【アウディ A3セダン 新型試乗】無条件に乗り換えてもいい『A3』の美点とは…島崎七生人 | Push on! Mycar-life

【アウディ A3セダン 新型試乗】無条件に乗り換えてもいい『A3』の美点とは…島崎七生人

◆ギリギリ昭和に『アウディ80』に乗っていた身として ◆無条件に乗り換えてもいい『A3』の美点 ◆後席の快適性も十分に配慮したセッティング

自動車 試乗記
アウディ A3セダン 新型(1st edition)
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ギリギリ昭和に『アウディ80』に乗っていた身として

窓を開けたまま走り出すと、少し時間をおいて“エコノミーヒント/エアコンがオンです:ウインドーを閉めてください”のメーター表示が。在宅中いつも家内から同じことを言われているので思わず苦笑したが、燃費のため、今やクルマはそういう踏み込み方で注意を促してくる。

光の加減にもよるが、ボディサイドの抑揚……前後フェンダーの張り出しとドア下部のプレスライン……は、実車ではあまり気にならずスグに目に馴染んだ。ちなみにセダンとスポーツバックとでは、後部ドア部分のアクセントのプレス形状が異なり、スポーツバックが後方でラインをハネ上げているのに対し、セダンはゆるやかな傾斜をそのまま後ろまで引っ張っている。


前後バンパー内のシルバーの加飾(個人的にはなくてもいいと思う)はあるが、スポーツバックよりも落ち着いたムードだ。ボディサイズはスポーツバックに対し全長が150mm長いほかは全幅(1815mm)、ホイールベース(2635mm)は共通だ。

実はギリギリ昭和だった頃に当時の『アウディ80(B3)』に乗っていた身としては、直系の『A4』では今やサイズが豊かすぎ、今セダンを選ぶなら『A3』だな……の思いがずっとある。その思いは嬉しいことに、先代同様、今回も裏切られなかった。

無条件に乗り換えてもいい『A3』の美点


とくに5.1mの最小回転半径は相変わらず、いかなる場所でも扱いやすい。また、これは『A3』の美点だが、Aピラーの着地点がドライバーから見て適度に手間に引かれ、良好な運転視界と車両感覚の掴みやすさを両立させているところは新型でもキープされた。もしも従来型オーナーだったら、このことだけ確認して無条件で新型に乗り換えてもいいほどだ。

同一グレード同士でスポーツバックとの車重さの差は、セダンのほうが後軸重分10kg重いだけ。昔、「VWの『ゴルフ』に対し『ジェッタ』はトランクが付いて○万円高いだけ」といった言い方があったが、この車重の差の小ささは最近の傾向のようで、たとえば『マツダ3』のFF・2リットルの同一グレード同士で、ファストバックとセダンの車重さの差はやはり10kgだ。

後席はルーフ形状の差で、試乗時の実測値で頭上空間自体はスポーツバックより30mm程度小さかった。だが、実用上は十分な広さが確保されている。トランクはセダンは奥行きと高さに圧倒的なゆとりがあり、このあたりは昔ながらのヨーロッパ製コンパクトセダンの面目躍如といったところ。

後席の快適性も十分に配慮したセッティング

走らせた印象は、高性能スポーツカーのような鋭い加速を望まない限り、実用の9割以上はこと足りる……というより、快適でスムースなドライバビリティが味わえるといったところ。

そもそもエンジンは1リットル(999cc)の3気筒だが、3気筒固有の機械的な音、振動は意識しないでいられるし、何よりベルト駆動式オルタネータースターター+48Vリチウムイオンバッテリーの搭載が3気筒の七難を隠していて、出足や変速時、エンジン再始動時にスッとごく短くトルクをアシストすることで、クルマ全体の洗練度をおおいに高める仕事ぶりには関心させられる。よって、市街地はもちろん山道でも、ストレスなく軽快とさえ感じる走りが実現されている。


訊けば同一グレード同士で、スポーツバックとは足回りでは“リヤのスプリングの品番が違うだけ”だそう。試乗車同士ではタイヤのメイクの違いがあり(比較した試乗車はどちらもオプションの18インチだった)、ブリヂストン TURANZA T005を装着していたこちらのセダンは、音と低速時のショックの緩和の点で、別のブランドのタイヤで試してみたい、とも思った。

が、前述のスポーツバックとの車重差以上にクルマの動き(上下動)がゆったりと感じるのがセダンの持ち味で、リヤの突き上げが少ないなど、後席の快適性も十分に配慮しているセッティングであることが伺われた。

■5つ星評価
パッケージング:★★★★★
インテリア/居住性:★★★★★
パワーソース:★★★★★
フットワーク:★★★★★
オススメ度:★★★★★

島崎七生人|AJAJ会員/モータージャーナリスト
1958年・東京生まれ。大学卒業後、編集制作会社に9年余勤務。雑誌・単行本の編集/執筆/撮影を経験後、1991年よりフリーランスとして活動を開始。以来自動車専門誌ほか、ウェブなどで執筆活動を展開、現在に至る。便宜上ジャーナリストを名乗るも、一般ユーザーの視点でクルマと接し、レポートするスタンスをとっている。

《島崎七生人》

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