【ヤリス vs ノート 比較】売れ筋コンパクトカーの違いに迫る! | Push on! Mycar-life

【ヤリス vs ノート 比較】売れ筋コンパクトカーの違いに迫る!

お手頃な価格で、運転に不慣れな人でも扱いやすいコンパクトカー。日常の足としても人気の2車種の違いに迫る。今回比較するのは、トヨタ『ヤリス』と日産『ノート』だ。

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お手頃な価格で、運転に不慣れな人でも扱いやすいコンパクトカー。日常の足としても人気の2車種の違いに迫る。今回比較するのは、トヨタヤリス』と日産ノート』だ。

◆比較する車種のプロフィール

ヤリスとノートは、両社を代表する売れ筋コンパクトカーだ。全長はヤリスが3940mm、ノートは若干長い4045mmだが、5ナンバーサイズに収まる。

パワーユニットは、ヤリスには直列3気筒1Lと1.5Lのノーマルエンジン、1.5Lのハイブリッドがある。ノートはハイブリッドのe-POWERのみだ。直列3気筒1.2Lエンジンが発電を行い、その電気を使ってモーターを駆動する。

◆外観のデザイン&ボディサイズ比較

両車ともに全長が4m前後のコンパクトカーで、ヤリスの外観には丸みを持たせた。リヤゲートの角度も寝ている。ノートは少し直線的で、シャープな印象だ。ヤリスは「自分のクルマ」というパーソナル感覚が強い。ノートは少しボディが長いこともあり、ファミリーで使う雰囲気を感じさせる。

◆インテリア&居住性比較

インパネなどのデザインは、ヤリスは馴染みやすい印象だ。ATレバーは、ハイブリッドも前後に動かすタイプで、幅広いユーザーが扱いやすい。メーターの視認性、エアコンスイッチなどの操作性も優れている。

ノートはe-POWER専用車だから、インパネの周辺も先進的な雰囲気だ。メーターは7インチカラー液晶で、パワーとエネルギーの状態、外気温度なども表示できる。インパネの形状が立体的で、実用指向のヤリスに比べると趣味性を感じる。

前席は両車ともに、比較的柔らかい座り心地だ。背中から大腿部をしっかりと造り込んだ。ヤリスは柔軟で街中の走りに適しており、ノートは長距離を移動することも視野に入れている。

後席は、ヤリスの場合、腰が少し落ち込む座り方だ。全高が1500mmでリヤゲートを寝かせたため、着座位置を少し下げて頭上空間を確保した。身長170cmの大人4名が乗車した時、後席に座る乗員の膝先には、握りコブシ1つ少々の余裕がある。

ノートは全高が1520mmと若干高く、リヤゲートの角度も立たせたから、後席の着座位置は若干高く腰が落ち込みにくい。全長とホイールベース(前輪と後輪の間隔)がヤリスを少し上まわり、足元空間にも余裕がある。前述の測り方で、後席に座る乗員の膝先空間は握りコブシ2つ弱だ。

◆荷室などの使い勝手比較

荷室の奥行寸法は、ヤリス、ノートともに大差はない。ノートはリヤゲートの角度を立てたから、背の高い荷物も比較的積みやすい。ヤリスはリヤゲートを寝かせたから、開閉ヒンジが前寄りに装着される。そのためにリヤゲートを開閉した時に、後方への張り出しが小さく、狭い場所でも荷物を出し入れしやすい。それぞれに異なる特徴がある。収納設備は、特に凝った機能は見られないが、両車ともに実用的には十分だ。

◆運転のしやすさ比較

全長はヤリスが3940mmだから、ノートの4045mmに比べて105mm短く、全幅は両車ともに1695mmで等しい。

運転席から後ろ側を振り返った時の後方視界は、ボディスタイルが水平に近いノートが少し見やすい。ヤリスはサイドウインドーの下端を後ろに向けて持ち上げたから、視界を少し損なった。その代わり外観に躍動感が演出されている。

最小回転半径は、ヤリスの場合、14インチタイヤ装着車は4.8mで15/16インチは5.1mになる。ノートは16インチタイヤを装着して4.9mに抑えた。つまりヤリスは全長の短さがメリットで、ノートは後方視界と小回りの利きに特徴がある。購入する時は、両車とも車庫入れや縦列駐車を行って運転のしやすさを確かめたい。

◆走行性能&乗り心地比較

ヤリスの直列3気筒1Lノーマルエンジンは、動力性能が十分とはいえないが、街中を走るには不満のない性能を備える。販売店でも「買い物などが中心で長距離を移動しないお客様は、1Lエンジン車を選ぶことがある」と述べている。それでも販売の主力は1.5Lだ。エンジンの負荷が減り、登り坂でもノイズは小さい。ノーマルエンジンを搭載する1.5Gでは、エンジン負荷が小さく、車両重量も1000kgだから走りは軽快だ。

ハイブリッドは、モーター駆動の併用で実用回転域の駆動力が高い。アクセルペダルを踏み込んだ時、3気筒特有の粗いノイズが稀に聞こえるが、その頻度は少ない。そして燃費性能が抜群に優れている。ハイブリッドXのWLTCモード燃費は36km/Lだから、日本で購入可能な4輪車ではナンバーワンの数値を誇る。上級グレードのハイブリッドZでも35.4km/Lだ。

ノートe-POWERでは、駆動はモーターが受け持つから、運転感覚は電気自動車に近い。アクセル操作に対する反応が機敏で加速は滑らかだ。ノイズは小さい。スポーツ/エコモードを選ぶと、アクセルペダルを戻すと同時に強めの回生が行われ、駆動用電池に積極的に充電する。慣れるとアクセルペダルだけで速度を調節しやすく、燃費も向上する。WLTCモード燃費は28.4km/Lだ。

峠道などを走った時の印象は、ヤリスはボディが軽いこともあり、車両の向きが軽快に変わる。乗り心地は少し硬めでスポーティな印象だ。ノートは後輪の接地性を重視して、危険を避ける時の性能が高い。峠道の下り坂も安心だ。スポーティではないが、高速道路を巡航する時も安定している。

◆おすすめユーザーと買い得グレード

ヤリスは機敏な運転感覚が特徴で、全長を短く抑えたから、2名以内の乗車で街中や峠道などを走るのに適する。その点でノートは、後席が広いからファミリーユーザーにも対応できる。高速道路を使った長距離移動の多い用途にも適している。

ヤリスの買い得グレードは、ノーマルエンジンを搭載する1.5G(179万9000円)。ハイブリッドでなくても、WLTCモード燃費は21.4km/Lと良好で価格は安い。標準装着される14インチタイヤは乗り心地が粗いため、アルミホイールとセットでオプションの15インチタイヤ(5万9400円)を装着したい。同じくオプションでフルLEDヘッドランプ(8万2500円)も装着する。なおハイブリッドが欲しい時は、内装が上質になって後席の足元空間も広がるアクアG(223万円)も検討したい。

ノートの買い得グレードはX(224万9500円)だ。オプションではLEDヘッドランプ(7万7000円)を装着したい。

《渡辺陽一郎》

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