プジョー リフター/シトロエン ベルランゴに設定される「Platinum Voice」を試す | Push on! Mycar-life

プジョー リフター/シトロエン ベルランゴに設定される「Platinum Voice」を試す

プジョー『リフター』/シトロエン『ベルランゴ』にディーラーオプションとして設定されているBEWITH(ビーウィズ)の「Platinum Voice(プラチナ・ボイス)」と工場純正装着オーディオシステムの聴き比べを行った。

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プジョー・リフター/シトロエン・ベルランゴに設定されるオプションPlatinum Voiceを試す
  • プジョー・リフター/シトロエン・ベルランゴに設定されるオプションPlatinum Voiceを試す
  • シトロエン・ベルランゴ車室内
  • シトロエン・ベルランゴ Platinum Voice(プラチナ・ボイス)フロントスピーカー交換後
  • シトロエン・ベルランゴ Platinum Voice(プラチナ・ボイス)ツイーター交換後
  • シトロエン・ベルランゴ Platinum Voice(プラチナ・ボイス)装着後ドア全景
  • シトロエン・ベルランゴ Platinum Voice(プラチナ・ボイス)リアスピーカー交換後
  • フロントシート下に車室内の音響をコントロールするDSPが装着されている
  • プジョー・リフター車室内全景

プジョー『リフター』/シトロエン『ベルランゴ』にディーラーオプションとして設定されているBEWITH(ビーウィズ)の「Platinum Voice(プラチナ・ボイス)」と工場純正装着オーディオシステムの聴き比べを行った。

個性の異なる2種類のクルマ、リフター/ベルランゴ
選択はオーナーのライフスタイル次第

オシャレで情報感度の高いオーナーが多いプジョー・シトロエン車の中でも、特に「面白そうなクルマ」、「このクルマを使ってなにかしたい、遊びたい」と思わせる魅力を持つ「RIFTER(リフター)」と「BERLINGO(ベルランゴ)」。グループPSAに属する両車の基本設計は共通だが、それぞれのブランドコンセプトの違いにより、外装のデザインや内装の仕様がかなり異なって、どちらを選ぶかは、オーナーのライフスタイルによって分かれるところだろう。

マッシブでワイルドな外装デザインと、プジョー「i-Cockpit」と小径ステアリングホイールが演出する新感覚インテリアを備える「リフター」。一方、シトロエンのユニークな外装デザインとオーソドックスで直線的な内装デザインの「ベルランゴ」。どちらも魅力的だが、両車に共通しているのは、大きなウィンドウエリアとパノラミック・ガラスルーフが醸し出す明るく洗練された上質なリビングのような空間演出だ。いずれもナビは標準装備ではないものの、最近のトレンドのApple CarPlayやAndroid Autoが使える8インチのミラースクリーンを採用している。

限られたスペースの中で最大限の成果を上げる
新規開発スピーカーが良質な音楽空間を実現

気になるスピーカーはと言うと、フロント2ウェイ、リア・フルレンジの6スピーカーシステム。ただし、28カ所にも及ぶストレージスペース確保を優先したためか、ドアポケットが巨大でスピーカー装着スペースが極薄になってしまったようだ。

このため、工場純正スピーカーを見てみると、非常に薄く磁気回路も貧弱だ。上質なリビング空間に相応しい仕様かといえば、残念ながら力不足感は否めない。
しかし、物理的に最大取付可能奥行40mmという制約の中で市販されている16cmの上級スピーカーユニットは皆無。事実上交換は不可能という状態だったが、今回、この2車種のために金型から新規で開発されたのが、「BEWITH Platinum Voice for RIFTER/BERLINGO」だ。

高精度・高剛性のフルバスケット仕様のアルミダイキャスト製フレームに大型ネオジウムマグネット回路を内包した16cm超薄型ウーファーと、コーン紙素材をアルミ‐マグネシウム合金で統一することにより音色を揃えた2.5cmトゥイーターがセットになっている。低音の不要振動を抑え込むために専用設計されたアルミダイキャスト製取付バッフルで、車両側のドア鉄板部にウーファーをがっちり固定し、ドアミラー内側に高音質パーツで構成されたパッシブネットワークを介してトゥイーターが装着される。これにより、目的地に着くまでの道のりを特別な愉しさで満たす空間の完成だ。

聴いた瞬間に感じるサウンドの差は歴然
愛車のリビング空間がさらにランクアップ

実際に純正システムと「BEWITH Platinum Voice for RIFTER/BERLINGO」の音を聴き比べてみた。

まずは標準オーディオシステムのリフター。おそらくメーカーの開発担当者も相当苦労したのだろう。それなりにまとまった音質ではあるものの、やや透明感に欠ける締まりのないサウンドだ。ボリュームを上げるにつれ楽しくなるはずの空間が息苦しく感じてしまう。やはりスピーカーユニットの基本性能と限界能力の低さが露見してしまう。特にリアスピーカーはフロントスピーカーよりも更に脆弱な磁気回路のユニットを使用しているため、音が破綻する限界点が早く訪れてしまう。セッティング自体をややフロント側にフェダーコントロール設定することをお勧めする。簡単なEQ機能が内蔵されているので、セッティングとしては、高音側をやや強調し、低音側をやや抑え気味にして、ボリュームを上げ過ぎなければ、それなりの音質では楽しめると思う。

次に、上質なリビング空間を求めて「BEWITH Platinum Voice」を装着したベルランゴに乗り込みUSBを音源に音質チェック。標準オーディオシステムを聴いた直後ということもあって、一聴して音の鮮度・質感の違いに感動する。車内に降り注ぐ自然光と大きなフロントウインドウから見える東京湾と富士山の開放感に負けない上質な音楽空間が実現する。

この車両では、今春発売になる予定のリアスピーカーセットも装着されているので、標準オーディオシステムとの格差は歴然としているのはもちろんだが、パワフルなクリーンディーゼルエンジンの爽快感と相まって、どこまでもドライブしたくなるウキウキしている自分に気付く。現在、標準スピーカーシステムを生かしたDSPシステムの開発もしているということなので、そちらの発売も楽しみにしたい。

日本が誇るオーディオブランドが作るフランス車の中の上質空間。まさに「フルスケールで楽しむ大人のためのギア」に相応しいオプション品と言えるのではないだろうか。

《土田康弘》

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