サウンドステーション アンティフォン 松居 邦彦の『カーオーディオ そこんとこ、実際ど〜なのよ?』 #67: Made in Italy の気鋭パワーアンプ“Sinfoni”に注目 Part.1 | Push on! Mycar-life

サウンドステーション アンティフォン 松居 邦彦の『カーオーディオ そこんとこ、実際ど〜なのよ?』 #67: Made in Italy の気鋭パワーアンプ“Sinfoni”に注目 Part.1

今回から2回にわたり、とある製品をクローズアップする。イタリアからやってきた気鋭のブランド、“Sinfoni”のパワーアンプだ。このブランドが気になるその理由、そして製品の見どころ・聴きどころを、松居さんに綴っていただこうと思う。さて、“Sinfoni”とは…。

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サウンドステーション アンティフォン 松居 邦彦の『カーオーディオ そこんとこ、実際ど〜なのよ?』


今回から2回にわたり、とある製品をクローズアップする。イタリアからやってきた気鋭のブランド、“Sinfoni”のパワーアンプだ。このブランドが気になるその理由、そして製品の見どころ・聴きどころを、松居さんに綴っていただこうと思う。さて、“Sinfoni”とは…。

最近、ちょっと注目しているプロダクトがある。イタリア発のカーオーディオブランド“Sinfoni”のパワーアンプだ。

本国でブランドが立ち上がったのは、1997年と聞いている。どちらかと言えば新しめのブランドである。音楽用語を製品名にするパワーアンプがラインナップしていて、これがなかなかいけるのだ。

現在、日本国内でデリバリーされている同ブランドのパワーアンプは3ライン。ハイエンドグレードの「ラ プリマ シリーズ」とセカンドグレードとなる「テンポ シリーズ」、さらにベーシックグレードとなる「イゾールディオ シリーズ」、以上だ。「ラ プリマ シリーズ」には3モデルがあり、いずれも相当な高級モデル。フラッグシップとなる『Desiderio』はなんと150万円(税抜き価格)…。それからみると、「テンポ シリーズ」はかなり現実的な価格設定だ。10万円台から20万円台の中で5モデルがラインナップしている。今回僕がお客様のクルマにインストールしたのは、この「テンポ シリーズ」のモデルである。


Sinfoni allegro

Sinfoni allegro


ところで。

オーディオ製品の進化とは、装置の存在感をより少なくすること、であると僕は思っている。しかし、それと同時に音楽表現として「心に響く」存在感も必要で、メーカーはいつもその矛盾と格闘しながら物づくりに取り組んでいるのではないだろうか、と僕は推測している。

そこには個人的な趣向と愛着が反映される。ゆえにオーディオ製品の価値には、物理的数値だけでは評価しきれない部分が生まれてくるのだろう。

楽器と同じで製品には作り手の個性が反映し、その個性はその人が生まれた地域や、その地域の文化から影響を受けている。それらを丸ごと楽しむのが趣味のオーディオの世界なのである。

家庭用のオーディオ機器では、バングアンドオルフセンやマッキントッシュ、アバンギャルドなど、高級機になればなるほどその個性が大きく反映されていて、その差を例えれば、jazzとクラシックとの音楽性の違いに匹敵するくらい幅広い。その中から気に入った物を選び、組み合わせる。

カーオーディオの世界も最近これと変わらない環境になってきた。

アメリカンヒップホップのためだけではなく、アンドレア・ボチェッリを聴くためのカーオーディオシステムの構築が可能になってきた。その色合いが、近年濃くなってきているように感じるのだ。

ここでアンドレア・ボチェッリを持ち出したのは、最近イタリア製のオーディオプロダクトが目立つ存在になってきていると感じているからだ。

audison、HERTZ、PHD、MOSCONI、そしてこの“Sinfoni”。それぞれが個性的で、選び手の心を刺激するブランドだ。

イタリアの製品には、アメリカ、日本、ドイツ製の製品よりも、濃密な音楽表現を感じる場合が多いように思う。演奏者の「感情表現」を描く力が独特で、今の日本の家庭用オーディオの世界には無いタイプだ。

近年のこの、イタリアン・ブランドの攻勢を、僕は肯定的に受け止めている。

そして、これらイタリアン・ブランドの製品には、パワーアンプの秀作が多いようにも思う。プリ & パワーアンプは、スピーカーと同じく、スペックだけでなく音楽再生を繰り返し、積み上げるようにして作り出されるものだ。アナログな製品は特にその特徴(お国柄)が現れやすい。

そして、そんな中で最近注目しているプロダクトが“Sinfoni”、というわけなのである。

次回は、インプレッションを詳しくリポートしたいと思う。“Sinfoni”に僕は何を感じたのか…。もう少しお付き合いいただけたら幸いだ。

《松居邦彦》

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