【ホンダ シビック 新型試乗】“G”世代にも響く?ドライバー重視の仕上がり…島崎七生人 | Push on! Mycar-life

【ホンダ シビック 新型試乗】“G”世代にも響く?ドライバー重視の仕上がり…島崎七生人

新型『シビック』のターゲットユーザーは“Generation Z”と呼ばれる、生まれた時からインターネットがあった世代。とはいえ初代『シビック』が誕生した時(=1972年)にはとっくに生まれていた筆者(さしずめジェネG=爺!?)にも響く気がした。

自動車 試乗記
ホンダ シビック 新型(EX)
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新型『シビック』のターゲットユーザーは“Generation Z”と呼ばれる、生まれた時からインターネットがあった世代。とはいえ初代『シビック』が誕生した時(=1972年)にはとっくに生まれていた筆者(さしずめジェネG=爺!?)にも響く気がした。

話を聞くと“Z世代”はシンプル指向で、心地いいもの、上質感などを大事にするマインドだという。溢れる情報の中からアレもコレもと欲張らず、自分基準で価値のあるものを賢く取捨選択する術を身につけているのだろう。そういう目で新型『シビック』を見ると、ナルホドと頷かされると同時に、ある意味でそれは原点回帰であり、普遍的なことだと思い至る。だから世代に関わらず人の気持ちにスンナリと馴染む。

リヤエンドにかけてはもっと斬新でもいい


スタイルで特にいいのは、Aピラーの付け根が50mm手前(ドライバー側)に寄せられ、ストラット頭頂部で25mm低められた稜線からキャビンにかけて水平基調で仕上げられた点。なので水平視野角の広さも手伝い車両感覚が掴みやすく、クルマとの一体感が得られやすい。

リヤクォーターからリヤエンドにかけてはデザイン的に先代のイメージが重なり、もう少し斬新なトライがあってもよかった気がするが、フロントまわりはスッキリしていていい(日本には未導入だがセダンは横桟のパターンだ)。リヤゲート(樹脂製)のヒンジはサイドに寄せた新構造で、後席の頭上空間のゆとりと外観のスッキリ感をもたらしている。

スッキリ感と水平基調のデザインがいい

ホンダ シビック 新型(EX・6MT)
インテリアも質感、デザインともに上質で好感が持てる。とくにインパネは、アッパーフェイシアのスッキリ感と、目障りなディテールを廃した水平基調のデザインがいい。空調の吹き出し口を目立たせず、ハニカムパターンのガーニッシュと一体化させたデザインもスマートだ。

空調は3つの物理ダイヤルで調整する仕組みでとても操作しやすいので、操作時のクリック感を現状のカチカチとやや軽めのものから、もう少し手応え(重さ)のシットリとしたものであれば、ドライバーとってより嬉しい。同様に空調吹き出し口の角度調節も、現状の細長いレバーで角度の視認を兼ねていることは理解するが、もう少し背が低く太いノブ状のほうが、ドライバーには安定した操作感になるように思う。


後席スペースは着座姿勢もゆったりしており、頭上、足元、肩口の余裕もまったく不満はない。ラゲッジスペースも実用的で、幅方向は1030mmから最大部分で1230mm、奥行き915mm、カバーまでの高さは520mmほど(試乗時の筆者実測値)。

「ドライバー重視」を感じる切れ味のいいハンドリング


走りは“爽快CIVIC”のグランドコンセプトどおり。というより、いかにも鷹栖のあのテストコースで走り込んだのだろうなぁ……と想像がつく切れ味のいいハンドリングが印象的で、運転中は実に気持ちいいのに対して、後席に移ると路面が少し荒れている場合、乗り心地がいささかハードに感じることでも、ドライバー重視の度合いが理解できた。

CVT車のシフトレバーが5度ドライバー側に傾けてあったり、シートの座面前端とサイド部分のクッションの縁を10mm高くしホールド性をより高めたシートなども、ドライバーがクルマとの一体感が味わえる要因だ。

搭載エンジンは1.5リットルターボ(182ps/24.5kgf・m)。特筆すべきはCVTのラバーバンドフィールとはまったく無縁なシャープな変速で、7スピードモードとパドルを駆使して意のままの走りが楽しめた。一方でCVTより車重(フロント側)が30kg軽い6速MT車は、シフト、クラッチのフィールも実にスムースで、たとえ初めて実車に乗ったとしても、その瞬間から存分にクルマのパフォーマンスを味わえるはずだ。

■5つ星評価
パッケージング:★★★★★
インテリア/居住性:★★★★★
パワーソース:★★★★★
フットワーク:★★★★★
オススメ度:★★★★★

島崎七生人|AJAJ会員/モータージャーナリスト
1958年・東京生まれ。大学卒業後、編集制作会社に9年余勤務。雑誌・単行本の編集/執筆/撮影を経験後、1991年よりフリーランスとして活動を開始。以来自動車専門誌ほか、ウェブなどで執筆活動を展開、現在に至る。便宜上ジャーナリストを名乗るも、一般ユーザーの視点でクルマと接し、レポートするスタンスをとっている。

《島崎七生人》

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