内蔵? パッシブ? マルチ? 『システム構築術研究』その6「フロント3ウェイシステム」編 | Push on! Mycar-life

内蔵? パッシブ? マルチ? 『システム構築術研究』その6「フロント3ウェイシステム」編

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3ウェイシステムのスコーカーの取り付け例。製作ショップ:イースト。
  • 3ウェイシステムのスコーカーの取り付け例。製作ショップ:イースト。
カーオーディオを組もうとするとき、やり方(システム)はさまざま考えられる。スピーカーを市販品に換え、それを純正メインユニットで鳴らすというようなライトなシステムから、外部パワーアンプを複数投入する大がかりなシステムまで、アプローチの仕方が多様にある。

それらを1つ1つ取り上げ、それぞれのメリット、難しさ、楽しみ方のコツ等々を紹介してきた当シリーズ。第6回目となる今回は、「フロント3ウェイシステム」をテーマにお贈りする。


■高音質が追求される場合、「フロント3ウェイシステム」が選択されることが多い!?

「フロント3ウェイシステム」とは、高音再生を担当する「ツィーター」、中音再生を担当する「スコーカー(ミッドレンジ)」、低音再生を担当する「ミッドウーファー(ミッドバス)」という3つのユニットでフロントスピーカーを構成させるシステムである。

なお、これに「サブウーファー」を足せば、結果、「4ウェイ」になるわけだが、カーオーディオの場合、「サブウーファー」はフロントに装着するのが難しいので、「フロントスピーカー」とは分けて考えられることが多い。なので「サブウーファー」をプラスする場合は、「フロント2ウェイ+サブウーファー」とか、「フロント3ウェイ+サブウーファー」というような呼ばれ方がされている。

さて、「2ウェイ」と「3ウェイ」でどちらがスタンダードなのかと言えば、間違いなく「2ウェイ」だ。しかしながらサウンドコンテストへのエントリー車両を見ると、「フロント3ウェイシステム」が採用されているケースが結構多い。つまり、より高音質を狙うならば、「2ウェイ」よりも「3ウェイ」のほうが有利、と考えられている傾向がある。

「フロント3ウェイシステム」が有利とされている理由は主に2つある。まず1つ目として挙げるべきは、「各スピーカーの負担を減らせるから」である。人間の可聴帯域は20Hzから20kHzと言われているので、「サブウーファー」を使う場合ならば、「フロントスピーカー」が担当する帯域は、大体80Hzあたりから20kHzまでとなる。これは音階でいうと約8オクターブの広さだ。それを「ツィーター」と「ミッドウーファー」の2つだけに任せるというのは実は、酷な話なのである。

しかしそこに「スコーカー」をプラスすれば、各スピーカーユニットの負担はグッと少なくなる。そしてそれぞれが得意な仕事に集中できるので、より“いい仕事”ができるようになる。無理をして歪みを発生させてしまう、というようなことを減らせるのだ。


■デメリットもある。コントロールが難しく、コストもかかる…。

「フロント3ウェイシステム」が有利とされる2つ目の理由は、「中音を目の前のスピーカーから聴けるから」である。ドアに装着する「ミッドウーファー」で中音までも再生する「フロント2ウェイシステム」と比べて、音像を上げやすくなり、しかも中音を再生するスピーカーと正対できるので、音が効率よくリスナーに届きやすくなる。

しかし、「フロント3ウェイシステム」にも、デメリットがある。1つ目のデメリットは、「コントロールが難しくなること」だ。スピーカーユニットが1つ増えることで、ケアしなければならない項目も増えていく。クロスオーバー(信号を帯域分割すること)やタイムアライメントの設定か所も増え、音の出所が3つになるので音をまとめることにも難しさが生まれる。コントロールに失敗すれば、デメリットがメリットを打ち消してしまうことも有り得る…。

さらには、「予算が多く必要となること」もデメリットだ。単純に購入すべきユニットが1つ増え、取り付ける手間も増える(工賃も上がる)。さらに「フロント3ウェイシステム」を「マルチアンプシステム」で鳴らそうとすれば、パワーアンプの必要ch数が増え、ケーブルの必要数も増えていく。

つまり「フロント3ウェイシステム」は、ハードルの高いアプローチなのである。


■チューニングにおいて重要となるのは、「各ユニットの能力の見極め」。

続いては、「フロント3ウェイシステム」をより楽しむためのコツを紹介していこう。

まずは、「フロント2ウェイシステム」からの上手なステップアップ方法について考えていく。

もっとも正統的な手段は、今使っている「フロント2ウェイスピーカー」と同シリーズのスコーカーを導入すること、である。設計コンセプトや特長が同一のものを使ったほうが、サウンドの一体感を出しやすい。

では、今使っている「フロント2ウェイ」スピーカーに「スコーカー」の設定がない場合はどうしたらいいのだろうか。

その場合はまず、同一メーカーの他のシリーズを探してみよう。グレードが多少異なっていても、同一メーカーのスピーカーであればサウンドの統一を図りやすい。しかしながら、グレード違いを探しても適当な「スコーカー」が見つからなかったら…。その場合は、今使っている「フロント2ウェイ」のスピーカーと、振動板素材が近い「スコーカー」を探してみるといいだろう。振動板素材が同一系統であれば、音色の統一は取りやすくなる。

続いては、サウンドチューニングにおいてのコツを紹介していく。「マルチアンプシステム」を組んでいる場合ではまず、「クロスオーバー」が問題となる。ユニット間の帯域分割のライン(クロスポイント)をどう定めるか、この見極めが極めて重要となる。

コツは、「それぞれの得手不得手を掴むこと」、これに尽きる。各スピーカーの負担を減らせることが「フロント3ウェイシステム」のメリットであるのだが、それぞれの得意なところはどこなのかを見誤ると、メリットを十分に活かせなくなるのだ。

それを正確に掴んで適切に設定したあとには、レベル(音量)のバランスと、タイムアライメントを慎重に調整することが重要となる。とにもかくにもサウンドの一体感が出るように、各調整パラメーターを整えていこう。

今回の解説は以上で終了だ。「フロント3ウェイシステム」は難易度が高いけれど、取り組み甲斐の大きなシステムであることもまた事実だ。いつかは「フロント3ウェイシステム」に、ぜひとも挑戦を。
《太田祥三》

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