サウンドステーション アンティフォン 松居 邦彦の『カーオーディオ そこんとこ、実際ど~なのよ?』 #42: 第5章 開催間近のパイオニアカーサウンドコンテストに寄せて Part.2 | Push on! Mycar-life

サウンドステーション アンティフォン 松居 邦彦の『カーオーディオ そこんとこ、実際ど~なのよ?』 #42: 第5章 開催間近のパイオニアカーサウンドコンテストに寄せて Part.2

#42:
第5章 開催間近のパイオニアカーサウンドコンテストに寄せて Part.2

カーオーディオ カーオーディオ特集記事
サウンドステーション アンティフォン 松居 邦彦の『カーオーディオ そこんとこ、実際ど〜なのよ?』


#42:
第5章 開催間近のパイオニアカーサウンドコンテストに寄せて Part.2


今年もパイオニアカーサウンドコンテストの開催が目前に迫ってきた。この歴史あるコンテストの意味や意義について、松居さんなりの見方で語っていただいたのが前回。今回は、参戦する方々に向けた、ちょっとしたアドバイスを綴っていただいた。


前回の続きである。

パイオニアが総合オーディオ専業メーカーとして20年前、フル・デジタルのまったく新しいカーオーディオシステムを開発した。それがカロッツェリアXだ。そしてそれに伴う形で、それまでのカーオーディオとは少し違う新しい価値基準を創造しようとする意味で、このパイオニアカーサウンドコンテストを始めたのだと、ぼくは思っている。そしてそれも今年で17回目を数える。

今日、日本のあちこちで開催されているHi-Fiカーオーディオイベントでのサウンドコンテストには、パイオニアカーサウンドコンテストの基準に準じているものが多い。日本方式と呼んで良いのではないかとさえ思う。

また、パイオニアカーサウンドコンテストを本大会として、各地のサウンドコンテストがその準備的模擬試験のようにもなってきている。これらを見るにつけ、このコンテストの影響力の大きさを感じたりもしている。

ところで実はこのコンテストで用いられるスコアーシートは、JIS基準を参考に考えられた診断基準で、オーディオ製品の音質を評価する方法としては世界基準を参照した方法である。

ポイントはソースが一般的な音楽CDであり、個人の裁量に委ねられていることだ。なので、良い成績でなかったとしても、それは使われた楽曲における審査員の個人的な好みから外れた、ということにすぎない。

必勝法は何だろうか…。案外、以下のような取り組み方をするのがいいのではないか、と考えることもある。他人の感性を気にする(推測する)ことはやめて、自分独自の世界感で突き進む。その結果、独創的な世界を創り出せれば…。それがいつか絶大な評価をされたりするかもしれない。それが10年後に訪れるかもしれない。

ぼくはチャンピオンを獲得した歴代のクルマの音を全部聴いてきたが、それらは画一的な音ではなく、それなりに時代の音楽シーン(Hi-Fiオーディオとそれを取り巻く音楽の世界の流れ)を反映していて、どれも芸術的な価値を感じられる世界であった。

それと同時に、上位に位置する車両のほとんどは、基本性能が高く、言葉で表現出来るポイント(分析的な感覚で評価する価値基準)、例えば、高・中・低音の音色やバランス、定位や音場の広がりやイメージング等、これらがすべてある一定のレベルを超えでいた。

当時平行して開催されていたIASCAの影響もあったのではないかと思う。というのも、今上位に常連の人たちは、その当時のIASCAで上位に入賞していた人達である。

IASCAも復活したようなので、経験のない方は是非参加したりしてみることをお勧めする。

先ほど、「独自の世界感で突き進んでみてはどうか」とは書いたが、自己満足の世界でもあるオーディオだが、没頭しすぎると思い込みがエスカレートし、周りからみたら変な世界になってたりすることもある。

頭を冷やし、冷静に(IASCA的に)分析してみたり、また課題曲ではなく自分自身が好きな音楽を心から楽しめる状態を作ってみたりしてみることも良いのではないか、と思う。勝てるかどうかはわからないが、上位に食い込もうとするなら、そのようにアプローチするのが良いのではないかと感じている。

冷静に基本を整えながら、その上で自分自身で楽しみながら、そして結果は天命に委ねる、そのようなスタンスで参加するといいのではないだろうか、と思う次第なのだ。

《松居邦彦》

特集

page top