「Rexat(レグザット)」シリーズから超プレミアムモデルが新登場! そのメカニズムとサウンドを、詳細リポート!! | Push on! Mycar-life

「Rexat(レグザット)」シリーズから超プレミアムモデルが新登場! そのメカニズムとサウンドを、詳細リポート!!

カーオーディオにおけるベストな音質を徹底追及している「Rexat」シリーズから、新たなトップエンドモデルが登場する。その初お披露目の機会となる新製品試聴会が、11月11日、発売元である「オーディオテクニカ」の“テクニカハウス”(東京都文京区)にて開催された。

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オーディオテクニカ・Rexat プレミアムライン AT-RX5500A
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  • オーディオテクニカ・Rexat プレミアムライン AT-RX5500A 構造図
  • 株式会社オーディオテクニカ テクニカハウス 音響スタジオ
  • 株式会社オーディオテクニカ マーケティング本部 国内営業部 モービルサウンド課 マネージャー 水口正晃氏
  • 株式会社オーディオテクニカ 技術本部 コンシューマープロダクツ開発部 ホームリスニング開発課 マネージャー 小泉洋介氏

カーオーディオにおけるベストな音質を徹底追及している「Rexat」シリーズから、新たなトップエンドモデルが登場する。その初お披露目の機会となる新製品試聴会が、11月11日、発売元である「オーディオテクニカ」の“テクニカハウス”(東京都文京区)にて開催された。

取材陣の前に姿を現したのは『AT-RX5500A』(発売予定日は12月22日)。当機に注入されている技術の詳細と、試聴会場で繰り広げられた驚愕のサウンドデモンストレーションの模様とを、じっくりとリポートしていく。

■現行の“ハイライン”の製品と比べても、“ケタ違い”のプレミアムモデル…。

さて、今回発表された新製品は、“プレミアムライン”のオーディオケーブルだ。これまでの最上位グレード“ハイライン”のさらに上を行く、新トップエンドグレードのモデルとなる。

最初に、“プレミアム”度合いがどれほどのものなのかを明らかにしておきたい。それを知るためには、価格が1つのメジャーとなる。そこから解説するのも無粋ではあるが、わかりやすいところから話を始めようと思う。

高級モデルが居並ぶ「Rexat」シリーズにおいて、オーディオケーブルのラインナップは、当機の登場前までは2ライン・3タイプで形成されていた。まずはそれらそれぞれの、1.3mモデルと5mモデルの価格を例として列記していく(すべて税抜価格)。

☆トレンドライン
・OFCオーディオケーブル
『AT-RX23/1.3』 1万3000円
『AT-RX23/5.0』 3万円
・PC-TripleC+OFCハイブリッドオーディオケーブル
『AT-RX25/1.3』 1万9000円
『AT-RX25/5.0』 4万5000円
☆ハイライン
・クイントハイブリッドオーディオケーブル
『AT-RX28/1.3』 4万1000円
『AT-RX28/5.0』 7万8000円

対して今回発表された『AT-RX5500A』の税抜価格は以下のとおりだ。

☆プレミアムライン
・7N-Class D.U.C.C.オーディオケーブル
『AT-RX5500A/1.3』18万円
『AT-RX5500A/5.0』36万5000円

品番のケタが違っているように、価格もまさしくケタ違い。ため息を禁じ得ない…。

■世界最高水準の高純度銅『7N-Class D.U.C.C.』を、同社製品に初採用!

続いては、ここまでの“プレミアム”度合いを見せる、その理由を解説していこう。注目点は多々ある。まさしく、“贅の限りが尽くされている”と形容するにふさわしい内容となっている。では1つ1つを見ていこう。

最大の特長は、世界最高水準の高純度銅『7N-Class D.U.C.C.』が採用されていること、である。この、三菱マテリアル株式会社製の導体は、とにかく高品位。ポイントは3点ある。「純度」、「結晶の大きさ」、「結晶の配向性」。“7N”という最高レベルの「純度」を有し、かつ、オーディオ用として最適な結晶配向が得られる製造プロセスによって作られていて、従来の高純度導体と同等の結晶サイズを持ちながら結晶の方向が最適に制御されている。まずは導体が、「Rexat」シリーズ中においても圧倒的に高性能、という次第なのだ。

次に注目すべきは、『シルク編組』が採用されていること。外装に『シルク編みシース』を使い、さらには内部絶縁にも『シルク編組』が採用されている。

『シルク編組』は外装においてケーブル全体をナチュラルに制振し、その上で手触り、見た目ともに高級感をブーストさせる。そして内部絶縁においては、低誘導率で伸びのある音色を生み、導体にストレスを与えず『D.U.C.C.』ならではの繊細な音色を生かし切る。さらには『シルク編組』の内側にフッ素樹脂テープも張り込み、安心の二重絶縁構造を実現。制振、絶縁の両面で、最大の効果を発揮する。

■プラグにもノウハウが多々。集大成というに相応しい仕上がり。

そしてプラグは、『64チタン合金削り出しプラグ』。優れた音響特性と高剛性を併せ持つという『64チタン合金』から1つ1つ丁寧に削り出され、仕上げられている。デリケートなコンタクト周りをしっかりと支えることもできている。

また、『アルミニウム+真鍮 ケーブルスタビライザー』が内蔵されていることも特筆点。異なる金属を組み合わせ、効果的にケーブルの振動を抑制可能だ。結果、定位感と明確な音の立ち上がりが実現できているという。

