サウンドステーション アンティフォン 松居 邦彦の『カーオーディオ そこんとこ、実際ど~なのよ?』 #11: M & M DESIGN Part.1 | Push on! Mycar-life

サウンドステーション アンティフォン 松居 邦彦の『カーオーディオ そこんとこ、実際ど~なのよ?』 #11: M & M DESIGN Part.1

#11:
M & M DESIGN Part.1

カーオーディオ カーオーディオ特集記事
サウンドステーション アンティフォン 松居 邦彦の『カーオーディオ そこんとこ、実際ど〜なのよ?』


#11:
M & M DESIGN Part.1


アンティフォン・松居さんによる、独特の語り口 & 着眼点で製品インプレッションをお届けしている当コーナー。今回からは、M & M DESIGNの「7N-MS1000」を取り上げる。これをご紹介しながら、松居さんならではの、ケーブルに関する経験や考え方についてもたっぷりと語っていただいた。読み応え、ずっしりデス♪

今回は、オーディオケーブルについて、僕の経験をお話しする。

ところで、ホームオーディオの世界でオーディオケーブルが注目されるようになったのは、記憶によると今から30年くらいさかのぼったころだろうか。雑誌『無線と実験』への投稿で、関西の人だったと記憶しているが、スピーカーケーブルをキャプタイヤケーブルに換えたら音が良くなった、という内容だった。当時は平行ビニールケーブルでスピーカーとパワーアンプを接続するのが常識で、そもそもケーブルで音質が変わるという概念はなく、その投稿は物議を醸していた。

あれから色々なスピーカーケーブルが発売されているが、ロールで切り売りされるタイプのスピーカーケーブルは、今でもキャプタイヤスタイルのケーブルが多いように思う。


M & M DESIGN Part.1


今回取り上げるM & M DESIGN 7N-MS1000もこのタイプである。

製造はアクロジャパン社。同社のアクロリンクというホームオーディオ用ブランドのケーブルがベースになっている(※7N-MS1000は、カーオーディオ専用ケーブルとして、M & M DESIGNとアクロジャパン社が協同開発)。アクロリンクは、以前はアクロテックという名前で販売されていて、ストレスフリー(原子配列が理想の状態に近い)加工が施されている。純度99.9999999(7桁なので7N)の無酸素銅を使用したオーディオケーブルである(※7N-MS1000もストレスフリー、7N)。

ちなみに、アクロテックとは、銅を採掘する鉱山(日本鉱業株式会社)が銅箔用に開発した技術で、柔らかいというのが特徴であった。オーディオケーブルに採用されている導電材の技術としては他に、PCOCC、LCOFCといった単結晶技術もあるが、ぼくはこのストレスフリーが良いと思っている。

とはいっても、オーディオケーブルにおいて導電材の影響力はせいぜい30%で、残りは「構造」といわれている。ハイエンドホームオーディオの世界ではもっと桁外れに高性能なオーディオケーブルが存在するし、アンプやスピーカーシステムと同じ価値として考えられている(金額もコンポーネントと同じ価格)。銅以上の金属であったり、リッツ構造であったり、階層構造であったりしていて、それに換えると世界が変わるような経験を何度となくしてきた。


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カーオーディオの世界ではそこまでの商品は今のところない。最近では、オーディオテクニカ50周年記念限定モデルがかなりのハイエンド製品ではあるが。僕はこの製品で見られた新しいトライアルには好感をもっているし、今後の定番商品に注目している。

さて、このM & M DESIGN 7N-MS1000。超ハイエンドの世界に属するケーブルでないのは確かだが、友達に少し差をつけたいと考えている人にはピッタリの製品ではある。次回の当コーナーでは、この製品の特徴をさらに詳しくレポートしてみたいと思っている。

ところで、今回の記事の最後に、オーディオケーブルについての考え方を述べておきたい。「オーディオケーブルを、薬のようには考えないこと」。ケーブルを換えることで、問題解決を狙ってはだめである。音色を特徴としてとらえがちではあるが、それはそれとし、S/N感といった性能面に注目して選んでいただきたい。

《松居邦彦》

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