サウンドステーション アンティフォン 松居 邦彦の『カーオーディオ そこんとこ、実際ど~なのよ?』 #20: 特別編 サウンドチューニングのすすめ Part.5 調整ディスク『My Disc』を使用した、実践テクニック!(その2) | Push on! Mycar-life

サウンドステーション アンティフォン 松居 邦彦の『カーオーディオ そこんとこ、実際ど~なのよ?』 #20: 特別編 サウンドチューニングのすすめ Part.5 調整ディスク『My Disc』を使用した、実践テクニック!(その2)

#20:
特別編 サウンドチューニングのすすめ Part.5 調整ディスク『My Disc』を使用した、実践テクニック!(その2)

カーオーディオ カーオーディオ特集記事
サウンドステーション アンティフォン 松居 邦彦の『カーオーディオ そこんとこ、実際ど〜なのよ?』


#20:
特別編 サウンドチューニングのすすめ Part.5 調整ディスク『My Disc』を使用した、実践テクニック!(その2)


前回から引き続き、今回も、松居さん流の具体的調整方法をご紹介! プロも必見、必読のテクニカル・セミナー♪ ご堪能ください!


前回からの続きとさせていただく。今回も『My Disc』を使った調整方法の具体的な手順をご紹介していこうと思う。今回は、タイムアライメント調整に関係した項目について解説していきたい。

さて、カーオーディオのスピーカーレイアウトは、多くの場合、ドアにメインスピーカーが取り付けられることになる。実はこの環境は、ステレオ再生の常識からすると、かなり異質な状況と言える。運転席に座っているリスナーは、ステレオ再生有効エリアの外で音楽を聴くことになるのだ(L/Rスピーカーの幅の外にはみ出した位置にいることになる)。

これを補うために、片方のスピーカーの位相を逆に接続するという方法もなくはないのだが、これを正相の状態のまま補正しようとする方法が、タイムアライメント機能を用いた調整だ。この方法をとることで、ようやくL/Rスピーカーの内側に入ることができる。逆相or正相のようにギミックではなく、正確な微調整ができるのである。


特別編 サウンドチューニングのすすめ Part.5 調整ディスク『My Disc』を使用した、実践テクニック!(その2)


あらかじめ、リスニングポジションから各スピーカーまでの距離を計測し、入力。その後、ディスクのトラック43と44を比較することで確認できる。

トラック43と44は、ピンクノイズである。43が正相、44は左チャンネルが逆相になっている。

タイムアライメントをオフにすると、44が正相(センター定位する)、43が逆相(定位しない状態)になる。

この2つのトラックを使ってタイムアライメントの調整を行う。ようするに、43対44の差がもっともはっきりする位置を探していくのだ。

各レンジ、個別に調整を行う(各スピーカーユニットごとに行う。ツイーター、ミッドレンジ、ミッドベースそれぞれで行う)。

素材がピンクノイズなので、RTAなどを併用しながら調整が行える。ミッドレンジはローパスフィルターを一旦パスすると、調整しやすい。

High/Mid/Lowの関係においてもタイムアライメントを微調整していこう。これをすることにより、定位する高さが変化していく。この調整は、左/右単独で行う。

スロープやポラリティーの決定、クロスするポイントにディップ(凹み)が出来ないかをRTAで調べ、ディレイの値を変化させたりして位相を整える。

調整が進むと、前方にコンパクトな音像が定位するようになるはずだ。

後方のサブウーハーとの調整は、L/R間の調整終了後、トラック43がセンター定位した状態でサブウーハーをオン/オフし、スロープやポラリティー、ディレイの値を変化させ位相を確認する。

そして次に調整を確認するため、トラック27~32を再生する。

これらのトラックは、トラック5と同じ楽曲だ。トラック27がステレオ再生(最初の5小節)、トラック28はL+Rのモノラルに切り替わる(6小節目から)。

タイムアライメントがうまく調整されている場合、この小節に入っても変化はないが、距離差がある場合はモノラルになった瞬間にHighがスポイルされる。

そのまま左/センター/右とモノラル信号が移動するが、センターチャネルの時に、左右単独の再生時と比較してスペクトラムバランスが変化する場合(High下がりになる)は、再調整ということになる。

このL/C/Rが全く同じスペクトラムバランスになることが理想的だ。

この調整が上手くいかどうかが、BGM用のカーオーディオかアーティストと心を通わすミュージックシステムかを分けるポイントであると、僕は考えている。

次回は、EQの調整についてご説明させていただく。

※『My Disc』問い合わせ先 イース・コーポレーション(TEL:055-991-5130)

《松居邦彦》

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