BMWの次世代EV「ノイエ・クラッセ」、まずはセダンとSUV発売 2025年 | Push on! Mycar-life

BMWの次世代EV「ノイエ・クラッセ」、まずはセダンとSUV発売 2025年

◆「ノイエ・クラッセ」は1961年発表の中型セダン『1500』が原点
◆BMWの世界販売の半分をEV化することに貢献
◆新開発のEVパワートレインで航続を延長
◆2030年までに累計1000万台のEVの納車を目指す

自動車 ニュース
BMW 3シリーズ・セダン のEV 「i3」新型(中国仕様)
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  • オリジナルの「ノイエ・クラッセ」BMW 1500(1961年発表)
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BMWグループは8月3日、「ノイエ・クラッセ(新たなクラス)」を標榜する次世代EVを、2025年に発売すると発表した。まずは、『3 シリーズ』セグメントのセダンと、スポーティな SUVが登場する予定だ。

◆「ノイエ・クラッセ」は1961年発表の中型セダン『1500』が原点

もともと、ノイエ・クラッセとは、1960年代にBMWが急成長を遂げる原動力となったモデルを指す。BMWは1960年代、コンパクトな『イセッタ』、『600』、『700』、そして「バロック・エンジェル」の名前で親しまれた大型セダンの『501』/『502』/『503』ラインなどを発売した。当時のBMWには中型車のラインアップがなく、その隙間を埋めたのがノイエ・クラッセだった。

BMWのノイエ・クラッセとは、1961年のフランクフルトモーターショーで初公開された『1500』が原点とされる。ただし、BMW1500は当初から、公式にノイエ・クラッセと呼ばれていたわけではない。BMWは1963年の『1800』発売後、1964年から、ノイエ・クラッセのフレーズを宣伝で意図的に使うようになった。その結果、BMWはこの中型セダンにより、独自性の高い唯一無二な新しいクラスを誕生させたという見方が定着したという。

当時のBMWは、ノイエ・クラッセで成功を収めた。1960~1970年の10年間、BMWの販売台数は3倍に、自動車部門の売上高は7倍以上に達した。1962年2月から1972年1月にかけて、1800セダンなどのシリーズモデルは合計で33万9814台が生産された。ノイエ・クラッセは、ダイナミックな中型スポーツセダンの生みの親と考えられており、1972年に発表された『5シリーズ』に、そのコンセプトは受け継がれたという。

◆BMWの世界販売の半分をEV化することに貢献

BMWグループは、持続可能なモビリティに向けて技術的変化を加速し、転換を推進している。次世代EVのノイエ・クラッセにおいては、テクノロジーの進化への準備を整え、eモビリティの強化を続けながら、ペースを上げている。

2020年代の半ば以降、ピュアEVのノイエ・クラッセが、BMWグループの販売台数に大きく貢献する予定だ。ノイエ・クラッセは、eモビリティの市場への浸透をさらに加速させる可能性を秘めており、2030年よりも前に、BMWグループの世界新車販売台数の50%がピュアEVになる可能性があるという。

BMWグループの最も歴史のある工場がドイツ・ミュンヘン工場だ。同工場では、生産ラインから出てくるすべての車両が、2023年末までに完全に電気化される計画。 2026年からは、次世代EV のノイエ・クラッセもミュンヘン工場で生産する予定だ。

◆新開発のEVパワートレインで航続を延長

BMWグループは、ノイエ・クラッセの導入によって、2020年代中頃から製品ラインアップを再編成する。ノイエ・クラッセは、EV向けに最適化された車両アーキテクチャーをベースにしており、3つの大きな特徴を持つ。ITとソフトウェア・アーキテクチャー、新開発の高性能EVパワートレインとバッテリー、そして新たなレベルのライフサイクル全体を通したサステイナビリティ、だ。

次世代のEVは、BMWならではの特徴が未来に引き継がれるようにするとともに、デジタル化と電動化の基準を打ち立てることを目指している。これによって、BMWグループのEVへの需要がさらに増えることが見込まれるという。

これを実現するために、BMWグループは、技術面での飛躍を図る。たとえば、ノイエ・クラッセでは、まったく新しい電気駆動システムを使用し、電力消費量の低減と航続の延長を追求する。BMWグループは現在、そのために次世代のバッテリーセルを開発中。最適化された電池化学との組み合わせによって、EVパワートレインのコスト削減を狙う。

BMWグループが独自開発し、第6世代となる新しいバッテリーテクノロジーの詳細については、2022年内に発表する計画。さらに、ノイエ・クラッセの次世代のコネクティビティとユーザーインタラクションに関する一部内容も、順次明らかにされる予定だ。

◆2030年までに累計1000万台のEVの納車を目指す

BMWグループは、ノイエ・クラッセには、eモビリティの市場浸透をさらに加速させる能力があると見込む。たとえば、ピュアEVは2030年よりも前に、BMWグループの世界新車販売台数の50%を占める可能性があるという。

その時点で、BMWグループのピュアEVの年間販売台数が、150万台を超えている可能性がある。しかし、これは、世界中の充電インフラの拡大が、購入可能なモデルの増加とピュアEVに対する顧客の需要の増加に、遅れず対応できるかどうかに左右されるという。BMWグループは、高出力充電ネットワーク「Ionity」を通じて、この拡大を推進している。原材料の安定的供給も鍵になるという。

こうした条件の下で、BMWグループは2030年までに、累計1000万台のピュアEVを顧客に届けることを目指す。ロールスロイスは、その時までに、ピュアEVのみの製品ラインアップを持つブランドになる。MINIも2030年代の初めから、完全電動化の未来に向かう。2022年内に、MINIブランドは、まったく新しいMINIファミリーを初公開する予定だ。MINIのライフスタイルに合わせるために完全にデジタル化され、電動化されたゴーカートフィーリングを備え、サステイナビリティと最小限の環境フットプリントを明確に重視する、としている。


《森脇稔》

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