【WEC 第7戦】ポルシェがメーカー王座獲得を決定…上海でも1-2フィニッシュ | Push on! Mycar-life

【WEC 第7戦】ポルシェがメーカー王座獲得を決定…上海でも1-2フィニッシュ

1日に中国・上海で決勝6時間レースが行なわれた世界耐久選手権(WEC)第7戦において、ポルシェが今季のマニュファクチャラーズタイトル獲得を決定した。ポルシェは前戦富士に続く1-2フィニッシュで5連勝。アウディは3-4位、トヨタは5-6位だった。

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優勝した#17 ポルシェ。
  • 優勝した#17 ポルシェ。
  • 優勝の#17 ポルシェ、左からウェーバー、ベルンハルト、ハートレー。
  • #7 アウディは3位。
  • 3位に入った#7 アウディの3人は、最終戦にドライバーズタイトル逆転獲得の可能性を残した。左からトレルイエ、ファスラー、ロッテラー。
  • トヨタ勢は最終的に#2が5位、#1が6位に。
  • F1でもお馴染みの上海で、#2 トヨタは5位。
  • 1-2での勝利とメーカー王座獲得を喜ぶポルシェ陣営。
  • 2015年のマニュファクチャラーズチャンピオンを祝して、ポルシェ陣営が記念撮影。

1日に中国・上海で決勝6時間レースが行なわれた世界耐久選手権(WEC)第7戦において、ポルシェが今季のマニュファクチャラーズタイトル獲得を決定した。ポルシェは前戦富士に続く1-2フィニッシュで5連勝。アウディは3-4位、トヨタは5-6位だった。

富士戦同様、ウェット路面でのセーフティカー(SC)先導走行から始まった上海戦。SC退去後、実質のスタートとなった周回では最高峰クラスLMP1-H(Hはハイブリッドを示す)の3大ワークスが接近戦を披露し、そのなかで#18 ポルシェが#7 アウディとの接触により大きく後退する波乱のシーンも。しかし、#18 ポルシェはポジションを挽回していき、後半は路面が乾いていったこともあって、結局はここでも予選1-2だったポルシェが富士に続く1-2フィニッシュを飾る結果となった。

上海戦決勝のLMP1-Hクラスの順位(総合順位)は以下の通り。

1位:#17 ポルシェ(919 Hybrid/T.ベルンハルト&M.ウェーバー&B.ハートレー)
2位:#18 ポルシェ(919 Hybrid/R.デュマ&N.ジャニ&M.リーブ)
3位:#7 アウディ(R18 e-tron quattro/M.ファスラー&A.ロッテラー&B.トレルイエ)
4位:#8 アウディ(R18 e-tron quattro/L.ディ・グラッシ&L.デュバル&O.ジャービス)
5位:#2 トヨタ(TS040 HYBRID/A.ブルツ&S.サラザン&M.コンウェイ)
6位:#1 トヨタ(TS040 HYBRID/A.デビッドソン&S.ブエミ&中嶋一貴)

結果だけ見ると至って順当、というところだが、アウディもよく健闘した。路面が乾いてからもポルシェと勝負する姿勢を保ち、最終局面でフルコースイエローが出たりする外乱要素がなければ、#7 アウディは#18 ポルシェに2位争いを挑むことができていたはずだった。最終的な両車の差はわずか4秒。ただ、結果としては富士に続く3-4フィニッシュに甘んじることとなり、ここでポルシェにマニュファクチャラーズタイトル(メーカー王座)獲得決定を許している。

2012年の現行シリーズ発足以降、アウディ~アウディ~トヨタと渡ってきたメーカー王座が、今年は最終戦を残してポルシェのものとなった。5連勝(#17は4連勝)で今季4回目の1-2を果たし、参戦2年目にして現行WECで初のタイトル獲得を達成。ウェーバーは「この短い期間でチームが成したことは、まさに『信じられない』と評すべきことだろう。こういったマシンをつくりあげること、そして毎戦トップパフォーマンスを発揮することは、とても困難なことなんだ。このタイトルはポルシェと、ハードワークを続けてきた全ての人々にとって偉大な価値を有するものだ」との旨をコメントしている。

ドライバーズチャンピオン争いの方は、前戦富士で首位に立った#17 ポルシェ(ウェーバー組)が、#7 アウディ(ロッテラー組)に対するリードを1点から12点へと拡大して最終戦に向かう形勢となった。#17 ポルシェが絶対的優位であることは間違いなく、#7 アウディが最終戦でポール・トゥ・ウインした場合でも、#17 ポルシェは3位で王座決定となる(優勝25点、2位18点、3位15点、4位12点…ポール1点)。

上海でのトヨタ勢は#2が4周遅れ、#1が5周遅れでの5-6位という結果だった。#1の中嶋一貴は「自分には特に難しい日でしたね。土砂降りになり始めた時、ミスしてグラベルにつかまり、長くタイムロスしてしまいました。チームの仲間、特にいつも通りに良い仕事をしてくれたメカニックたちに申し訳ない気持ちで一杯です。その後は成し得る限りのベストを尽くしてレースを終われましたが、このミスから学び、次のレースではさらに攻めていきたいと思います」とコメント。おそらくは次のレースというよりも、さらに先、来季に向けての前進を胸に期す、といった心境がトヨタの全員に共通する思いだろう。

上海戦のLMP2、LMGTE-Pro、LMGTE-Amの各クラス優勝は以下の通り。

LMP2:#36 SIGNATECH ALPINE(アルピーヌA450b-ニッサン/N.パンチアティシ&P-L.シャタン&T.ディルマン)
LMGTE-Pro:#91 PORSCHE TEAM MANTHEY(ポルシェ911RSR/R.リエツ&M.クリステンセン)
LMGTE-Am:#83 AF CORSE(フェラーリ458イタリア/F.ペロード&E.コラール&R.アグアス)

最終第8戦バーレーンは11月21日決勝(現地土曜決勝の予定)。ウェーバー組ポルシェとロッテラー組アウディのドライバーズタイトル争いに決着がつく。

《遠藤俊幸》

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