新作超ド級ハイエンド・パワーアンプを聴く!! Part.2 「GROUND ZERO・GZPA Reference 2 SYM/4 SYM」編 | Push on! Mycar-life

新作超ド級ハイエンド・パワーアンプを聴く!! Part.2 「GROUND ZERO・GZPA Reference 2 SYM/4 SYM」編

イース・コーポレーションが取り扱う2ブランドから、スーパーハイエンドなパワーアンプが計5機種登場する。幸運にもそれらをすべて、かつ、じっくりと試聴できる機会を得た。その試聴記を4回にわたってお贈りする。今週はその第2回目だ。

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GROUND ZERO・GZPA Reference 2 SYM
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イース・コーポレーションが取り扱う2ブランドから、スーパーハイエンドなパワーアンプが計5機種登場する。幸運にもそれらをすべて、かつ、じっくりと試聴できる機会を得た。その試聴記を4回にわたってお贈りする。今週はその第2回目だ。

新登場するパワーアンプとは、実力ジャーマンブランドの「GROUND ZERO(グラウンドゼロ)」から2グレード計4モデル、そして新鋭アメリカンブランド「D’AMORE ENGINEERING(ダモーレエンジニアリング)」から1モデル。先週はまず、「GROUND ZERO」の4機種についての概要をお伝えした。

今回からはいよいよ、インプレッション・リポートに入っていく。まずは、「GROUND ZERO」の『Referenceシリーズ』に新たに加わった、シリーズ中の2ndグレードとなる『GROUND ZERO・GZPA Reference 2 SYM/4 SYM』(2chモデル/4chモデル、ともに税抜価格:51万円)についてリポートしていく。

まずは従来機の音をチェック。何1つとして不満のない、上質なサウンドを堪能…。


試聴会場は、イース・コーポレーションの試聴室。テストは、PC→USB-DAC→パワーアンプ→パッシブクロスオーバーネットワーク→スピーカー、というシステムで行った。リファレンススピーカーとして使用したのは、ドイツのスーパーハイエンドブランド、「RSオーディオ」の『RS マスター2』(税抜価格:65万円)だ。ケーブル類はすべてロシアの「チェルノフケーブル」で統一した。パワーケーブルに『スペシャル DC POWER 4 AWG』(税抜価格:5800円/1m)を、スピーカーケーブルに『クラシック TAC-ClassicMKll SC/1』(税抜価格:9300円/1m)、そしてラインケーブルに『TAC-Reference IC165』(税抜価格:28万1000円)を用いて、テストを進めていった。

初めに、従来機の音を確認した。聴いたのは『GZPA Reference 4』(税抜価格:36万円)。

改めてその音を聴き、つくづく当機の良さを再認識した。良さをひと言で言うならば「クリアで濃密」。サウンドに充実感がみなぎっている。低域は、さすがは『Reference シリーズ』と言うべきエネルギー感に満ち、中域のボーカル、管楽器の音には芯がありハリもある。高域の繊細さも申し分ない。

不満を感じる部分は何1つない。素晴らしいのひと言だ。しかしこれから聴く計5台は、これ以上のポテンシャルを持っているという…。大きく期待しながら、最初の1台、4chアンプである『GZPA Reference 4 SYM』へと繋ぎ変えていただいた。

なお、4chアンプについてはフロントchを使用して聴いていった(ブリッジ接続はしていない)。また、各機での試聴コンディションを厳密に揃えるべく、ゲイン調整はテスターを用いて精密に行い、再生ボリュームも固定してテストを進めた。さらに各機とも、10分間ずつのアイドリング時間を設け(その間は試聴室から退席した)十分に暖めた上で試聴に臨んだ(テスト機の『GZPA Reference 4』においても同様だ)。

《編集部藤澤の一言コメント》
質良く非常に安定したサウンド。粒子の詰まった濃い音を奏でるのだが、一音一音がしっかりとした解像度を持っているので階調表現力が優れている。重なり合う音は前後左右の立体感を持ち、出過ぎず消えすぎずの余韻が好印象。淡々とある音を音源通りに奏でてくれる評価の高い高品位なパワーアンプだ。

GROUND ZERO・GZPA Reference 4 SYM
GROUND ZERO・GZPA Reference 4 SYMGROUND ZERO・GZPA Reference 4 SYM

