【オーディオ教養強化辞典】位相 | Push on! Mycar-life

【オーディオ教養強化辞典】位相

音楽や歌声をオーディオシステムで再生するとき、位相問題がつきまとう。とくに複数のスピーカーを組み合わせて使う場合、顕著だ。

カーオーディオ カーオーディオ特集記事

音楽や歌声をオーディオシステムで再生するとき、位相問題がつきまとう。とくに複数のスピーカーを組み合わせて使う場合、顕著だ。

カーオーディオ環境では、位相処理は非常に大きな問題を抱えている。位相とは、音がもっている波の性質のことで波は強い部分、弱い部分が交互に繰り返し、耳に届く。池に石を投げたときに広がるように、音は水面の波紋と同じように波打ちながら進んでいく。スイープ(単音)の位相はシンプルな1つのカーブラインだが、楽音は基音や倍音の響きも含まれ複雑だ。現状を直視すると、複数のスピーカーをチャンネルごとに帯域分割する組み合わせがほとんどだ。もし左右、同じ周波数を再生したとき、片方が逆相だと波は打ち消され、聴こえなくなってしまう。このような現象は稀だがスピーカーの±(プラスマイナス)を片方だけ逆にすると不自然な音調となり好ましくない。

もう少し掘り下げてみよう。運転席は右か左に限定されるので、個々のスピーカーと耳との距離はすべて異なる。位相を改善するには、スピーカーの取り付け位置をベストなポイントに動かせばいいが、そうは上手くゆかない。そこでデジタルプロセッサーの出番となる。タイムディレイ(タイムアライメント・タイムコレクションとも云う)機能を使うことが、よい位相整合につながる。この機能は繊細な調整ができドンピシャに決まればスピーカーのロケーションに左右されることなく、定位とアンビエンス(臨場感)ともに明晰なステージングが前方に広がる。位相調整に前向きに取り組んでほしい。

《永松巌》

特集

関連ニュース

page top