サウンドステーション アンティフォン 松居 邦彦の『カーオーディオ そこんとこ、実際ど~なのよ?』 #53: 第8章 オーディオを追求するにはお気に入りの音楽が必要だ…。“マイ・フェイバリット・オーディオ・チューン”について Part.5 | Push on! Mycar-life

サウンドステーション アンティフォン 松居 邦彦の『カーオーディオ そこんとこ、実際ど~なのよ?』 #53: 第8章 オーディオを追求するにはお気に入りの音楽が必要だ…。“マイ・フェイバリット・オーディオ・チューン”について Part.5

#53: 第8章 オーディオを追求するにはお気に入りの音楽が必要だ…。“マイ・フェイバリット・オーディオ・チューン”について Part.5

カーオーディオ 特集記事
サウンドステーション アンティフォン 松居 邦彦の『カーオーディオ そこんとこ、実際ど〜なのよ?』


#53:
第8章 オーディオを追求するにはお気に入りの音楽が必要だ…。“マイ・フェイバリット・オーディオ・チューン”について Part.5


「“お気に入りの音楽”をいかに心地良く聴かせてくれるか…、これを追求するのがオーディオの醍醐味」。今回もこのテーマに沿い、松居さんにとっての“お気に入り”について綴っていただく。マイルス・デイビス、オーネット・コールマン、そしてアントニオ・カルロス・ジョビンと続き、そして最終回となる今回は…。




パット・メセニー『Still Life(Talking)』


パット・メセニー『Still Life(Talking)』



個人的音楽の履歴書の最後である。

勝手な思い入れを綴らせていただいているが、最後に取り上げさせていただくのは、パット・メセニー。かれこれ30年以上追いかけているギタリストだ。

メセニーの音楽にハマったきっかけは、一緒に演奏していたバンマスの影響だ。彼がパット・メセニーのファンで、一緒に観に行ったのが最初だ。それ以前からパット・メセニーのことは知っていたし、レコードでも聴いていた。しかし、レコードで聴いているだけの時は、あまりピンときていなかったのだ。ところが、演奏している姿を観て完全に心を奪われてしまった。

それからというもの、来日すれば必ず観に行くし、発売されるCDはすべて購入した。

彼の音楽は、ニューオリンズから始まったアメリカの音楽を進化させ、またその他の地域の音楽とも融合し成長してきた。

僕は、その変化を追いかけている。

チャリー・パーカーやデイジー・ガレスビーが開発した『ビ・バップ』、それをマイルス・デイビス、ジョン・コルトレーンらが『モダン・ジャズ』に進化させ、一方でオーネット・コールマンやエリック・ドルフィーが、純粋に即興演奏を追求し、ブラジルではアントニオ・カルロス・ジョビンが完璧なハーモニーを生み出した。

これらをまるごと引き継いでいるアーティストが、パット・メセニーなのである。(ぼくはそう思っている)

彼の音楽活動は2本立てだ。基本メンバーが変わらないグループでの活動と、インプロバイザーとしての個人活動の2つ。どれもが素晴らしい。

クルマの中でよく聴くアルバムは「Still Life(Talking)」シンフォニーのように1番から7番まで通して聴くと話が解る仕組みになっていて、楽曲も素晴らしいし、プレイも素晴らしい。

色彩感が豊富で、ドラマチックであり、エキサイティング。超絶技巧をフィーチャーするのではなく、フレーズの形がとても美しい。練習を積み重ね、絞り出すものではなく、やわらかで官能的なプレイ。超人と言うよりも、背中に白い羽が生えている人、そんなイメージだ。

比較するプレーヤー(ライバル)は他には見あたらない。今年は新しいアルバムも発売したし、来日があるかもしれないので楽しみにしている。

ところで、先日NHKの放送で、水戸室内管弦楽団の演奏を観た(聴いた)。小澤征爾さんが音楽監督を務めるオーケストラである。

ナタリー・ポートマンという歌手が指揮をしたメンデルス・ゾーンの「イタリア」には驚いた。

演奏へのアプローチに、今までとは違う新鮮な何かを感じた。

僕らの時代も音楽は進化し続けていることを実感した。

音楽もオーディオ機器も、“進化”にこそ魅力があると僕は思っている。今回取り上げさせていただいたアーティストたちは、皆その魅力に満ちている。僕はそれに惹き込まれたのだ。

《松居邦彦》

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