魅惑のクーペデザイン。ルノーアルカナから感じる新たな価値観を体験する | Push on! Mycar-life

魅惑のクーペデザイン。ルノーアルカナから感じる新たな価値観を体験する

先日ゴルフ仲間からラウンド中に「ルノーアルカナってどうですか? 買い替えの候補なんです」と話しかけられた。普段あまりクルマの話をする関係ではないので少し驚いた。そしていきなりルノーである。「なぜルノー?」ていうのが正直な印象だ。

自動車 試乗記
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ルノー アルカナ E-TECHエンジニアード フロントエクステリア
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先日ゴルフ仲間からラウンド中に「ルノーアルカナってどうですか? 買い替えの候補なんです」と話しかけられた。普段あまりクルマの話をする関係ではないので少し驚いた。そしていきなりルノーである。「なぜルノー?」ていうのが正直な印象だ。

友人がルノーアルカナを購入候補にしていた訳とは

アルカナを選択肢に入れている理由に彼はまず燃費を気にしていた。そしてハイブリッドに興味があるようだ。さらには金額も当然気にしている。400万円台の輸入SUVは確かに競争力がある。最近はひと声500万円以上ってモデルが多いからね。その中じゃ目立っている。

ただ、それらは二次的な理由で一番の理由はスタイリングだと思った。まずは見た目が好みでなければ燃費だって値段だって調べないはずだ。それを帰りの駐車場で確信した。彼が乗っていたのは欧州車で、聞けばもう10万キロに達するらしい。かなり気に入っているのは間違いないだろう。それに燃費を気にしているのもわかった。仕事柄全国のゴルフ場へ足を運ぶ機会が多いようだ。

彼が所有する欧州車の流れるようなルーフラインとルノーアルカナのデザインはどこか通じるものがあると思う。言うなれば、全体的に柔らかい曲線だ。ここ数年4ドアクーペやSUVクーペがこうしたラインを用いているが、それとも少し違う。空気抵抗値に重きを置く計算されたラインでもありながらデザイン優先の有機的な柔らかみを感じさせる。同じ曲線でもいろいろあるんだなって思わせる曲線だ。

ルノーアルカナはデザイン性が非常に高く
このクルマを所有する喜びを与えてくれる

ルノーアルカナにはそもそも昨年1月日本での販売を開始して以来好意を持っている。理由はまさにそのデザインで、クーペライクなフォルムが気に入っている。スポーティでありながらエレガントさを兼ね備えているのがポイントだ。スポーティでワイルドなSUVクーペは他にたくさんあるが、それとは別のベクトルにある気がする。

思うにそれはフランス流SUVクーペの解釈かもしれない。キーワードはまさに“スポーツ&エレガント”で、この言葉はファッション業界ではフツーに使われている。特にメゾン系ハイブランドがそうで、エルメスやルイヴィトンあたりがそういったラインナップを見せる。カジュアルなコレクションの中で、スニーカーやブルゾン、パンツに“スポーツ&エレガント”を取り入れているのだ。かつてファッション誌の編集長をしていた時、何度かそんな特集を組んだことがある。アルカナにはそこに通じるセンスを感じる。

トレンドを押さえたエレガントなデザインと
走る喜びを感じさせてくれるパワーユニットが秀逸

アルカナのデザインを具体的に説明すると、全体的なフォルムが“スポーツ&エレガント”である他に、前後のバンパーや斜めのグリル、エキゾーストエンドあたりがスポーティに仕上がっている。迫力を醸し出すそこはカーデザインのトレンドと言えよう。

でもって、ルーフラインやキャラクターライン、それとリアコンビネーションランプなどにエレガントさを感じる。しかもあえて派手さを抑えているところがアンダーステイトメントで好感を得る。特に今回ステアリングを握ったE-TECHエンジニアードはブラックのボディにゴールドのアクセントがエレガントさを強調する。ゴールドを差し色にするところはさすがだ。

では乗り換えの相談をした彼が気にしていた燃費はどうなのだろう。それについてはまずこのクルマのハイブリッドシステムを知る必要がある。1.6リッター直4ガソリンエンジン(自然吸気)+モーターで駆動させるこのシステムはとてもユニークなのだ。このハイブリッドシステムは2つのモーターを持つ。ひとつはフロントアクスル駆動用の大型Eモーターで、もうひとつはHSG(ハイボルテージスターター&ジェネレーター)モーターと呼ばれるエンジン側に付くコンパクトサイズのものだ。

そのパワーユニットにドッグクラッチマルチモードATと組み合わせ、ひとつのシステムとして機能させる。このATは長年ルノーがF1で培ってきたノウハウを市販車用に取り入れたものだ。一般的なクラッチやシンクロナイザーを使わず、ダイレクトにクランクシャフトの動きを噛み合わせる。ギアはエンジン側に4つ、駆動用モーター側に2つ備える。それぞれの組み合わせで12通りの変速比が使えるそうだ。

走りは、出だしはほぼモーターからスタートし、中速域ではエンジンとモーターを組み合わせたシリーズハイブリッドになる。そして高速域では燃費効率のいいエンジンを主としモーターが加速時にアシストする。言いたいのはこれが効率よく、かつドライバーに気持ちよく働くこと。主役のエンジンはスムーズに回り、モーターはそこに自然なフィーリングで介入する。なかなかグッドなセッティングだ。きっと彼ら特有のギアボックスが役に立っているのだろう。各種センサーをそこに装着することで、ギアボックスから適切な指示を2つのパワーソースに出している。

気になる燃費はカタログ上の市街地モード(WLTC-L)で22.8km/Lで、高速道路では少しだけさらによくなる。このクラスのSUVとしては立派だ。で、実際もこれに近く20km/L以上の数字をインジケーターが表示していた。まぁ、高速道路を多く含むがリアルにこのくらいの数値なのは確かだ。より燃費走行に徹すれば、さらによくなるのは明らかである。

というのが今回のテストドライブ。ルノーアルカナはこれまで通り気持ちよく走ってくれた。乗り心地もフランス車らしく快適で、キャビンはほぼフラットライドなのを付け加えておこう。これなら振動は少ないのでクルマに酔いやすい人もイケるかもしれない。クーペスタイルだがリアシートのスペースも問題なしだ。

でも決め手はやはりデザインだと思う。カッコいいフォルムと差し色のゴールドを気に入ればそれで十分。この辺のセンスは他ブランドにはないからね。そこはフランスのいいところがしっかり表現されていると言っていいだろう。アルカナに乗ればドライバーをオシャレな人に格上げしてくれる。そんな期待をしちゃう一台だ。

《九島辰也》

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