サウンドステーション アンティフォン 松居 邦彦の『カーオーディオ そこんとこ、実際ど〜なのよ?』 #61: 第11章 純正カーオーディオをベースにHi-Fiを楽しむその意味と可能性を探る#02 | Push on! Mycar-life

サウンドステーション アンティフォン 松居 邦彦の『カーオーディオ そこんとこ、実際ど〜なのよ?』 #61: 第11章 純正カーオーディオをベースにHi-Fiを楽しむその意味と可能性を探る#02

“純正カーオーディオ+スピーカープロセッサー”の可能性について松居さんに語っていただいている。前回は、“初めてのカーオーディオ”としてのそれについて解説していただいた。今回からはさらに踏み込んで、純正オーディオをベースにしながら、いかにHi-Fiに発展させることができるかについて話を進めていただこうと思う。松居さん自身の取り組みを例に、具体的にご紹介していく。

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サウンドステーション アンティフォン 松居 邦彦の『カーオーディオ そこんとこ、実際ど〜なのよ?』


“純正カーオーディオ+スピーカープロセッサー”の可能性について松居さんに語っていただいている。前回は、“初めてのカーオーディオ”としてのそれについて解説していただいた。今回からはさらに踏み込んで、純正オーディオをベースにしながら、いかにHi-Fiに発展させることができるかについて話を進めていただこうと思う。松居さん自身の取り組みを例に、具体的にご紹介していく。

前回は、“初めてのカーオーディオ”の形として、“スピーカープロセッサーの導入”が1つの選択肢として浮上してきている、ということを説明させていただいた。

音楽は大好きでいつも聴いていたい人、クルマにあまり手を加えないで、だけど綺麗な音で音楽を楽しみたいという人にとって、このやり方は向いていると思う。それでいて効果も大きい。そして、このようなやり方があることを、もっと世間にアピールしていく必要があると思っている。それが、カーオーディオ愛好家を増やす1つの助けになるのでは、とも感じているのだ。

そのような思いもあり、これを自分自身で実践してみたいと常々思っていた。しかも、“始めの1歩”としてやってみるのではなく、Hi-Fiを追求する形として。Hi-Fiとして“アリ”だという確証が得られたら、可能性はさらに広がっていくはずである。


第11章 純正カーオーディオをベースにHi-Fiを楽しむその意味と可能性を探る#02-1第11章 純正カーオーディオをベースにHi-Fiを楽しむその意味と可能性を探る#02-2


その機会がやってきたのは、昨年の秋。パイオニアカーサウンドコンテストのレギュレーション変更に対応すべく、カロッツェリアXのシステムを搭載するデモカーを新たに作ることにした。これが直接のきっかけだ。新たなデモカーはアクアG’s。

それまでは、AudiS4にカロッツェリアXのシステムを積んでいた。スピーカーは、ダイヤトーン・DS-SA1。今あるカーオーディオ用のスピーカーの中で、僕がもっとも気に入っているスピーカーだ。

まずはAudiS4から、カロッツェリアXのシステムを外した。新たなコンテストのレギュレーションでは、他社のスピーカーは使用できなくなるので、SA1はAudiS4にそのまま残す。

さて、問題はアクアG’sよりもむしろAudiS4。残ったDS-SA1を、これからはどのようなシステムで鳴らしていこうか…。

それを思案した時に、“純正カーオーディオ+スピーカープロセッサー”のシステムを思い付いた。それを試す絶好の機会がやってきたとひらめいたのだ。


第11章 純正カーオーディオをベースにHi-Fiを楽しむその意味と可能性を探る#02-3

もともとAudiS4の純正オーディオは、バング & オルフセンのシステムが付いていた。上品なBGM的なバランスで音楽が聴けた。また、CDチェンジャーやアップルの端末を繋げられるようにもなっていて、それをメインディスプレーで表示しながらセンターのジョグダイヤルでコントロールできる。使いやすさは抜群であった。

純正オーディオを残す大きなメリットは、まさにここにある。このAudiのminiシステムやBMWのi-Driveなどのような、そもそもクルマに備わっている操作環境(利便性)を生かすことができるのだ。

それをキープした上で、オーディオ性能を自分の思い描くレベルに進歩させていこうとすることは、とても魅力的な作業だ。自分だけのオーディオシステムを創作する“大人”仕様への挑戦なのである。


第11章 純正カーオーディオをベースにHi-Fiを楽しむその意味と可能性を探る#02-4

まずは“スピーカープロセッサー”の接続作業から開始。信号入力は、スピーカーと接続する箇所(スピーカーの直前)で行った。僕のAudiS4の純正オーディオはアクティブなシステムになっている。なので、そこからしかシグナルを抽出できないのだ。その入力した情報を“スピーカープロセッサー”内で作り直し、いかに心に響く音響へと展開できるかのチャレンジとなる。

選んだスピーカープロセッサーはオーディソンのbit-one。これにした理由は2つ。1つ目の理由は、「4ウェイに対応可能」なこと。僕のAudiのスピーカーシステムは、SA-1にスーパートゥイーターを加えたフロント3ウェイ+サブウーファーなのだ。もう1つの選択理由は、「マルチチャンネルのハイレベル入力が付いている」ことだ。先にも書いたように、純正スピーカーのそれぞれの手前から信号を取り出すことになるので、マルチチャンネルのハイレベル入力が必須。これらの機能を有するモデルが、bit-oneだったというわけだ。

今現在は、bit-oneと、新たなパワーアンプを組み込み終わったところだ。これからbit-oneを使いこなしていき、アクアG’sの音と自分なりに比較しながら、またお手本にしながら、どこまでHi-Fi化が可能なのかを確かめてみたいと思っている。

純正オーディオを核としたAudiS4は、アクアG’sに比べ、情報量においてビハインドを背負っている。

しかし情報量の差だけがリスニングプレジャーを支配しているとは限らない。どこまで行けるか、期待感は大きい。

ところで、このシステムに取り組むことのメリットを、もともとの操作性が生かせることだと説明したが、実はメリットはこればかりではない。もう1つある。そのメリットも相当に魅力的だ。

次回は、このシステムで得られた結果(サウンド)をお伝えする前に、“純正システム+スピーカープロセッサー”がもたらす、もう1つの大きなメリットにつて解説したいと思う。お楽しみに。

《松居邦彦》

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