人気の価格帯、“ミドル・ハイ”グレードの注目スピーカー7機種を、徹底比較試聴! ベストバイモデルは、どれ!? Part.2 | Push on! Mycar-life

人気の価格帯、“ミドル・ハイ”グレードの注目スピーカー7機種を、徹底比較試聴! ベストバイモデルは、どれ!? Part.2

スピーカーにおいての10万円前後の価格帯は、相当な激戦区となっている。入門機とは明らかに一線を画す、実力機がひしめきあっているのである。その中から注目機7モデルチョイスし、徹底的な比較試聴を実行した。当記事は、そのインプレッション・リポートの第2回目だ。

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試聴会場/イース・コーポレーション試聴室
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  • フラックス・MC261
  • レインボウ・GL-C6.2
  • ヴァイブオーディオ・CVEN62C-V4

スピーカーにおいての10万円前後の価格帯は、相当な激戦区となっている。入門機とは明らかに一線を画す、実力機がひしめきあっているのである。その中から注目機7モデルチョイスし、徹底的な比較試聴を実行した。当記事は、そのインプレッション・リポートの第2回目だ。

なお、今回の試聴記は、3名のテスターによる対談形式でお届けしている。参加者は以下の3名だ。イース・コーポレーションの、Super High-end 推進事業部 兼 Monster Car Audio 国内事業部の関口周二さん、当サイトの藤澤純一編集長、ライターの私、太田祥三、という顔ぶれだ。それぞれの印象を率直にぶつけあい、各機の特長に迫っていった。

試聴テストにエントリーしたモデルは、以下の7機種。1・MTX・SS7 2・CDTオーディオ・HD-62 3・フラックス・MC261 4・レインボウ・GL-C6.2 5・VIBEオーディオ・CVEN62C-V4  6・JLオーディオ・C5-650 7・ロックフォード・T3652-S。今週はこの中から、以下の3機種についてリポートしていく。

ナチュラルでフラット、音色も至って正確。それを好むか好まないか…。


まずは、こちらのインプレッション・リポートから入りたい。
フラックス・MC261
☆フラックス・MC261(税抜価格:9万3500円)
●定格入力:100W ●能率:90dB ●取付穴直径:142mm(ウーファー部) ●取付深さ:65mm(ウーファー部) ●クロスオーバー:サイズ(幅×奥行×高さ)120×65×34mm

ドイツ発の実力ブランド、「フラックス」。設立してから50年以上が経つという、歴史あるブランドである。製品ラインナップも幅広く、スピーカーにおいては、トップエンドの『リファレンス・シリーズ』から、エントリーグレードの『ベーシック・シリーズ』まで、充実の計5ラインを擁している。なお、全シリーズともに、2ウェイコンポーネントと3ウェイコンポーネントの両方をランナップし、さらに、各ユニットを単品(ペア)で買い揃えることも可能。システムの発展性、選択性が高いことも大きな特長としているブランドだ。

当機『MC261』は、5ラインある中のちょうど真ん中のグレードとなる『マエストロ・シリーズ』の2ウェイコンポーネントスピーカーだ。ミッドウーファーの振動板には、上質なペーパー素材やグラスファイバー、シルク繊維を用いた3層コーンが採用され、トゥイーターは、ハンドコート仕様の25mmシルクドームとなっている。また、パッシブクロスオーバーネットワークの接点には、こだわりの銀ハンダが使用されていて、トゥイーターのレベル設定も可能。なかなかに手の込んだアイテムと言って良さそうだ。

では、3名のコメントをご紹介していこう。

藤澤(以下・藤)「正統派なHi-Fiサウンドが聴けましたね。トーンバランスが良く、生々しさもあり、量感も豊かです。余韻の残し方も嫌味がなく自然なグラデーションを描いていたと思います。分解能が高く、各パートが混濁せずにしっかりと鳴り分けられていたのも好印象でした」

関口(以下・関)「実にナチュラルでバランスの取れたサウンドであると感じました。耳当たりが良いですし、性能が高いのは確かです。しかし、言い方を変えれば、いい意味で“普通”ですよね。個人的な好みで言うならば、もっと強烈な何かを持っているタイプのほうが、私は好きかな」

太田(以下・太)「ぼくはこれまでの中では、一番好きですね。音色の正確さが感じられて、安心して聴けたんですよ。低域も出過ぎることなく、しかし適度に弾力感があり、中域の厚み、高域の繊細さもほど良くある。確かに特出した特長はないかもしれませんが、非常にバランスが良い。質感もマイルドですから耳当たりも良好です。心地良いサウンドでした」

性能の確かさを疑う余地はなさそうだ。あくまでもニュートラルで、ナチュラル。バランスも至ってフラット。少なくとも、この音を嫌いだと言う人はかなり少ないのではないだろうか。素性の良いスピーカーであることは疑いようがない。

気鋭ブランドの新作。独特のハリとツヤで、音楽を魅力的に聴かせる。


続いてはこちらを聴いた。
レインボウ・GL-C6.2
☆レインボウ・GL-C6.2(税抜価格:10万5000円)
●最大入力:180W ●定格入力:120W ●周波数特性:39Hz~30kHz ●能率:90dB ●取付穴直径:143mm(ウーファー部) ●取付深さ:66mm(ウーファー部)

