サウンドステーション アンティフォン 松居 邦彦の『カーオーディオ そこんとこ、実際ど~なのよ?』 #19: 特別編 サウンドチューニングのすすめ Part.5 調整ディスク『My Disc』を使用した、実践テクニック!(その1) | Push on! Mycar-life

サウンドステーション アンティフォン 松居 邦彦の『カーオーディオ そこんとこ、実際ど~なのよ?』 #19: 特別編 サウンドチューニングのすすめ Part.5 調整ディスク『My Disc』を使用した、実践テクニック!(その1)

#19:
特別編 サウンドチューニングのすすめ Part.5 調整ディスク『My Disc』を使用した、実践テクニック!(その1)

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サウンドステーション アンティフォン 松居 邦彦の『カーオーディオ そこんとこ、実際ど〜なのよ?』


#19:
特別編 サウンドチューニングのすすめ Part.5 調整ディスク『My Disc』を使用した、実践テクニック!(その1)


今回からいよいよ、松居さん流の具体的調整方法解説がスタート! 実際に使用している調整ディスクのトラック名をあげていただき、そのトラックで何を聴いて何を行うか、じっくりと教えていただいた。お読み逃しなく!


これまでサウンドチューニングのすすめとして、クロスオーバー、イコライザー、タイムアライメント等に関する解説や、僕の経験をお話しさせていただいてきた。

今回からはそれらを踏まえた上での、僕が普段行っている調整手順についてお話させていただこうと思う。実際に使用している調整用ディスクの、どのトラックで何を行っているか、そのあたりについてお話するので、参考にしていただけたら幸いだ。

ところで、スピーカーの構造やマルチWAYについてはこのシリーズでお話ししてきたが、このようなオーディオシステムを使って、生演奏と瓜二つの臨場感を再現するためには、精密な補正が必要になる。とはいっても、一度にすべての要素を判断(クロスオーバー、イコライザー、タイムアライメントに関わる音調の判断)することは出来ないので、頭の中でいくつかのパートに分けて調整することをおすすめする。

そのためには、音源が必要になる。僕は「My Disc」(AutoSound2000)というCDを基本に使っている。


特別編 サウンドチューニングのすすめ Part.5 調整ディスク『My Disc』を使用した、実践テクニック!(その1)


これはとても良く出来たCDだ。ミュージックトラックは、シェフィールドラボという、ダイレクトカッティングのレコードがとても有名な、極めて音質に配慮したレーベルによって手掛けられたものである。飾り気のない(お化粧の少ない)のが特徴で、僕はHi-Fiとは本来こういう物であると思っていて、一般に流通しているCDに比べ薄味に感じるかもしれないが、これに慣れると微妙な部分が良くわかるようになる。

そこにはダグ・サックスという有名なエンジニアがいて、ユーミンのCDのマスタリングも、ダグ・サックスによって手掛けられているらしい。IASCAのジャッジCDのミュージックトラックもほとんどがこのシェフィールド・ラボの音源だった。

では、実際の調整についてお話ししていこう。

トラック1~6はミュージックトラックで、インストルメンタルが収録されている。

この中で5曲目が僕にとっての基準になっている。ドナルド・フェイゲンの「The Nightfly」と同じで、リズムセクションの部分(ドラムスのような短いパルス音)において模範的録音で、このトラックを使用し、クリアーな解像度が得られるように、低・中・高のバランスを調整する。

位相が廻っているような濁り(まとわりつくような固有のピーク音)を見つけやすく、声の質感も考慮し、EQの調整を含め目安をつけるのに最も良いトラックだと思う。アナログのシステムの場合は一気にバランスをとるのに使用できるトラックでもある。

これに限ってはいないが、自分なりに音源を決め、ヘッドフォンや家庭用のHi-Fiオーディオで覚えるほど聴いて、基準を作ることをおすすめする。

このトラック5は、27~32にわたってL/L+R/Rの移動にも使われている音源でもあるので、覚えると応用が利く。

トラック7は1kHz基準信号が-20db、トラック8は0db(フルビット)で収録されている。オシロスコープを使用してシステムゲイン調整をする場合、このトラック8をリピートにして使用する、トータルのクリッピングポイントを一致させる事で、S/Nの限界を見つけだすことが出来る。

スペースの関係上、今回はここまでとさせていただいた。次回は、この続きを解説していこうと思う。

※『My Disc』問い合わせ先 イース・コーポレーション(TEL:055-991-5130)

《松居邦彦》

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