“ハイレゾ”ロゴマークを巡る素朴な疑問…。 これの使用は、どのようにして認められるのか…。 | Push on! Mycar-life

“ハイレゾ”ロゴマークを巡る素朴な疑問…。 これの使用は、どのようにして認められるのか…。

最近、ダイヤトーンスピーカーのHP内の『DS-G500』と『DS-G20』の紹介ページにおいて、“ハイレゾ”ロゴマークが添えられた。これを見つけてはたと疑問が思い浮かんだ。デジタル機器に“ハイレゾ”ロゴマークが付くのはわかるのだが…。

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日本オーディオ協会が設定している“ハイレゾ”ロゴマーク。
  • 日本オーディオ協会が設定している“ハイレゾ”ロゴマーク。
  • 日本オーディオ協会が設定している“ハイレゾ”ロゴマーク。

最近、ダイヤトーンスピーカーのHP内の『DS-G500』と『DS-G20』の紹介ページにおいて、“ハイレゾ”ロゴマークが添えられた。これを見つけてはたと疑問が思い浮かんだ。デジタル機器に“ハイレゾ”ロゴマークが付くのはわかるのだが…。

果たして、スピーカーのようなアナログ製品は、何をもって“ハイレゾ”対応とされているのか…。この素朴な疑問を解消すべく、“ハイレゾ”ロゴマークについてのいろいろを、徹底的に調査した。

■ハイレゾ”ロゴマークは、『一般社団法人 日本オーディオ協会』が設定している…。

ダイヤトーンのHPをよくよく見ると「当社は日本オーディオ協会のハイレゾ定義に準拠した製品に上記ロゴを冠して推奨しています」という記載がある。

つまり、『日本オーディオ協会』という団体があり、そこが“ハイレゾ”を定義していて、ダイヤトーンスピーカーはそれに準拠した製品である、というわけなのだ。

早速、その『一般社団法人 日本オーディオ協会』(JAS)に取材を申し込んだ。

お話を訊いてまず分かったことは、当ロゴマークは、ホームオーディオ関連の製品やコンテンツにおいては、相当に普及している、ということ。なんでも2016年3月17日現在で、67社がこれを使用しているとのことだ(海外メーカーも含む)。なお、カーオーディオ関連の製品では、当ロゴマークの使用申請をし、使用を認められている製品はまだ少数派だ。

そして次にわかったことは、“ハイレゾ”の定義には、「アナログ信号に関わること」もあるということ。それについては『JAS』のHPに、明確に記載されていた。

・スピーカー・ヘッドホン高域再生性能: 40kHz以上が可能であること。

とのことである。

そしてダイヤトーンスピーカーは、「その条件が保証された機器である」と承認され、“ハイレゾ”ロゴマークの使用が認められている、というわけなのだ。

■定められた条件下でテストされ、求められるデータを示した製品だけが使用を許される。

ちなみに、“ハイレゾ”ロゴマークの使用が認められるまでの手続きは、大体以下のような流れになっている、とのことだ。まず、認定の申請をするにあたっては、原則として、『JAS』の法人会員である必要がある。そして、ロゴマークの使用を希望する法人会員は、使用申請を『JAS』に対して行う。そうすると『JAS』からメーカーに対して、“ハイレゾ”の定義を満たしているか否かを裏付けるための情報提供が求められる。

その時、どのような条件でテストし、結果どのようなデータが得られると申請が認められるのかも詳細に伝えられる(この内容については非公開)。

申請したメーカーは、必要なテストを定められた条件下で行い、条件を満たしたことを示すデータを提出する。そしてそれが認められれば、ロゴマークの使用が認可される、とのことだ。

なお、“ハイレゾ”の定義には、「聴感に関わること」も定められている。これについては、各社が自らの評価基準に基づいて責任ある聴感評価を行い、“ハイレゾ”に相応しい製品であると最終判断されているかどうかが問われる、とのことだ。

さらには、『JAS』が“ハイレゾ”ロゴマークを設定している理由もお訊きした。もっとも重要視しているのは「ユーザーをがっかりさせないこと」だという。協会としても“ハイレゾ”に対する期待感は大きい。しかし、“ハイレゾ”対応とうたいながらも、あるべきクオリティに達していない製品があったとしたら…。そのような製品があれば、それは確実に“ハイレゾ”の発展を妨げるものとなってしまう。それを防ぐことが、“ハイレゾ”ロゴマークの使命なのである。

以上が、今回の調査でわかったことだ。『JAS』が設定しているこの“ハイレゾ”ロゴマークの重みを理解することができた。厳正かつ、厳密な規定があり、それを確実に証明できた製品だけが、このロゴマークを使用することが許されるのである。

これからは、デジタル機器のみならず、アナログ機器においても“ハイレゾ”ロゴマークがあるかないかをチェックすると、製品選びの参考になりそうだ。注目すべし!

《太田祥三》

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