サウンドステーション アンティフォン 松居 邦彦の『カーオーディオ そこんとこ、実際ど〜なのよ?』 #64: 第11章 純正カーオーディオをベースにHi-Fiを楽しむその意味と可能性を探る#05 | Push on! Mycar-life

サウンドステーション アンティフォン 松居 邦彦の『カーオーディオ そこんとこ、実際ど〜なのよ?』 #64: 第11章 純正カーオーディオをベースにHi-Fiを楽しむその意味と可能性を探る#05

“純正カーオーディオ+スピーカープロセッサー”の可能性について考えている。コンセプト解説から始まり、これに松居さんがどのように取り組んでいるのかをリポートしてきた。今回は、それが現状どこまで来ているのかを綴っていただこうと思う。果たしてこの試みは、どのような成果をもたらしたのか…。

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サウンドステーション アンティフォン 松居 邦彦の『カーオーディオ そこんとこ、実際ど〜なのよ?』


“純正カーオーディオ+スピーカープロセッサー”の可能性について考えている。コンセプト解説から始まり、これに松居さんがどのように取り組んでいるのかをリポートしてきた。今回は、それが現状どこまで来ているのかを綴っていただこうと思う。果たしてこの試みは、どのような成果をもたらしたのか…。

純正カーオーディオにスピーカープロセッサーを組み合わせたシステムでのHi-Fi化について、いろいろと試行錯誤を試みている。

純正オーディオの使い勝手の良さを活かしたいのと、ストリーミング“風”再生で音楽を楽しみたい、というところが、この試みにおけるキーポイントだ。そのためのキーユニットが、スピーカープロセッサーであるオーディソン「bit one」であり、パソコンやNASに保存した動画をモニターで観られるストリームプレーヤー「デジ像」である。これにより、「bit one」で純正カーオーディオの信号を受けそれを再生するシステムと、「デジ像」でデジタルデータを取り込みその信号をデジタルのまま「bit one」に送るという、Wヘッドユニット的なシステムを構築してみたのだ。

ところが…。

純正オーディオのハイレベル信号を「bit one」に送った時の状態と、「デジ像」から一度もアナログに戻さないデジタルの信号を「bit one」に送った時の状態とで、情報量がそう変わらない、という現実に直面した。

「bit one」の基本性能C/Nの範囲で、「デジ像」のUSB/SPDIF変換の精度が低いのか、それとも「bit one」のハイレベルインプットの性能が特別良いのかはわからないが、現状のAudiでは、「デジ像」の出番はなくなってしまった…。

ところで「bit one」には、ハイレベルインプットのスペクトラムバランスを自動で整える機能がある。

この機能が、予想以上に素晴らしかった。ハイレベルインプットの配線を終えた後に、付属のCDまたはDVDに記録されたピンクノイズを流す。それを受けて自動的にリ・イコライズする機能で、マルチウェイな入力にも対応しているという機能だ。

実を言うと僕は、今までハイレベルインプットを使うことを軽視していた。しかし、今回その考えを改めることにした。それほど、ハイレベルインプット+「bit one」の音が良いのだ。

ただ、個人的な感想なのだが…。リ・イコライズを自動で行うのは良いのだが、中で何をやっているのか分からないのは少々気になる。中のイコライズの内容がモニターできたらさらに良いと思う。そして、マニュアルで操作ができればベストだ。独自に補正を加えるという選択肢もあればなお良いと思う。

さて、今回実は、もう1つのテーマを持ってこの挑戦に臨んでいた。それは、ダイヤトーン・DS-SA1に相応しいパワーアンプを探してみたい、というものだ。

以前まで組み合わせていたのは、カロッツェリアX・RS-A99Xだったわけだが、それが相応しくないわけではない。Hi-Fiだけではない、もう1つのファクターを追求してみたくなったのだ。

ダイヤトーン・DS-SA1というスピーカーはとても個性的なスピーカーだ。僕はこの強い個性に惹かれている。カロッツェリアのRSスピーカーとは対照的で、存在感を示すタイプである。

科学技術としてのオーディオの究極は、スピーカーの存在感をなくすことであり、RSスピーカーの3回の進化は、まさにこの方向に一直線に進んでいると思う。

ダイヤトーンも、DS-G50や今度のG500はこのタイプであると思うが、DS-SA1はこれらとは違う。

クルマに例えると空冷式のポルシェみたいな存在で、自分だけの世界を持っている。ダイヤトーン伝統オリジナルの製法を現代に復刻させたスピーカーだと思っている。

というわけで、いろいろ比較したパワーアンプの中から組み合わせを決めたのは…。

モスコニ・ZERO4というパワーアンプだ。イタリアの製品である。FETを出力素子としたアナログ式でしか表現出来ない存在感があり、冷静さを兼ね備えたパワーアンプである。

モスコニ・ZERO4とダイヤトーン・DS-SA1を組み合わせた今のAudiのシステムは、とても心地よい音だ。音楽を生き生きと再現してくれる。

こうなってしまうとソースの情報量のことなどあまり気にならなくなり、音の心地よさと音楽の熱気に酔いしれてしまう。

操作性も含めご機嫌な環境が整いリスニングプレジャーを満喫している。

またこれと平行して、新しいレギュレーションで開催されたパイオニアカーサウンドコンテストにエントリーするために進めていた、アクアのシステムとの魅力の違いが歴然としてきた。

Audiと比べ、オーディオ性能として勝るアクアでは、ヘッドフォンで聴いているのと同じくらい沢山の情報が確認でき、録音された空間のイメージも見えるように再現される。

ただ、そういう状況は、酔いしれるというのとは少し違っている。

一方、今のAudiの音は、性能を気にさせない心地よさがあり、気持ちが音楽と寄り添いやすい。ここが意見が分かれる部分なんだろうと思う。だが、これもまたオーディオの1つの側面だと思う。そういう楽しみ方があることを、今回の「純正カーオーディオ+スピーカープロセッサー」のシステムが教えてくれたのだ。

オーディオはやはり、奥が深い。


《松居邦彦》

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