カーオーディオの音をもっと良くするためには…。いつかは、やっぱり、パワーアンプ! Part.7「特殊なケース、その2」 | Push on! Mycar-life

カーオーディオの音をもっと良くするためには…。いつかは、やっぱり、パワーアンプ! Part.7「特殊なケース、その2」

純正スピーカーから市販スピーカーへと換装した後の次の一手として、“外部パワーアンプ”の導入をお薦めしている当特集。第7回目となる今回は、「特殊なケース」の“その2”をお届けする。ズバリ、「ビーウィズ・システム」を組む場合について、考えていく。

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ビーウィズ・P-100R

純正スピーカーから市販スピーカーへと換装した後の次の一手として、“外部パワーアンプ”の導入をお薦めしている当特集。第7回目となる今回は、「特殊なケース」の“その2”をお届けする。ズバリ、「ビーウィズ・システム」を組む場合について、考えていく。

■「ビーウィズ」の“外部パワーアンプ”のラインナップは、1chモデルのみ。

国産ハイエンドカーオーディオブランドの雄、「ビーウィズ」の製品を用いるときの、“外部パワーアンプ”の使い方を、シリーズの最後にご紹介していこうと思う。

ところで、「ビーウィズ」の“外部パワーアンプ”作りの思想は、他のブランドとは一線を画すものとなっている。通常のブランドが用意している、フロントスピーカー用の“外部パワーアンプ”は、大抵が、2chモデル、もしくは4chモデルだ。それ以外で5chとか6ch、といった多chモデルはラインナップしていても、1chモデルを用意しているブランドはかなり少ない。一部のスーパーハイエンドなブランドか、「ビーウィズ」か、という状況となっているのだ。

ちなみに「ビーウィズ」では、ラインナップしている“外部パワーアンプ”すべてが、1chモデルだ。ブランドを創設した当初こそは、複数chのパワーアンプも作っていたが、2006年に初の1chパワーアンプ『Accurate A-110S』を発表し、その後の2009年に『Accurate A-110S 2009 Model』を発売した以降は、複数chパワーアンプの新作を発表していないのだ。

「ビーウィズ」が1chパワーアンプにこだわる最たる理由は、“chセパレーション”であろう。ステレオを理想的な状態で再生しようとしたとき、左右の音楽信号がオーディオ回路の中で干渉することはできるだけ避けたい。そこを追求していくと、1chパワーアンプを使うというところに行き着く、のである。

ただし、左右のchで別の“外部パワーアンプ”を使おうとするとき、アンプ間の個体差はあるべきではない。左右で同条件の環境を作ることはステレオ再生においての基本中の基本。そこに目を向けたとき、製品精度が相当に高くないと、左右で別のパワーアンプを使うことは、むしろ凶となる可能性もある。

しかしながら「ビーウィズ」はパワーアンプの製品精度を高めて、それを可能にしている、という次第なのである。

■「ビーウィズ」は“DSP”についても、1ch使いを究極と位置付けている。

ちなみに言うと「ビーウィズ」は今や、“DSP”についても左右での別体使いを推奨している。そればかりか、フロント2ウェイ+サブウーファーのすべてのスピーカーに対して、別体の“DSP”をおごることを究極形としているのだ。それを実践するとかなりの高額なシステムとなるので、おいそれと実行することはできないのだが、メーカーとして考える理想を可能とするツールは用意してある、というわけだ。

ところで「ビーウィズ」ファンの多くは、システムをフル・ビーウィズで完結させる場合が多いが、それがマスト、ということではない。「ビーウィズ」が用意しているメインユニット、『MM-1D』と「ビーウィズ」製の“DSP”については、できればこれを組み合わせたほうがベターだが、パワーアンプ、スピーカーは、他のブランドと組み合わせてみるのもアリだ。

例えば、純正スピーカーから市販スピーカーのエントリーモデルに交換し、その次の一手として「ビーウィズ」の“外部パワーアンプ”を使ってみるのもいいだろう。現行モデルでもっとも手頃な製品は、『P-100』。当機の税抜き価格は6万円。これを2台用意すれば、フロント2ウェイスピーカーを“パッシブクロスオーバーネットワーク”で鳴らすシステムを組むことができる。2台で12万円となるのだが、2chモデルで考えたとき、その価格帯は、ミドル・ハイグレード、と呼ばれるゾーンだ。けっしてお安くはないが、ハイエンドモデル、とまではいかない。むしろスタンダードな価格帯と言っていい。左右で別体の“外部パワーアンプ”を使う、という「ビーウィズ」ならではのアプローチを試す価値はある。

なお、「ビーウィズ」の“外部パワーアンプ”のフラッグシップモデルは、『P-1R』である。こちらの税抜き価格は18万円。2chアンプとしてシステムに組み込もうとすると36万円となるが、最近はこれ以上の価格の2chパワーアンプもハイエンドユーザーには結構使われている。そう考えると、「ビーウィズ」製品は、必ずしも手が届かない高嶺の華というわけでもない。特別な人のためのブランド、というイメージを持っている方もいるかもしれないが、そういうことでは決してないのだ。「ビーウィズ」ならではの、そして日本製アンプならではの使い心地を、味わってみるのも悪くない。

さて、ここまで7回にわたって、“外部パワーアンプ”の魅力をいろいろとお伝えしてきた。今すぐにこれを導入しなくても良いが、カーオーディオを楽しんで行く中では、“外部パワーアンプ”を用いることで、もう1ランク、サウンドを上級なものに引き上げられるということを、ぜひとも頭のスミに記しておいていただきたい。そして1人でも多くの方に、この魅力を堪能していただきたいと思う。

《太田祥三》

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