【VW パサートヴァリアント 新型試乗】「安心安全」のフレーズはこのクルマのためにある…中村孝仁 | Push on! Mycar-life

【VW パサートヴァリアント 新型試乗】「安心安全」のフレーズはこのクルマのためにある…中村孝仁

◆ここまで装備して519.9万円はリーズナブル?
◆数値以上のパフォーマンスが感じられるTSIユニット
◆「安全安心の」というフレーズはこのクルマのためにある

自動車 試乗記
VW パサートヴァリアント TSI エレガンスアドバンス
  • VW パサートヴァリアント TSI エレガンスアドバンス
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ここまで装備して519.9万円はリーズナブル?

ラーメン屋に行くとトッピングを全て載せた「全部載せ」というメニューがある。まあ店によるが。このVW『パサートヴァリアント』は言わばその全部載せのモデルである。

それにしても、装備表を見ていてまあ付いていないものはほぼ無し。オプションとして書かれていたのは3万3000円のフロアマットだけである。だから、マジかよ?と思って装備表を見たわけだが、新しいパサートに必須のインフォテイメントシステム、ディスカバープロに始まってデジタルコックピットプロからナパレザーシート、モバイルオンラインサービス、はてはETC2.0車載機まで標準だ。


オプション設定されているのはパノラマスライディングルーフぐらいなもので、追加でつけたい装備はまずない。なのでここまで装備して519万9000円は今時のクルマとしてはリーズナブルといえるのかもしれない。

パサートのマイナーチェンジはすでに4月の段階で発表済みだったから、ディーゼル搭載車はすでに試乗済み。今回は新たに登場した1.5リットルガソリンエンジンのTSIを試してみた。基本的にはゴルフにも搭載されているエンジンと同じではあるのだが、あちらは48Vのマイルドハイブリッド。一方のこちらはそれが装備されていないから要は『ティグアン』と同じというわけである。

数値以上のパフォーマンスが感じられるTSIユニット


実はティグアンの試乗記を書いた時点で新たなDSGを湿式の7速と書いたが、実は誤りで乾式の7速であった。今回もその点が曖昧だったので敢えて質問してみると、TDIについては湿式。しかし、TSIに関しては乾式という正式な答えを頂いた。VWでは原則250Nmという最大トルクで湿式と乾式を使い分けており、ピッタリ250NmのTSIは乾式を使っているそうだ。

正直言うと『ポロ』などに使われていた乾式のDSGにはあまり良い印象を持っていなかったのだが、今回の乾式DSGは少なくとも発進に関してかなりスムーズな印象を受けた。もっとも渋滞内での動きについて今回の試乗では試すことが出来なかったので、その部分については未知数である。

新しい1.5リットルのTSIユニットはとても出来が良いと思う。それは従来の1.4リットルもとても良いと感じていたが、その上を行く。勿論パワーやトルク感は必要十分の域を出ないが、何よりその軽快でスムーズな吹け上がり感などでによって、体感するパフォーマンスは、数値以上のものが感じられる。立ち上がり加速感のシャープさはTDI以上。これは110kg軽い車重にも起因していると思う。勿論パーシャルから上の加速感はトルクの厚いディーゼルに譲る。

「安全安心の」というフレーズはこのクルマのためにある


今回のマイナーチェンジはフロントを中心としたコスメティックチェンジと、インフォテイメントやADAS系の一新。それに新しい1.5リットルエンジンの搭載などだ。そのADASには、トラベルアシストなる同一車線走行におけるはみ出しを抑制する機能が付く。すでに多くのメーカーは装備しているものだが、ACCにこれが追加されるとやはり運転はかなり楽になる。だから運転を苦手としている人にとっては、一つ上乗せされた安心が担保できる。

この「エレガンス アドバンス」というグレードのモデルに関していうと、装備されるべき運転支援機能はすべて装着されていて、エレガンスグレードでは省かれてしまうアラウンドビューモニターや駐車支援システムも標準装備。ヘッドアップディスプレイも標準装備だ。だからまさに「安全安心の」というフレーズはこのクルマのためにあるようなもの。穴だらけのオリンピックではない。

今回の試乗会は『アルテオン』との合同試乗会。本国でのデビューはアルテオンが2017年に対し、パサートは2015年。この2年の違いが同じMQBというプラットフォームに差異をもたらしているのか、あるいは乗ったモデルがセダン系とワゴン系という差があったからなのか、アルテオンがどっしりガッシリとした走りの印象を与えたのに対し、パサートの方は大入力が入った時の車体の収束感が鈍く、揺れが残る印象を受けた。いわゆるブルンと来る印象が強い。

6年と言えば本来ならそろそろモデルチェンジを迎えても不思議ではないタイミング。因みにB6のコードネームで呼ばれたパサートからB7への進化は5年で行われている。

■5つ星評価
パッケージング:★★★★★
インテリア/居住性:★★★★★
パワーソース:★★★★
フットワーク:★★★★
おすすめ度:★★★★★

中村孝仁(なかむらたかひと)AJAJ会員
1952年生まれ、4歳にしてモーターマガジンの誌面を飾るクルマ好き。その後スーパーカーショップのバイトに始まり、ノバエンジニアリングの丁稚メカを経験し、さらにドイツでクルマ修行。1977年にジャーナリズム業界に入り、以来44年間、フリージャーナリストとして活動を続けている。また、現在は企業やシニア向け運転講習の会社、ショーファデプト代表取締役も務める。

《中村 孝仁》

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