【SUPER GT 第7戦】ランクトップのインパル組GT-Rがポール獲得…GT300はエヴォーラ先頭 | Push on! Mycar-life

【SUPER GT 第7戦】ランクトップのインパル組GT-Rがポール獲得…GT300はエヴォーラ先頭

31日、SUPER GT 第7戦の公式予選が大分県のオートポリスで行なわれ、GT500クラスでは現在ランキングトップのインパル組GT-R、安田裕信&J-P.デ.オリベイラがポールポジションを獲得した。GT300クラスのポールはロータス・エヴォーラの高橋一穂&加藤寛規。

自動車 ニュース
GT500のポールは#12 GT-Rが獲得。
  • GT500のポールは#12 GT-Rが獲得。
  • GT500ポールの#12 GT-R、オリベイラと安田。
  • GT300のポールは#2 ロータス・エヴォーラが獲得。
  • Q1突破を果たし、笑顔の#2 高橋一穂(左)。バトンを受けた加藤寛規がGT300ポール獲得を決めた。
  • GT300ポールの#2 ロータス、加藤(中央左)と高橋(同右)。
  • GT500予選2位の#38 RC F。
  • GT500予選3位の#1 GT-R。
  • 今年も九州オートポリスにSUPER GTがやって来た。

31日、SUPER GT 第7戦の公式予選が大分県のオートポリスで行なわれ、GT500クラスでは現在ランキングトップのインパル組GT-R、安田裕信&J-P.デ.オリベイラがポールポジションを獲得した。GT300クラスのポールはロータス・エヴォーラの高橋一穂&加藤寛規。

いよいよ今回を含め残り2戦となった今季のSUPER GT、戦いの舞台は九州オートポリスへと移った。GT500クラスはドライバーズランキング上位6組が8点差にひしめく状況となっているが、今回は現在2点差ながらランクトップの#12 カルソニック IMPUL GT-R(安田裕信&J-P.デ.オリベイラ/タイヤはブリヂストン=BS)にとって、リード拡大のチャンスになる可能性が見込まれてもいる。

これは昨季からのGT500特有のルールである「ウエイトハンデ51kg以上の場合、50kg分をエンジンの燃料流量リストリクターによる調整に振りかえ」と、「参戦6戦目まではドライバーズポイント×2kgのウエイトハンデが、7戦目は×1kgになる」という原則(GT300も共通)の複合による現象で、前戦は7台が対象だった“燃リス振りかえ”が、今回は現在51点の#12 GT-Rだけになるからだ。一概にはいえないが、昨季~今季の状況を踏まえると“燃リス振りかえ”は有利。エンジンパフォーマンスのダウンはそれなりにあるものの、実重量ハンデが減るメリットの方が大きいようなのだ(今回#12 GT-Rは1kg、ランク2~6位は49~43kg)。

ただ、#12 GT-Rには不安材料も。それは、累積ペナルティの関係で安田が今回は予選日午前の練習走行に出走できないことである。事前テストで安田も走り込んでいるとはいえ、王座争いの勝負どころでもあるだけに気にはなるところだ。

迎えた予選日はドライコンディション。予選は2段階ノックアウト方式で行なわれるが、注目の#12 GT-RはQ1に安田、Q2にオリベイラというオーダーで臨んだ。そして安田がしっかりQ1突破(8位以内)を決めて不安材料を払い除けると、Q2ではオリベイラが1分32秒835というタイムをマークして見事にポールポジション獲得、巡り来たチャンスをきっちりカタチにしてみせたのである。

「実は今日は朝からセッティングに苦しんでいたんだ。アンダーステアが強く、バウンシングもなかなか直せなかった」というオリベイラだが、「うまくいかなくても仕方ないという気持ちで臨んだ」予選では「安田が3位で(Q1突破して)僕につないでくれ、僕も完璧な走りができたと思う」。そして決勝に向けては、「ぜひ勝ちたい」。ランクトップながら今季未勝利の#12 GT-R、今季初優勝のその先に睨むのはもちろん王座への接近だ。

