ドイツ発・名門Hi-Fiスピーカーブランド「FLUX(フラックス)」のトップエンドモデルが進化! その音質性能を緊急テスト!! | Push on! Mycar-life

ドイツ発・名門Hi-Fiスピーカーブランド「FLUX(フラックス)」のトップエンドモデルが進化! その音質性能を緊急テスト!!

50年以上の歴史を有する、ドイツの名門Hi-Fiブランド「FLUX(フラックス)」。カーオーディオ専門メーカーであり、スピーカーを主力としてきた同社がこの度、フラッグシップ『リファレンスシリーズ』のトゥイーターをモデルチェンジさせた。

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FLUX『RC270』
  • FLUX『RC270』
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50年以上の歴史を有する、ドイツの名門Hi-Fiブランド「FLUX(フラックス)」。カーオーディオ専門メーカーであり、スピーカーを主力としてきた同社がこの度、フラッグシップ『リファレンスシリーズ』のトゥイーターをモデルチェンジさせた。

そこには同社のこだわりとプライドが詰まっていて当然だ。この音質性能が大いに気になる…。というわけで、「FLUX」製品の正規輸入代理店であるイース・コーポレーション本社を訪ね、入念なる試聴取材を実行した。その模様を2回にわたってリポートしていく。

注目すべき変更点は、ハウジング、ならびに磁気回路の新機構。


新たに登場したトゥイーターの名前は、『HT29R』。そして同時に、同トゥイーターがセットされる2ウェイコンポーネントスピーカー、および、3ウェイコンポーネントスピーカーも合わせて刷新されている。ミッドウーファー、ミッドレンジ、パッシブクロスオーバーネットワークは同一だが、この新型トゥイーターを用いてサウンドを進化させたコンポ―ネントセットは、内容変更に伴い新型番が与えられている。

今回は、新フラッグシップ2ウェイコンポーネントスピーカーをテストし、新型トゥイーターによってこれがどのような音を聴かせてくれるのかを、じっくり確認してきた。

まずは、トゥイーター単体、および、各コンポーネントについて、概要をまとめておこう。

FLUX『HT29R』

☆『HT29R』 税抜価格:11万円
仕様:29mmワイドレンジトゥイーター(ペア)
●定格入力:150W ●周波数特性:1kHz-40kHz ●最低共振周波数(Fs):740Hz● 能率:92dB ●取付穴直径:56mm ●取付深さ:27mm
FLUX『RC270』
☆『RC270』 税抜価格:27万8000円
仕様:16.5cm2wayコンポーネントスピーカー(セット)
●定格入力:150W ●周波数特性:66Hz-40kHz ●能率:92dB ●取付穴直径:142mm(ウーファー部) ●取付深さ:69mm(ウーファー部)
FLUX『RC370』
☆『RC370』 税抜価格:40万4000円
仕様:16.5cm3wayコンポーネントスピーカー(セット)
●定格入力:150W ●周波数特性:66Hz-40kHz ●能率:92dB ●取付穴直径:142mm(ウーファー部) ●取付深さ:69mm(ウーファー部)
トゥイーター『HT29R』の大きな変更点はハウジングだ。これまでは高精度に削り出し加工されたジュラルミン製だったのだが、今回は、高精度であることはそのままに、アルミダイキャスト製へと素材が変更されている。カラーがライトブロンズとなりさらにはグリル部も、デザインは同一ながらもブラックからライトブロンズカラーとなった。華やかな見た目となり、印象はなかなかに大きく変わっている。

磁気回路にも改良が加えられている。28mm径のボイスコイルとネオジウムマグネットから構成される回路に、クラドラベンディングシステムという通気孔が新たに設けられた。新型トゥイーターのサウンドは、よりワイドレンジに、そして高域特性が豊かになったとのことだが、この新機構が功を奏していることは確かだろう。

なお、振動板は従来機と同じくシルクドーム型で、1つ1つ手作業で“ハンドコート”フィニッシュされていることも従来どおりだ。

その音は「濃密」。表現の幅も広く、音楽をドラマチックに原音再生。


ところで今回、これと同時にサブウーファーの新シリーズも日本上陸を果たしている。それとの組み合わせによるテストも行ってきたので、それに関しては後編となる次週にご紹介する。

前編である今回は、早速、核心を突く。新2ウェイコンポーネント『RC270』のテストリポートをお伝えしていく。

最初に試聴環境をご説明しておこう。試聴場所はイース・コーポレーションの試聴室、そしてリファレンスパワーアンプとして使用したのは、同じくドイツのスーパーハイエンドブランド「RSオーディオ」の上級モデル、『RS A 20』(税抜価格:23万円)。PCをソースユニットとして使い、そこからの信号をUSB DACを介してパワーアンプへと送り込んだ。

使用ケーブルは以下のとおりだ。RCAケーブルが「グラウンドゼロ」の『GZCCリファレンス157RH』(税抜価格:3万円/1.57m)、スピーカーケーブルが「アウトストラーダ」の『UDI-AS-2』(税抜価格:3400円/1m)、パワーケーブルが「チェルノフケーブル」の『スタンダードDCパワー 8AWG』(税抜価格:1200円/1m)という陣営だ。

さて…。

試聴トラックを流し始めてのファーストインプレションは、「サウンドの濃密さ」だった。さすがはスピーカーブランドのトップエンドモデルと思わせる、風格ある豊潤な音が耳に飛び込んできた。

1音1音にはハリがありツヤがあり、そして余韻には深みがある。聴き心地が上々で、そして聴き応えも満点。とにもかくにもサウンドがリッチなのだ。

とはいえ、余分な誇張はなく、必要以上の装飾的な響きはない。むしろサウンドはストレートだ。音源がそのまま空気の振動となっているイメージなのだ。

ただし、表現の幅広さには目を見張るものがある。ソリッドな音は至極ソリッドに、響きが美しい音はとことん美しく聴かせる。音源を忠実に再生できるからこその表現力だと言っていいだろう。ダイナミックレンジも広ければ、抑揚も大きく、音楽をドラマチックに再現してみせた。

帯域ごとの音に耳をそばだててみると、それぞれで音質が充実していることが確認できた。高域は繊細かつスムーズで、まさしくシルクのような耳当たり。なんとも耳に心地良い。中域はぶ厚く、ボーカルもリアリティ高く聴かせてくれる。低域は弾力感と密度感が高く、グルーヴ感の表現も申し分ない。

改めて、「FLUX」スピーカーの良さを、つくづく感じ取ることができた。リーズナブルな製品から充実させているブランドであるので、ユーザーフレンドリーである印象も強いが、ハイエンドモデルもなるほど高品質だ。サウンドに貫禄がある。

ところで当機は、パッシブクロスオーバーネットワークも上質だ。次回は、それをバイアンプ接続してのテストの模様をお伝えしながら、魅力をさらに明らかにしていこうと思う。併せて、新たなサブウーファー群の詳細もお伝えしていく。次週もお読み逃しなきように。

《太田祥三》

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