サウンドステーション アンティフォン 松居 邦彦の『カーオーディオ そこんとこ、実際ど~なのよ?』 #21: 特別編 サウンドチューニングのすすめ Part.5 調整ディスク『My Disc』を使用した、実践テクニック!(その3) | Push on! Mycar-life

サウンドステーション アンティフォン 松居 邦彦の『カーオーディオ そこんとこ、実際ど~なのよ?』 #21: 特別編 サウンドチューニングのすすめ Part.5 調整ディスク『My Disc』を使用した、実践テクニック!(その3)

#21:
特別編 サウンドチューニングのすすめ Part.5 調整ディスク『My Disc』を使用した、実践テクニック!(その3)

カーオーディオ カーオーディオ特集記事
サウンドステーション アンティフォン 松居 邦彦の『カーオーディオ そこんとこ、実際ど〜なのよ?』


#21:
特別編 サウンドチューニングのすすめ Part.5 調整ディスク『My Disc』を使用した、実践テクニック!(その3)


アンティフォン・松居さん流の具体的調整方法を解説していただいているシリーズの第3弾。今回は『イコライザー調整』について。お読み逃しなく!

前々回からMY Disc(Autosound2000)について私の使い方をご紹介している。3回目の今回は、主にイコライザー調整時に使用するトラックをご紹介する。

ちなみに全体的な調整の順序だが、僕のやり方では、まずクロスオーバー/スロープの決定、次にタイムアライメントで定位を確定、その後にイコライザー調整に入るようにしている。測定器等も併用しながら調整を行っている。


特別編 サウンドチューニングのすすめ Part.5 調整ディスク『My Disc』を使用した、実践テクニック!(その3)


それでは早速、実際のやり方について解説していきたい。使用するトラックは、1~6のミュージックトラックだ。

ところで、このトラックを聴いて、つまらないと思う人もいると思う。一般に販売されているポピュラーミュージックCD音源のほとんどはダイナミックレンジが圧縮されている(コンプ・リミッターがかけられている)が、これらのトラックには、それがかけられていない。一般的なポピュラー音楽にコンプ・リミッターがかけられる理由は、ラジカセやテレビのスピーカー、スキー場やショッピングセンターのPAスピーカーからも再生されることを想定しているからだ。ちなみに以前は、シングルレコードとLPレコードで、Hi-Fi度の棲み分けがされていた(シングルはダイナミックレンジを圧縮するがLPはHi-Fi)。

トラック69と70の比較をすると、コンプ・リミッターがかけられている場合とそうでない場合の音を聴き比べることができる。ダイナミックレンジを縮めるとオーディオ的に迫力が増すのが感じられるはずだ。ところが、そういう音源は、イコライザー調整には不向きなのだ。

味付け後の料理にさらに味付けをするようなもので、繊細な表現とは逆の方向性を意味している。調整用として微妙な判断をするためには、コンプ・リミッターのかけられていない、トラック1~6のような音源で行うべきなのだ。

続いては、L/R独立のイコライザー使って、定位について微調整を行うのに適したトラックをご紹介したい。トラック8~18である。

1kHzのワーブルトーン(1kHzを中心に揺れる音)の後、20Hzからオクターブ毎のワーブルトーンをモノラルで記録してある。

すべての音が同じ位置に定位すればパーフェクト。特定のピッチが左右どちらかに引っ張られたり、逆相に定位したり、通常の音楽再生では見つけることができないことを見つけ出すことができるかもしれない。

そしてトラック19。これは是非活用してほしいトラックである。1から25までを数えたスピーチのトラックで、僕はこれを物差しにしていてイコライザー調整のほとんどをこのトラックで行っている。

この声をフラットでスムーズに再生出来ればたいていのことはうまく行くはずで、このトラックをいろんな装置で聴くと素性も判りやすい。僕らは動物としてこの帯域にとても敏感に出来ているのだ。

そして調整の最後は、普段かけている音楽で確認する、という作業を行おう。調整用CDとは楽器演奏の世界でいう教則本のようなもので、ステージで演奏するための物ではない。基礎的演奏能力を高めるために作られたものである。

オーディオの調整においても同じようなことが言えるのではないかと思う。

このことを踏まえた上で、このMyDiscをうまく活用していただきたい。

※『My Disc』問い合わせ先 イース・コーポレーション(TEL:055-991-5130)

《松居邦彦》

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