【CDT オーディオ・大特集】旗艦機『ESシリーズ』のアニバーサリーモデルを発売したアメリカン・ブランド “CDT オーディオ” のすべてに迫る!! Part.4 | Push on! Mycar-life

【CDT オーディオ・大特集】旗艦機『ESシリーズ』のアニバーサリーモデルを発売したアメリカン・ブランド “CDT オーディオ” のすべてに迫る!! Part.4

ヨーロッパの感性やテイストをも併せ持つHi-Fi系アメリカンブランド「CDT オーディオ」。そのすべてに迫ろうと、創設者ケネス・パーソン氏へのスペシャル・インタビュー、並びに、既存のコンポーネントスピーカーの徹底インプレッション・リポートをお届けしてきた。

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CDT オーディオ・ES-1200iS & ES-6AS
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ヨーロッパの感性やテイストをも併せ持つHi-Fi系アメリカンブランド「CDT オーディオ」。そのすべてに迫ろうと、創設者ケネス・パーソン氏へのスペシャル・インタビュー、並びに、既存のコンポーネントスピーカーの徹底インプレッション・リポートをお届けしてきた。

そんな当特集も、4回目となる今回でいよいよ最終回となる。当回は、先に発売されたばかりの、『ES シリーズ』の生誕15周年を記念したアニバーサリーモデル、『ES-1200iS』と『ES-6AS』の試聴記をお贈りする。

発売はパッシブレスの単品発売のみ。価格帯はミドルグレード。


最初に、当アニバーサリーモデルの基本スペックからご紹介していこう。

CDT オーディオ・ES-1200iS

☆『ES-1200iS』(税抜価格:7万円/ペア)
●仕様25mmワイドレンジトゥイーター ●最大入力:100W ●定格入力:50W ●公称インピーダンス:6Ω ●周波数特性:2kHz~50kHz ●能率:92dB ●取付穴径:50.6mm ●取付深さ:23.75mm
CDT オーディオ・ES-6AS
☆『ES-6AS』(税抜価格:10万円/ペア)
●仕様:16.5cm ミッドウーファー ●最大入力:150W ●定格入力:75W ●公称インピーダンス:4Ω ●周波数特性:50Hz~8kHz ●能率:88.7dB ●取付穴径:145.7mm ●取付深さ:74mm
ミッドウーファーの振動板は、レモンイエローが印象的なケプラーファイバーだ。そしてフレームは、超ディープストロークを可能とする専用のアルミダイキャスト製。トゥイーターはシルクドームであり、これまでに聴いてきたものとタイプこそ同様ながら、新開発されたもの、ということだ。

基本スペックをみて、公称インピーダンスがそれぞれ6Ωと4Ωであることにも目がいくが、それ以上に注目したいのは、“周波数特性”だ。トゥイーター、ミッドウーファーともにワイドレンジであることを特長としているようである。

なお、これまで聴いてきた3機種は価格差が小さかったのだが、それらと比べて、当機はぐっと高価になっている。それが音質性能にどれだけ反映されているのか大いに気になるところだが、果たして…。

とは言いつつも、2機種の合計価格は税抜で17万円。それでもまだまだ、ミドルグレードの範疇に収まっている。少々背伸びをすれば、手が届きそうなところにある。

では、音についてのリポートに移りたい。試聴環境は、これまでとまったく同様だ。リファレンスパワーアンプとして「RSオーディオ」の『RS A 20』(税抜価格:23万円)を使用し、ケーブル類は「モンスターカーオーディオ」の精鋭で統一している。

CDT オーディオ・ES-6ASCDT オーディオ・ES-6ASCDT オーディオ・ES-6AS

サウンドステージのスケール感が、ますますダイナミックに…。


一聴して、違いをはっきりと感じ取れた。特に驚かされたのは、サウンドステージがダイナミックになっていたこと。ステージの幅、高さ、そして奥行きが、それぞれ明らかに広く、高く、深くなっている。同じ試聴室で、スピーカーの設置場所もリスニングポジションも同様であるのに、ここまで変わるものなのかと、しみじみ思わされるほどだった。

キャラクター的な方向性は、これまで聴いてきたものと共通だ。余韻の消え際が美しく、質感も至って滑らかで心地良い。

しかしながらその上で、性能を推し量るすべての要素が、別物と言えるほどに変わっている。スケール感以外では、エネルギー感や生命力が高まっていて、生々しさも増している。可憐な音はより可憐に、力強い音はより力強くもなっている。

中高域にはハリとツヤが出ているし、低域の押し出し感も強まった。結果、全体的な説得力が増大している。また、1音1音の輪郭もシャープになって、ステージの見通しもさらに良くなっている。

それらの変わり幅はすべて、価格の上がり幅より大きい。コストパフォーマンスはすこぶる高い。

CDT オーディオ・ES-1200iSCDT オーディオ・ES-1200iS

スーパーハイエンドなパワーアンプと組み合わせてみると…。


実は、試聴はこれで終わりではない。当機がワイドレンジを特長としているスピーカーであるので、「RSオーディオ」の『RS A 20』よりもさらにワイドレンジなパワーアンプ、「オーディオ ウェーブ」の『アスパイア プロ JDP』(税抜価格:65万円)と組み合わせての試聴も実行してみた。当パワーアンプの周波数特性は、12Hz~100Hz。「CDT オーディオ」のアニバーサリースピーカーは、このパワーアンプの性能を表現できるのか、否か…。

最後のセットでは、圧巻のデモンストレーションが繰り広げられた。伸びやかさが桁違いで、迫力がとにもかくにもスゴイのだ。音域もなるほどワイドレンジで、ダイナミックレンジも相当に広がっている。エネルギー感も強く、説得力もさらに伸長している。倍音の響き成分も増えていて、音色のコクも深まった。

この価格でありながら、『アスパイア プロ JDP』の良さを十二分に表現できていることにも唸らされた。ハイエンドシステムでも通用するスピーカーであることを確信できた。実力が高いことを、疑いようはない。

これまで、一部のツウにウケている個性派スピーカーブランド、というイメージも正直持っていたのだが、「CDT オーディオ」は、まったくもって、正統派なHi-Fiブランドであった。

自分好みの、実のあるスピーカーをお探しならば、このブランドも候補に入れるべきだろう。どこかで聴く機会に巡り会えたら、そのチャンスを逃さぬように…。

《太田祥三》

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