堅調だ。システムの省スペース化を図りたいというニーズが高まりを見せる中、実力ある「超小型モデル」が続々とリリースされていて、需要と供給がともに伸びている。実際、「ウルトラスモールアンプ」の各機は、『CAOTY』でも毎年上位に名を連ねている。

当機はその流れの中での最新モデルだ。それ故に、他にはない特別な特長も備えられている。それは、“高い防水性能”。しかも“IPX6”という確固たる基準をクリアしている。ここまで明確な“防水性能”をうたえているカーオーディオ用のパワーアンプも珍しい。「超小型」というメリットにプラスαの利点が加えられ、他との差別化が図られた、というわけだ。

クルマで使用する上では、常に水がかかるような心配は少ないが、シート下にインストールする場合には、濡れた傘などが近くに置かれることもあるだろう。防水性能が高いに越したことはない。

その点は明らかなストロングポイントであるのだが、もっとも重要なのはやはり、音質性能だ。そこのところはどうだったのかと言うと…。

3万円台の製品との性能差は明らか。予算が許すのであればこのあたりまで手を伸ばしたい…。


JLオーディオ・MX280/4JLオーディオ・MX280/4

「グラウンドゼロ」の『GZIA 4115HPX-II』と比べて、価格が2倍以上上がったことは、ダテではなかった。

最初の出音で感じたのは、“静寂感”。S/Nが明らかに上がっていたのだ。『GZIA 4115HPX-II』を聴いてノイズフロアがあることを聴感で意識することはなかったのだが…。そして1音1音の充実感も高まっている。密度が増し、音に芯も入っている。

聴き込みながらさらに驚いたのは、低域のエネルギー感。筐体の小ささに似つかわしくない、力のある低音が再生されていた。小さくされたことで犠牲になったものは、取り敢えず見当たらない。通常の大きさのパワーアンプと対等に渡り合える実力がある。

ところでスピーカーでもそうなのだが、3万円台の製品と6万円台の製品とを比べると、そこのところの差は案外大きい。『GZIA 4115HPX-II』のコスパの高さを讃えたばかりではあるのだが、予算が許すのであればここまで手を伸ばしたい…。そうつくづく思わせるほど、当機の出音のクオリティは確かだった。

なお、当機は横長なフォルムをしていることも特長だ。正方形に近い形よりも、細長い形をしているほうが「超小型」のメリットが活かされやすい。デッドスペースは細長いことのほうが多いからだ。

総合力の高いモデル。これが結論だ。省スペースにとことんこだわりたかったら、当機を候補に入れておかないと、後から後悔することになりかねない。

さて、今回のリポートは以上で終了だ。次回は、多chアンプの売れ筋モデルのサウンドインプレッションをお伝えする。多chモデルは利便性が高いことを特長としているわけだが、音質性能はどうなのか…。そのあたりをじっくりとリポートしていく予定だ。お楽しみに。

《太田祥三》

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