ついにヴェールを脱いだロックフォード・フォズゲートニュー・コンポーネント“T4”::その魅力・実力を大解剖! #5: 「バイアンプ」 & 「マルチ」試聴 | Push on! Mycar-life

ついにヴェールを脱いだロックフォード・フォズゲートニュー・コンポーネント“T4”::その魅力・実力を大解剖! #5: 「バイアンプ」 & 「マルチ」試聴

#5: 「バイアンプ」 & 「マルチ」試聴
ロックフォードのニュー・コンポーネント“T4”について、その魅力・実力を探るべく、多角的な試聴インプレッションをお贈りしてきた。最終回となる今回は、「バイアンプ接続」、および「マルチアンプシステム」での試聴リポートをお届けする。システムが換わった時、“T4”のサウンドはどう変化したのか。じっくりとお読みいただきたい。

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ついにヴェールを脱いだロックフォード・フォズゲートニュー・コンポーネント“T4”::その魅力・実力を大解剖!

#5: 「バイアンプ」 & 「マルチ」試聴

ロックフォードのニュー・コンポーネント“T4”について、その魅力・実力を探るべく、多角的な試聴インプレッションをお贈りしてきた。最終回となる今回は、「バイアンプ接続」、および「マルチアンプシステム」での試聴リポートをお届けする。システムが換わった時、“T4”のサウンドはどう変化したのか。じっくりとお読みいただきたい。

前回までの試聴で、“T4”が魅力に溢れたスピーカーであることがよくわかった。正直、期待以上の音だった。

ここまで徹底的に試聴させていただいたのだが、この際なのでさらに突っ込んだ試聴も実践させていただいた。バイアンプ接続、ならびに、マルチアンプシステムではどんな音になるのかをテストしたのだ。

これまでとはパワーアンプを変更して聴いた。グラウンドゼロ・GZPA Referece2 (税別価格/36万円)から、同じくグラウンドゼロ・GZPA Referece4(税別価格/36万円)にチェンジした。バイアンプもマルチも、パワーアンプの出力が4ch必要になるからだ。

ちなみに、2台のアンプは同価格。つまり、1chあたりの価格は半分になっている。2chモデルのほうが1chあたりのパワーも大きく、音質的には有利だ。しかし今回は、システム全体のコストは変えずにアンプのch数を増やす、という条件下でのテストとしたのだ。

アンプ以外は、これまでと試聴環境は同一。PC→USBオーディオインターフェース→パワーアンプ→“T4”のパッシブクロスオーバーネットワーク→“T4”というシステムだ。使用ケーブルは、ラインがチェルノフケーブルのセカンドグレード「CLASSIC IC RCA」、スピーカーケーブルも同じくチェルノフケーブルの「CLASSIC MKII SC」。マルチアンプシステムの時は、オーディオインターフェースの後に、ロックフォードのDSP、3SIXTY.3を入れ、そして当然ながらパッシブクロスオーバーネットワークは使わずに試聴した。

ところで、ご存じの方が多いとは思うが、“バイアンプ接続”について、これが何なのかおさらいしておきたい。パッシブクロスオーバーネットワークが、ツイーターとミッドウーファーそれぞれ専用の入力を備えている場合、別chからの出力をそれぞれに接続する。これにより、アンプからそれぞれのスピーカーまでが独立した別回路になるので音質的に有利、というものだ。

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さて、そのインプレッションである。“T4”をパッシブで普通に聴いたあと、アンプを交換していただき、接続も換えていただいた。

最初の出音で、音質が向上していることを容易に感じ取ることができた。ここまで変わるのか、と思えるレベルまで変わっていた。スピーカーのグレードが1つ上がったような印象なのだ。パワーアンプの1chあたりの価格は半分に落ちているにも関わらず…。

パワーアンプ自体の性能が高いこともあ

るだろう。さらには、“T4”のパッシブクロスオーバーネットワークの品質が高いことも影響しているに違いない。しかしながら、バイアンプ接続自体のメリットが大きいこともまた事実。情報量が増え、音の鮮度感、リアルさが向上している。音量の小さい楽器の音も埋もれることなく、ボーカルもよりくっきりとした。低域もさらにタイトになって心地良い。

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そして今度はマルチアンプシステムにセットを換えていただいた。

こちらでは、さらに音のヌケ、鮮度が向上した。そしてもっとも変化が大きいと感じたのは反応スピード。音の立ち上がり、立ち消えがよりシャープになった。これにより、音楽がよりリズミックに聴こえる。ノリが良くなったのだ。

カーオーディオの場合、より緻密にサウンドチューニングを行いたいという理由で、マルチアンプシステムが組まれることが多い。しかし、パッシブネットワークを使うか使わないかが、即、音に影響を与えるということも再確認できた。

ただ、これをもってパッシブを使ったシステムを否定する必要はない。取り付けの状況によっては、DSPでクロスオーバー設定をするよりも、パッシブを使ったほうが確実に音が決まることもあるという。それ以前に、パッシブも含めた音が、製品としての本来の音である、という側面もある。

しかし、パッシブを使ったシステム、バイアンプ、マルチアンプと、同じスピーカーでも3通りの音の出し方が楽しめる、ということは頭に入れておいたほうがいいだろう。音に悩んだ時、スピーカーを交換せずして、サウンドを換える手段があるのだ。さらにいえば、積極的に鳴らし方を変えて、変化を楽しもうとするのもアリだと思う。

そしてこのロックフォード“T4”が、鳴らし方を変えた時、それぞれで違いをしっかりと表現してくれるスピーカーであるということもはっきりした。“T4”ならきっと、取り付け面を煮詰めた時にも、アンプをステップアップさせた時にも、同じようにそれぞれの違いを描き切るに違いない。アプローチに対して、しっかりと応えてくれるスピーカーなのだ。

さて、5週に渡って、“T4”の魅力・実力を詳細にお伝えしてきた。ロックフォード・ファンならずとも、20万円以下のクラスで良いスピーカーを探しているならば、“T4”の音は要チェックだ。お聴き逃しなく。

編集部 藤澤の独り言…

今まで『T3/T5』との比較試聴を行ってみて想像以上にT4が出来の良いスピーカーで驚いた。ならばともう一段階踏み込んで、接続方法でどれだけ違いが出るのかを確かめる。まずはT4付属のパッシブネットワークはバイアンプ接続が可能なので試してみたのだが、これだけ変わるのかと更に驚く結果となった。とにかく出てくる音の質が違う。音数が断然多くなり音楽の情景描写がリアルさを増す。立ち上がりの速さに磨きがかかりスピード感溢れる密度の濃いサウンドに生まれ変わった。バイアンプ接続にすることで1ユニットへ加えるパワーが大きくなるのがこれほど効果的なのかと改めて確認した。

続けてこのスピーカーをマルチ接続で試聴してみる。これもまた好印象で、スカッ! と抜けて晴れ渡る空、透明感抜群な音。音調が軽くなる訳じゃ無く厚みを持ったままメリハリがハッキリと付いて解像感が上がった。思わずニヤけてしまうほど音楽が楽しく感じる。マルチ接続でこれだけ変わるということはスピーカーの応答が正確で早いだからであろう。使うパワーアンプ次第で表情を変えてくれる優秀なスピーカー、オススメです。

《太田祥三》
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