“プレミアム”たる理由はまだある。『ガラス繊維入りPBT充填中空ホットピン(PAT.)』もその1つ。これによりホットピンの不要振動を抑え込む。また、繊細なハンダ部には『防湿シリコンコーティング』が施され、防さび、耐腐食対策も抜かりがない。

プラグにおいては、さらなる特別技術も注入されている。『圧入組立構造プラグ』となっていて、ネジや接着剤を使わずに完成されている。ここは製造工程においての難所にもなっているとのことなのだが、これにより振動や熱による緩み・ガタツキを発生しにくくすることに成功。また、制振性に優れた『真鍮リング』、高耐久性、高信頼性を発揮する『金メッキコンタクト』もそれぞれ採用されている。

そして、グランドノイズループ対策として『シールド片側接地』を採用。他にも『銅テープ』+『OFC編組』からなる2重シールド、最大90度までの耐熱仕様までもが盛り込まれている。

以上が『AT-RX5500A』の主だった特長のすべてだ。2002年からその歴史をスタートさせた「Rexat」ならではの思想と技術が、ここに極まっている。集大成というに相応しい仕上がり、というわけなのだ。

■デモは、創立50周年モデルと、現行のハイラインモデルとを聴き比べる形で進行。

これら集大成的なそれぞれの技術が、音にどれだけ効いているのか…。ここからは、そのあたりを確認すべく行われた試聴の模様をリポートしていく。

試聴会場は、“オーディオテクニカ・テクニカハウス”の音響スタジオ。PC(Mac)内のハイレゾ音源のデジタル信号を、同社のデジタルトランスポートD/Aコンバーター『AT-HRD500』を介してパワーアンプ(カロッツェリアX・RS-A09X)に伝え、スピーカー(ダイヤトーン・DS-SA1000)を鳴らすというシステムで、デモンストレーションが実行された。

スピーカーケーブルとパワーケーブルにも、「Rexat」シリーズのハイラインモデルが使用されていた。なお、PCにはデジタルトランスポートD/AコンバーターであるAT-HRD500を介して「Rexat」のパワーアシストボックスforヘッドユニット『AT-RX30』を、パワーアンプには同・リモートアシストボックス『AT-RX10』と同・パワーアシストボックスforパワーアンプ『AT-RX60』とがセットされ、電源の安定供給もしっかり担保されていた。

デモは、2011年に限定発売された創立50周年モデルの『AT-RX50A』、そして現行のハイラインモデル『AT-RX28』と聴き比べる形で進行した。ちなみに、創立50周年モデルの『AT-RX50A』の価格は先に比較した1.3mモデルで6万円(税抜)。『AT-RX28』より高額ではあるが、新製品との比較でいうとおよそ1/3。『AT-RX5500A』のハイグレード度合を再認識しつつ、試聴を開始…。

■1音1音の迫力が増している。より芯が入り、密度が上がり、押し出し感も強力。

1トラックごとでケーブルを繋ぎ換えて聴き比べた。最初のトラックを『AT-RX50A』、『AT-RX28』とで聴き、それぞれで高解像度で高S/Nな“極上”と言って間違いのないサウンドを堪能できた。総合力では『AT-RX50A』の音のほうが一枚上手のようにも感じられたが、好みの差、というレベルではないだろうか。どちらも最高水準のサウンドである。

続いて『AT-RX5500A』を聴いてみると…。

正直、試聴前には、上記の2モデルとの音質差を聴き分けられるものなのかと少々不安にも思ったが、それは杞憂だった。圧倒的な高音質が目前に展開されたのだ。

最初に感じたのは、「エネルギー感の高さ」だ。音圧も高まっているのだろうか、鼓膜に感じる圧力が高い。かつ、1音1音の迫力が増している。より芯が入り、密度が上がり、押し出し感も強力になっている。

表現力も上がっている。オーケストラがピアニッシモで演奏しているときでも、各楽器の音が凛としていて訴えかける力も強い。片やフォルテシモになったときの荘厳さもすこぶる強烈。

さらには、リアリティの高さにも唸らされた。例えば、アコースティックギターがストローク演奏される際には、ピックとスチール弦、それぞれの素材感が生々しく伝わってくる。ブラシでスネアドラムのヘッドを滑らせる奏法のときには、ブラシの1本1本をイメージできる。

そして…。心地良さがこの上ない。質感が高く緻密でスムーズ、かつ消えゆく余韻も美しく、音楽を聴いていて、実にリラックスさせられる。

「Rexat」シリーズが、新たな高みに到達したのは明白だ。これまでも高級ケーブルブランドとして認知されていたわけだが、さらなる特別な存在となったことを、『AT-RX5500A』の音が物語っている。

なお、『AT-RX5500A』は、受注生産品、とのことだ。1つ1つのオーダーに対して、丁寧にハンドメイドで仕上げられる。サイズのバリエーションも詳細だ。0.3mモデルはラインナップにないが、0.7mを最短モデルとして1.3m、2mと続き、以降は50cm刻みで5mモデルまでが設定されている(他のモデルでは1m刻み)。

いつかは手にしたい逸品が、また1つ新たに登場した。ハイエンドカーオーディオシステムを所有しているならば、この「Rexat」『AT-RX5500A』の音を確認しておく価値は高い。要注目。

《太田祥三》

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