名門『FOCAL』の大注目ライン “カスタムフィットモデル”シリーズに ズームイン!! #2: 「DSA 500 RT」後編 | Push on! Mycar-life

名門『FOCAL』の大注目ライン “カスタムフィットモデル”シリーズに ズームイン!! #2: 「DSA 500 RT」後編

フランス発の名門ブランド『FOCAL』の最新ラインナップの中から、注目株、“カスタムフィットモデル”シリーズの全容を4週にわたってお伝えしていく。今週は、気鋭の複合機「DSA 500 RT」の詳細なインプレッション・リポートをお贈りする。パワードサブウーファー、2chパワーアンプ、DSPが一体になった当機の、サウンド性能やいかに…。

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名門『FOCAL』の大注目ライン “カスタムフィットモデル”シリーズに ズームイン!!


フランス発の名門ブランド『FOCAL』の最新ラインナップの中から、注目株、“カスタムフィットモデル”シリーズの全容を4週にわたってお伝えしていく。今週は、気鋭の複合機「DSA 500 RT」の詳細なインプレッション・リポートをお贈りする。パワードサブウーファー、2chパワーアンプ、DSPが一体になった当機の、サウンド性能やいかに…。

先週は「DSA 500 RT」のDSP性能にフォーカスしてお伝えした。今週は、パワーアンプ、パワードサブウーファー、そしてDSP、それぞれの音質性能について、詳しくリポートしていきたいと思う。

試聴は、デモカー『TOYOTA・G’s AQUA』にて行った。まずは当車のシステムレイアウトをご紹介しておこう。

ヘッドユニットはアルパインの「ビッグX」。そのRCA出力を「DSA 500 RT」に入力。そして当機のDSPで信号をフロント用、サブウーファー用に帯域分割し、フロント2chの信号は当機内の2chアンプで増幅した後に、フロントスピーカーへと送られる。

そのフロントスピーカーは、振動板素材にフランス特産品である天然繊維“亜麻”(Flax)が使われた「PS 165F」(税抜価格:4万4000円)。ちなみに、ビーウィズのヘッドユニット「STATE MM-1D」も搭載され、「ビッグX」の外部入力につながれサブヘッドとして機能しているのだが、今回は「ビッグX」のみでの試聴とした。


TOYOTA・G's AQUA by FOCALTOYOTA・G's AQUA by FOCALTOYOTA・G's AQUA by FOCAL

TOYOTA・G's AQUA by FOCAL


まずはパワーアンプの性能にフォーカスすべく、フロント2chだけで試聴した。

一瞬の出音に、外部アンプシステムならではの押し出し感と、余裕を感じた。一般的なナビヘッドの内蔵アンプサウンドとは明らかに一線を画している。

音色傾向は、明瞭でクリアだ。高域はエッジが立ち、楽器の輪郭をはっきりと描き出している。しかしながら、耳に刺さることはなく、あくまでも心地良い高域だった。中域も明るく、ボーカルもしっかりと前に出ている。低域はドライブ感があり、快活にビートを刻んでいた。

高域、中域の音色傾向は、スピーカーの性質を多分に反映してのものだと思われるが、低域のドライブ感はパワーアンプの実力だろう。スピーカーをしっかりと動かし、かつ、制動できている。

ところで、当機のタイムアライメント機能は、フロントに関しては2chである。マルチアンプシステムのそれのように、ツイーターとミッドウーファーを個別にコントロールするものではないのだが、それでも概ね定位感は表現できている。ステージングの再現性は至って良好で、特に奥行き感の表現が優れていた。ツイーターが置かれているダッシュの奥行きが深いので、ゆえに立体感の表現には有利なのだが、そのアドバンテージをしっかりと活かし切れているのだ。十分な情報量が担保されているからこそのリアリティだろう。パワーアンプの能力は確かだ。


DSA 500 RTTOYOTA・G's AQUA by FOCALTOYOTA・G's AQUA by FOCAL

DSA 500 RT / TOYOTA・G's AQUA by FOCAL / TOYOTA・G's AQUA by FOCAL


そしてそこにサブウーファーのサウンドを足してみると…。

ぐっと重心が下がり、かつ、全体の厚みも増した。低域そのものはほど良くタイトで、ほど良く量感もあり、そして何より躍動感が十二分。廉価なパワードサブウーファーにありがちな、箱がブンブンと鳴っているような感じも一切ない。むしろ本格サブウーファーのようにしっかりと空気を震わせている。パワードサブウーファーとして上級であることは間違いない。質の良い低音を聴くことができた。

フロントスピーカーと完全につながり、しっかりと前方定位していることにも驚かされた。低域の質がいいからこその一体感であるのだが、さらには、DSPの性能の高さもこれに寄与していると思われる。クロスオーバー、正相・逆相切り換え、そしてタイムアライメント、これらを的確に操作することができれば、パーフェクトな低域の前方定位が実現できるのだ。DSPのポテンシャルも確かだ。


DSA 500 RTDSA 500 RTDSA 500 RT

DSA 500 RT


この「DSA 500 RT」、予算的にもインストール的にもお手軽に本格カーオーディオサウンドを楽しみたいという方に、自信を持っておすすめできる。外部パワーアンプとパワードサブウーファーが奏でる本格システムのサウンドを、DSPも込みでわずか11万円で手にできるのだから。コストパフォーマンスは相当に高い。ナビヘッド+市販フロントスピーカーというシステムの方の次なる一手として、有力な候補となり得るユニットだ。

《太田祥三》

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