サウンドステーション アンティフォン 松居 邦彦の『カーオーディオ そこんとこ、実際ど~なのよ?』 #34: 第2章 『ロックフォード・フォズゲート』の魅力を探る! その4 フラッグシップスピーカー”T5”を聴く! 後編 | Push on! Mycar-life

サウンドステーション アンティフォン 松居 邦彦の『カーオーディオ そこんとこ、実際ど~なのよ?』 #34: 第2章 『ロックフォード・フォズゲート』の魅力を探る! その4 フラッグシップスピーカー”T5”を聴く! 後編

#34:
第2章 『ロックフォード・フォズゲート』の魅力を探る!その4 フラッグシップスピーカー”T5”を聴く! 後編

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サウンドステーション アンティフォン 松居 邦彦の『カーオーディオ そこんとこ、実際ど〜なのよ?』


#34:
第2章 『ロックフォード・フォズゲート』の魅力を探る!その4 フラッグシップスピーカー”T5”を聴く! 後編


松居さんが語るロックフォードについてのインプレッションの最終回。前回に引き続き、T5についての印象を語っていただいた。必読!


前回に続き、T5についてお話させていただきたい。前回はホームオーディオ製品と組み合わせ聴いてみたが、今回は、ロックフォードのパワーアンプ、T1000-4と組み合わせて聴いてみた。

前回に感じた好印象はそのままだ。正直に打ち明けると、実際に聴く前のT5に対する僕のイメージ(先入観)は、おおらかで「繊細な描写」はある程度犠牲にした、パワーハンドリング重視のスピーカーだろうと思っていた。

まさかここまで高性能(高解像度)であるとは予測していなかった。

「ビックリした」というのが正直な印象である。音色感的には、気取った雰囲気はないが、品格を感じる。「質より量」、「量より質」という例え方があるように、相対的なこの関係をバランスさせることはスピーカーの開発において難しい問題だ。センシティビティを追求するためには「軽さ」(感度の高さ=コンプアライアンス)を向上させる必要があり、耐入力を高めるための剛性の高さ「頑丈さ」を向上させることとは相反するのだ。これを併せ持つためには、バランスの取り方が設計のポイントである。

このT5は、この両方を高いレベルで両立させている。

また、性能以外のファクターを潔く切り捨てていることも、このスピーカーの魅力だろう。映画007に登場する「敵側ボスの女」のように、超美人で冷たく少し怖いイメージで、少し緊張気味な空気を漂わせる。

再現される音場の空気が乾燥しているように感じられ、音楽は冷静な表現になる。音量を上げるのに比例して緊張感はさらに高まる。試しに、シネマ用に使ってみると、この使用スタイルでも良さが発揮された。

ところでロックフォードのディストリビューターは、POWER Hi-Fiという表現を使っている。「大音量が出せるだけではだめでHi-Fiでなくては意味がない」というか、「Hi-Fi(高解像度)なだけでなく、音楽を力強く表現する」(音量=パワー感)、ということと、僕は解釈する。

音量もオーディオの性能である。このT5と、ロックフォードのパワーアンプ、T1000との組み合わせがPOWER Hi-Fiを表現する純正の組み合わせであるだろう。この組み合わせは、GTRのようなオーディオシステムである。

僕的には少しほっとできる部分も残してほしいので、緩い雰囲気でハイパワーなパワーアンプと組み合わせてみても面白いと思う。はたしてどのパワーアンプがいいだろう。興味は募る。

もしロックフォードフォズゲートにリクエストができるならば、このT1000.4の回路はそのままで、さらに潤沢に素材を高級な物に変更したり、シャーシ構造を究極的に高剛性にして、先鋭的な雰囲気が緩やかになったT1000を聴いてみたいという思いも浮かぶ(勝手な思いつきではあるが)。

T5はとにかく凄いスピーカーだ。カーオーディオのハイエンドスピーカーのそれぞれと肩を並べるレベルであることは言うまでもなく、さらにこの製品だけが持つストロングポイントも有している。Hi-Fiスピーカーとして魅力的な一品であることは、間違いない。

《松居邦彦》

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