最初の1台のサウンドで、気分はすでにクライマックスに…。


かくして準備を完了していただき、テストをスタートした。PCに取り込んだ試聴用トラックを呼び出し、再生ボタンをクリック…。

一聴して、凄さに唸った。『GZPA Reference 4』の良さが、すべてにおいて伸長している。

まず驚いたのは、音の濃さだ。解像度が高く緻密で繊細。その上で旨味が凝縮している。かといってしつこさは一切ない。余計な味付けはなく、素材の旨味だけで十二分にコクを出しているのだ。そして音の輪郭はキリッとシャープ、でありながら深みがあり、余韻も至って美しい。

低域のエネルギー感も増している。重心はより低くなり、どっしり感が増大している。それでいて同時に、躍動感も倍増している。R & B系のビート感が強い曲ではグルーブ感を満点に表現し、弦楽器のアンサンブルでは荘厳に低域を再現する。タイプの異なる低域を、それぞれ魅力的に表現し切ってみせている。中域の厚みも素晴らしい。そして、高域のスムーズさたるや…。なんとも心地よく倍音が響き渡っている。

まだまだ序の口であるはずなのに、気分はすでにクライマックスに達してしまった…。『GZPA Reference 4 SYM』のサウンドを、酔いしれながら堪能した。

《編集部藤澤の一言コメント》
レンジが広がり、十分と思っていた繊細さがさらに細かく表現されている。付帯音が減ったのか、全体的に明るくエッジの効いた音となっている。奥行きの表現力が大きく変わっていて、前後関係が明確に再生されている。スピーカーの駆動を正確に行っているのがよく分かり、強弱の付け方や押し引きが見事としか言いようが無い。A級動作に換えてみるとその表情は一変する。良い意味で緩くリラックスした表現に変わり、ゆったりと伸びていく音調は正しくリラックスサウンド。エッジが立ったところが無くなる代わりに透明のゼラチンをまとったような艶やかさが際立つ。と言っても音の分解能は高いままなので色気ある雰囲気が好きななら断然A級動作がオススメだ。

GROUND ZERO・GZPA Reference 2 SYM
GROUND ZERO・GZPA Reference 2 SYMGROUND ZERO・GZPA Reference 2 SYM

音楽の説得力、感動力、生命力に、ただただ圧倒されるばかり…。


続いては、『GZPA Reference 2 SYM』である。2chアンプでありながら『GZPA Reference 4 SYM』と同価格。つまり、1chあたりの価格は倍増しているわけだ。どのような音が聴けるのか予想もつかない…。

一旦、試聴室を出て耳を休め、調整と暖機が終わるの待つこと10数分。ある程度耳は休まりつつも、高揚した気分はなかなか収まりきらない中部屋に戻り、次なるテストを開始した。

最初の出音を聴いた瞬間に、細部について評価しようと思う気持ちが吹き飛んだ。ただひたすらに、音の説得力、楽曲の感動力、演奏の生命力に圧倒されるばかりだ…。音楽が心に、ずっしりと響き渡り、染み渡る。圧巻だ。

ピアニッシモで演奏される音はどこまでも可憐で、音量は小さいながらも凛として、演奏者によって大切に紡ぎ出されていることがひしひしと伝わってくる。対してフォルテシモで演奏される音は、圧倒的な迫力を持って降ってくる。

性能の高さは疑いようもない。完全なるデュアルモノ構造となっていることも効いているのだろう。音数はこの上なく多く、静寂性も極限的。

しかしながら返す返すも、このアンプに対しては性能についてあれこれ言う必要はない。ここまで音楽を感動的に聴かせるパワーアンプはそうそうない…。

『GROUND ZERO・GZPA Reference 2 SYM/4 SYM』どちらも、従来機である『Reference シリーズ』の音をあっさりと凌駕してみせた。実力は本物だ。

これ以上のアンプはなくて良い…。正直、そこまで思えたのだが、この後にまだ3台ものスーパーハイエンドアンプの試聴が控えている。それらについては、次週以降にじっくりとお伝えしていく。

《編集部藤澤の一言コメント》
チャンネル単価が倍になるとはどういう事か、それをしっかりと教えてくれるハイクォリティーなアンプ。音のしなやかさ、情報量の多さが大きく変わってくる。階調がよりスムーズになり伸び伸びとした音となっている。制動力が上がることでメリハリもさらに強くなり、曖昧な部分と認識していた音すらも明確さが増していて驚く。A級動作に換えるとどうなるのか、これ凄い。4chと同様に暖かみを感じるリラックスした音調なのだが、それに加えて深い所から立ち上がってくる音にゾクゾクする。音の輪郭をしっかりとさせながらトルクフル、それでいて雰囲気、色気を感じさせる素晴らしいパワーアンプだ。

《太田祥三》

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