カロッツェリア独自の技術、HVT方式を採用した話題のパワードサブウーファー、TS-WH1000A。当企画では全国の有名プロショップに取材し、その実力のほどを探っている。今回は、鳥取県の有力ショップ、ジパングの道祖尾(さいのお)さんにお話を伺った
まずはそもそも、どのようなパワードサブウーファーをユーザーにすすめているのかをお聞きした。
「予算的な問題や、ラゲッジスペースを潰したくないというお客様にパワードサブウーファーをおすすめしていますが、価格帯でいえば、3万円台以上のものですね。ある程度、振動板の口径が大きくて、しっかりと空気を押せるもの、というのが条件になります。そして、高い音が乗らないことも重要です。50~60Hzくらいでクロスさせても、100~200Hzくらいの音が乗ってしまうものもあるんですよ。そうなるとフロントとのつながりが悪くなってしまいます。ボディが頑丈なことも重要です。ボディが鳴ってしまったら音が濁ってしまいますよね」
さて、TS-WH1000Aについてである。登場のニュースを聞いた段階での印象はどうだったのだろうか。
「発表会で製品の説明を聞いて、メーカーが相当に自信を持っていたので期待しましたね。HVT方式には良い印象を持っていましたし。それまではサテライトスピーカーに採用されていた方式ですが、省スペースの割に空気をしっかりと面で押すスピーカーだなと感じていました」
さて、実物の音はどうだったのだろう。
「まず製品を触ってみて、ずしりとくる重さ、頑丈さに期待が膨らみました。そして、お客様のクルマのシート下に着けたのですが、音に関しても満足できました。シート下に設置したとき、音よりも音圧を感じるタイプの製品もあるのですが、そういうタイプの製品だと、シートも揺らしてしまいます。そうするとシートも鳴ってしまうんですね。サブウーファーは電気の力で振動板を押し、そして電気の力で制動をかけています。しかもシートから鳴る音には制動がかけられませんから遅れて鳴ることになります。その音がサブウーファーから出る音とキャンセリングを起こしてしまうんです。TS-WH1000Aでは、そのようなことは起こりませんね」
最後に、TS-WH1000Aについてまとめていただいた。
「サイバーナビにVシリーズ(フロントスピーカー)を組み合わせて、さらにTS-WH1000Aを装着するというようなシステムがおすすめですね。バランスがいいと思います。シート下に入るクルマなら、シート下に設置するほうがいいと思いますよ。ラゲッジに積んだ場合には、チューニングが難しくなりそうです。音圧を感じたい方には向かないかもしれませんが、ロードノイズで消される低域を補うものとして、十分に実用性がある製品だと思います。あと、これはTS-WH1000Aに限ったことではないのですが、サブウーファーを導入する場合、フロントスピーカーをしっかり鳴らすことが大前提になります。フロントスピーカーが受け持つ帯域をすべて、しっかりとフロントスピーカーで鳴らしておかないと、サブウーファーとうまくつながりません。ここは大事ですよ(笑)」
道祖尾さんは、最後にこう語ってくれた。「TS-WH1000Aは、パワードサブウーファーをお探しの方に真っ先におすすめできる製品です。自然な鳴り方が好印象ですね」とのことだ。コンパクトなパワードサブウーファーをターゲットにしているアナタ! 要チェックデス♪