【スバル ソルテラ 新型試乗】自分の行きたい場所に瞬時に移動できる…九島辰也 | Push on! Mycar-life

【スバル ソルテラ 新型試乗】自分の行きたい場所に瞬時に移動できる…九島辰也

スバルにとってトヨタとの協業第2弾として登場したBEV、『ソルテラ』を一般道で走らせた。街中、ワインディング、高速道路といった日常使いを想定したステージである。

自動車 試乗記
スバル ソルテラ
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スバルにとってトヨタとの協業第2弾として登場したBEV、『ソルテラ』を一般道で走らせた。街中、ワインディング、高速道路といった日常使いを想定したステージである。

デザインは常に新たな提案を

実車を目の前にするのはこれが2回目だが、トヨタに引っ張られている感は正直拭えない。リアエンドの造形は特にそうで、コンビネーションランプやガーニッシュは『プリウス』の影がチラホラする。今回も前回に続いてそこをデザイナー陣に質問したが、あまり腹落ちはしなかった。特にガーニッシュは「リアの踏ん張り感を出すものであり、結果プリウスに近くなった」という説明だった。そう聞いても、結果似てしまったのなら変えればいいのになんて思ってしまう。デザインは常に新たな提案をしてほしい。

デザインはともかく、EVの特徴的な構造が機能的なパッケージングを産んでいる。ロングホイールベースがそれで、思いのほか広いキャビンとなる。ディメンションは『フォレスター』くらいのDセグメントだが、車内はひとクラス上の『アウトバック』程度に仕上がっている。リアシートにも座ってみたが、フロアはフラットで足元は広かった。

では、運転席に座るとどうかだが、ポジションはなかなか工夫されている。センターコンソールとドア側の肘置きの高さがそうで、自然なポジションでそこに肘を置きリラックスできる。身体を左右どちらかに曲げることなくそれができるのは、ロングドライブで助かるだろう。

ただ、左肘を置いて右手でステアリング上部を握ると、メータークラスターに「正しい姿勢で運転してください」といった意味の表示が出てしまう。これは前方カメラがドライバーの顔をモニタリングするのを右手で塞いでしまうからだ。走行中それに気付き、意識するのだがどうしても繰り返してしまった。アイサイトに関連する重要な機構だが、何かしら対応した方がいいと思う。

スバルらしさなら18インチのFWDかも?

次に走りだが、20インチのホイールを履いた4WDの試乗車は終始力強く感じられた。アクセルに対するパワーの出方に不自然さはなく、ガソリンターボエンジンのようなフィーリングで加速していく。そして、追い越しや合流地点での加速は、その枠を越える。グイッとアクセルを強く踏むとモーターが瞬時に反応し、ローンチコントロールのような加速を生み出す。要するに、自分の行きたい場所に瞬時に移動できるのだ。こうしたアクセルでクルマをコントロールできることは安全性を高めると言っていい。前方の障害物を回避するのにブレーキよりもアクセルで回避する方が危険度は薄まるのだ。

乗り心地は総じていいが、スピード域で異なる。50km/hくらいでは少々ピッチングが気になるが、それ以下や高速道路ではかなり快適。ロングホイールベースで低重心のEVは特に高速道路でメリットを発揮するようだ。航続距離が増えたから、今後はそういった使い方が増えるだろう。

また、今回は走行と同時に充電スポットにも立ち寄り、何度かそれを体験した。もちろんこれまでも高速道路SAでの急速充電は何度も試している。なので、意図的に道の駅を活用してみた。すると充電用のカードを必要としない場所があった。案内所に一声かけ、充電器に下げられているノートに連絡先を記入する手続き方法だ。デジタル的システムを利用するのになんともアナログ的である。

…なんて感じのソルテラだが、次回は18インチのFWDを走らせてみたい。乗り心地は良くなり、軽快さも増す気がする。もしかしたらスバルらしさはそっちかもなんて気がしなくもない。

■5つ星評価
パッケージング:★★★★
インテリア/居住性:★★★
パワーソース:★★★★
フットワーク:★★★
オススメ度:★★★★

九島辰也|モータージャーナリスト
外資系広告会社から転身、自動車雑誌業界へ。「Car EX(世界文化社 刊)」副編集長、「アメリカンSUV(エイ出版社 刊)」編集長などを経験しフリーランスへ。その後メンズ誌「LEON(主婦と生活社 刊)」副編集長なども経験する。現在はモータージャーナリスト活動を中心に、ファッション、旅、サーフィンといった分野のコラムなどを執筆。また、クリエイティブプロデューサーとしても様々な商品にも関わっている。趣味はサーフィンとゴルフの“サーフ&ターフ”。東京・自由が丘出身。

《九島辰也》

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