昨年、日本再上陸を果たし、いよいよ今年から本格的なデリバリーが開始された「レインボウ」。スピーカーは通常モデルが計4ラインがあり、さらにBMW専用シリーズが1ライン用意されている。当機はその中での、セカンドグレードとなる「ジャーマニウム ライン」の2ウェイコンポーネントスピーカーである。

トゥイーターは26mmシルクドームで、ミッドウーファーの振動板にはブラック塗装が施されたアルミニウムが、エッジにはダブルMサラウンドがそれぞれ採用されている。その上で、パッシブクロスオーバーネットワークはバイアンプ対応の高性能タイプ。作りの質感もなかなかに高く、今後、売れ行きを伸ばしそうな注目株の1つである。

このモデルに対する各人の評価はどうだったのだろうか…。

太「性能的に、ワンランク上がった感がありますね。10万円を超えてきただけのことはある。ツヤがあってハリもある。低域の質も良いです。ゴージャスでリッチな味わいも好印象です」

関「聴き手を引き込む魅力がありますね。解像度が高く、耳当たりも良い、それでいてきらびやかでツヤっぽい。メリハリもあります。低域の量感もほど良く、かつローエンドまで伸びています。スケールの大きさも感じますし、好みの音ですね」

藤「何だろう、未来を感じる音がする…(笑)。きっちりかっちりとした音です。少し金属的な音でもありますね。でも、それが悪くはない。高い解像度とスピード感で明るく楽しく音楽を聴かせてくれる。テンションを上げたいときには、すごく良いスピーカーなんじゃないでしょうか」

太「デモボードでの存在感も高そうですよね。キャッチーなサウンドだと思いました」

3名の印象は概ね一致した。ツヤのある、魅力的なサウンドを奏でるスピーカーであることは間違いない。シルクドームトゥイーターと、ミッドウーファーのアルミとのマッチングが絶妙で、これならではの個性のある、主張のあるスピーカーと言えそうだ。

カラッとした、明るい音色。“マルチアンプシステム”で真価を発揮!


今週はもう1機種ご紹介する。イギリス「ヴァイブオーディオ」のニューモデルだ。
ヴァイブオーディオ・CVEN62C-V4
☆ヴァイブオーディオ・CVEN62C-V4(税抜価格:11万円)
●最大入力:240W ●定格入力:120W ●周波数特性:45Hz~20kHz ●能率:91dB ●取付穴直径:143mm(ウーファー部) ●取付深さ:73mm(ウーファー部)

エッジを効かせたデザインと、エネルギッシュなパワーサウンドを持ち味とするブリティッシュ・ブランドの「ヴァイブ・オーディオ」。スピーカーは大きく3ラインを擁していて、当機はフラッグシップシリーズとなる『CVEN(シーヴェン)シリーズ』の2ウェイコンポーネントスピーカーである。トゥイーターはワイドバンドなシルクドームタイプ。ミッドウーファーの振動板素材には、コンポジットペーパーコーンが採用されている。

なお当機には、通常のパッシブクロスオーバーネットワークが付属されておらず、かわりに“MCAPコンデンサ”が付属し、これによりトゥイーターのハイパスのみがかけられる(ミッドウーファーはフルレンジ再生となる)。“マルチアンプシステム”での使用が前提で、付属のクロスオーバーは簡易的なタイプ、と言っていい。

関「試聴環境をイコールコンディションとするために、付属の“MCAPコンデンサ”を使って試聴しましたが、当機の真価が発揮されるのは“マルチアンプシステム”で鳴らしたときでしょうね」

藤「傾向としては、ドライな音色ですね。明るく、ポップな印象もあります。とはいえ、ミッドウーファーをフルレンジで鳴らしてしまったら、ちょっと酷ですよ。当機はアクティブクロスオーバーを使った状態で、もう1度聴いてみたいですね」

太「トゥイーターの音に集中してみると、案外、きっちり、かっちりと高域を表現しているように思いました。響きも適度に効いていて、これはこれで、生き生きと音楽を再現していると思います。低域はどちらかというと、どっしりとしているタイプではないですね。重厚さを求める人には向いていないかもしれません。中・高域は元気ですし、この音を好む層はいると思いますよ。若い人に人気が出そうなモデルですね」

カラっと明るい、楽しめるサウンド傾向だと言って良さそうだ。しかし当機は、フロントスピーカーを2chアンプで完結させるシステムには不向きなようだ。DSPを用いて、マルチ駆動させて使うべきモデルなのである。その状態での再試聴をいつかの機会で、ぜひ行いたいと思う。再リポートを、ゆっくりとお待ちいただきたい。

さて、当週のリポートは以上とさせていただく。次週は残り2機種について詳しく対談インプレッションをお伝えしつつ、各人のベスト3も発表していく。最終回となる次回は、お読み逃し、厳禁だ。

《太田祥三》

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