予選2位はレクサス勢トップとなる#38 ZENT CERUMO RC F(立川祐路&石浦宏明/BS)で、これに続く3位は#1 MOTUL AUTECH GT-R(松田次生&R.クインタレッリ/ミシュラン=MI)。#38 RC Fは45kg、#1 GT-Rは44kgを背負っての予選上位獲得である。チャンピオン争いのことを考えると、決勝では#12 GT-Rに食い下がって、あわよくば逆転を狙いたいところだろう。燃料リス調整で直線スピードには苦しむと思われる#12 GT-Rを#38 RC Fや#1 GT-Rが決勝で攻略できるか、あるいは軽さを活かして#12 GT-Rが優位を築くか。注目である。

GT500の予選4~6位には、ヨコハマ(YH)とダンロップ(DL)を履くマシンが並んだ。YH勢の#24 D’station ADVAN GT-R(佐々木大樹&M.クルム)が4位、#19 WedsSport ADVAN RC F(脇阪寿一&関口雄飛)が6位。その間にDLの#64 Epson NSX CONCEPT-GT(中嶋大祐&B.バゲット)が入って5位、このマシンがホンダ勢最上位だった(日産が1-3-4)。

GT300クラスは、#10 GAINER TANAX GT-R(A.クート&千代勝正/DL)のクートが現在ドライバーズランキング首位、実質のランク2位以降を25点も離しており、ここでタイトルを決める可能性も充分あり得る状況となっている。その#10 GT-R、さすがに74kgのハンデ直積みは高低差の大きいコースの予選では厳しかったか、Q1で14位。Q2進出枠(13位以内)には届かなかった。ただ、最近のレース傾向からすれば、#10 GT-Rが決勝でポイント獲得圏内(10位以内)にポジションアップしてくる可能性は高いだろう。

Q2でのGT300ポール争いは、なんと0.001秒差という超僅差の決着となった。これを制したのはマザーシャシー使用車のエヴォーラ、#2 シンティアム・アップル・ロータス(高橋一穂&加藤寛規/YH)で、今季2度目のポール獲得(Q2タイムは加藤の1分43秒001)。加藤は「事前テストでやってきたことが役に立ち、持ち込みのセットアップの状態から速く走れました。今回は(今季初)優勝したいです」と語る。

惜敗で2番グリッドに甘んじたのは、現在実質のランク2位である#31 TOYOTA PRIUS apr GT(嵯峨宏紀&中山雄一/BS)。#31 プリウスとしては気持ちを切り替え、なんとか明日の決勝、#10 GT-R(クート)とのポイント差を大きく詰めたいところである。

GT300の予選結果はポールから9位までが異なる車種という、このクラスらしい群雄割拠の状況となった。3~9位は以下の通り(ポールの#2と6位の#25はマザーシャシー使用車)。

3位 #55 ARTA CR-Z GT(高木真一&小林崇志/BS)
4位 #61 SUBARU BRZ R&D SPORT(井口卓人&山内英輝/DL)
5位 #0 グッドスマイル 初音ミク SLS(谷口信輝&片岡龍也/YH)
6位 #25 VivaC 86 MC(土屋武士&谷川達也/YH)
7位 #21 Audi R8 LMS ultra(R.ライアン&藤井誠暢/YH)
8位 #3 B-MAX NDDP GT-R(星野一樹&高星明誠/YH)
9位 #87 クリスタルクロコ ランボルギーニ GT3(青木孝行&山西康司/YH)

決勝は明日(11月1日)の午後2時開始予定。65周、約300kmの戦いとなるが、雨が絡む可能性も予報には残るなか、タイトル争いの思惑も絡みつつ、予想のつかないスペクタクルな展開となる可能性もありそうだ。

《遠藤俊幸》

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