【DIATONE NR-MZ60】“音”にこだわるDIATONE SOUND.NAVI登場! #2: 試聴室での製品試聴編 | Push on! Mycar-life

【DIATONE NR-MZ60】“音”にこだわるDIATONE SOUND.NAVI登場! #2: 試聴室での製品試聴編

三菱電機(株)からDIATONE SOUND.NAVIと呼ばれる興味深いナビゲーション・システム2モデルが発表された。

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【DIATONE NR-MZ60】“音”にこだわるDIATONE SOUND.NAVI登場!

三菱電機(株)からDIATONE SOUND.NAVIと呼ばれる興味深いナビゲーション・システム2モデルが発表された。

DIATONEは三菱電機(株)の登録商標で同社が製造する音響製品に冠されたブランドとして広くオーディオ・ファンに知られている。そのブランド名と敢えてSOUND NAVIと謳うからには音質面で相当な拘りのある製品という事が予測できた。

従来から各メーカーが高音質化を図ったナビゲーション・システムを開発・発売し、それなりの成果を上げてきたように思う。しかし今回の2モデルは音の良いソース系ユニット+パワーアンプに使い勝手の良いナビゲーション・システムを搭載したというイメージを抱かせる素晴らしいサウンドを聴かせてくれた。

元々ナビゲーション・システムは各種のノイズが渦巻く劣悪といえる環境にある。しかし今回のNR‐MZ60PREMIが聴かせたサウンドは近年の高性能化されたホームオーディオのCDプレーヤーとアンプに匹敵する広くフラットなfレンジと高いSN比が確保されていた。従来の高音質化を図ったナビゲーション・システムたちとは明らかに一線を画する高いパフォーマンスを我々に見せ付けた。

クラシック系の大編成オーケストラの峻烈に立ち上がるトゥッティも破綻なく、音場を混濁させることなく刺激的な響きを聴かせることのない安定したサウンドが構築されている。音場のスケールも本格的なプロセッサーや高音質アンプで得られるサウンドに匹敵している。これだけのレンジと情報量が確保されているなら、単品プロセッサーやパワーアンプによるグレードアップの必要性は感じられないのでは、とさえ思える。そればかりか本機が聴かせる鮮度の高いナチュラルな響きによりヴォーカルなどが瑞々しい表情で再現される。

また内蔵アンプは駆動力も高くコンテンポラリー系ジャズの重心が低く厚みのある低音楽器もダンピングが利いている。ノイズ源が一体化されているというネガティブな要素が何処にも感じられない本機のサウンドを聴いていると信号経路がシンプル化できるワンボディのメリットがクローズアップされる。(小林貢)

カーナビで困るのは、これで2DINのスペースを締められてしまうと別にヘッドユニットを取り付けることができないことだ。DA-PX1のようなUSB対応プロセッサーを使えばヘッドユニットは要らないが、それでもディスプレイを入れるスペースは省けない。本機はそうした不満を一掃してしまう極めつけのカーナビである。というよりむしろ、ナビ機能付きのヘッドユニットと呼ぶべきかもしれない。

技術的な内容はまた別の機会もあるだろうから、ここでは詳しくは触れない。ただプロセッサーに40ビット精度のDSPを使用してDA-PX1と同様の性能を備えていることと、アンプにNXPのデバイスを採用し、これを3分の1のゲインで動作させていることが大きく利いている。アンプの場合ゲインが低い方がS/Nが向上するのはよく知られていることで、本機ではその代わりに入力を3倍のレベルとして出力を確保した。

この効果は極めて明らかで、一般的な単体アンプと比べても遜色がない、いやそれ以上にS/Nが高い。背景が静かなうえに、音が細部までくっきりしているのがよくわかる。また位相その他の精度にも優れているのは、プロセッサー部によるところも大である。

これでDS-G50がぴったりと鳴る。駆動力が非常に高いことも、一般的なヘッドユニットの域をはるかに超えている。例えばピアノでは、低音部から高域までどの帯域でもタッチがガッシリと把握され、質感や響きがふやけることはない。アカペラは一人々々の声が分離よく描かれ、濁りのハーモニーが抜けるように透明だ。いずれも彫りが深く、ディテールの出方がとても内蔵アンプとは思えない。情報量が豊富で鮮度が高く、音としての品位が高いのである。オーケストラでもジャズでも、低域の明快さと深さにも感心させられる。ちょっとない再現力である。

ことによるとこのナビによって、再びカーオーディオのスタイルが変わるかもしれない。(井上千岳)

《太田祥三》

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