【三菱 エクリプスクロス PHEV 雪上試乗】これほど万能に走れるクルマはそうそうない…岡本幸一郎 | Push on! Mycar-life

【三菱 エクリプスクロス PHEV 雪上試乗】これほど万能に走れるクルマはそうそうない…岡本幸一郎

◆エンジン派の筆者もホレボレする気持ちよさ ◆アクセルもブレーキもステアリングも「意のまま」 ◆これほど雪上を万能に走れるクルマはそうそうない

自動車 試乗記
三菱 エクリプスクロス PHEV
  • 三菱 エクリプスクロス PHEV
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とある1月の休日のお昼頃、近所の三菱ディーラーに行ってみると多くの来客がいて、うちの1組が『デリカD:5』で、それ以外の1組、2組、3組…おそらく4組の卓上に『エクリプスクロスPHEV』のカタログが置かれていて商談中の様子だった。

かねてからウワサがあり、ようやく世に出たエクリプスクロスのPHEVを待っていた人は、やはり少なくないようだ。その実力を探るべく、せっかくこの時期なので雪道を走るため豪雪地帯として知られる越後湯沢方面へと向かった。

エンジン派の筆者もホレボレする気持ちよさ


少し渋滞した都内を抜けて、関越道を北へ。新たに加わった明るい配色のインテリアの雰囲気もなかなかよく、大きくなったディスプレイも使いやすい。

モーター駆動ならではの走りは、いつもながら極めてスムーズだ。レスポンスがよくトルクフルで、かつ伸びやかな加速フィールは、本当はエンジンの鼓動が好きな筆者にとってもホレボレさせるものがあるほど気持ちがよい。

フットワークの仕上がりも上々だ。路面の起伏を越えたときのバタつきが小さく、フラット感があり、ロールも抑えられていて、ステアリング操作に対して遅れなく応答し、イメージしたとおりピタッと動いてくれる。全体的に上質な走り味になっている。


これにはPHEVのシステムの搭載による重量増をはじめ、重心が下がって前後重量配分が均等に近づいたことなどが効いているようだ。

そして何よりも土台となる車体剛性がしっかり確保されている感覚がある。エクリプスクロスはもともと車体をしっかり作り込んでいて、新型では全長の拡大に合わせた手当てを施したとのことで、それも少なからず効いているに違いない。

高速巡行すると自律的な直進安定性が高いことにも感心する。とはいえ、やはり運転支援装備に車線中央維持機能が欲しいところ。三菱はややその部分では他社に後れをとっているので、早くエクリプスクロスにも設定されるよう期待したい。

アクセルもブレーキもステアリングも「意のまま」


目的地に到着し、クルマを止めてあらためて眺めてみると、リフレッシュされた外観は従来とはずいぶん雰囲気が変わって、車格が上がったように見えるほど。そして三菱車はおしなべてどれもそうなのだが、エクリプスクロスPHEVも白銀の上に置くと実に絵になる。

3個のゴルフバッグが収まるというラゲッジも十分な広さが確保されていて、最大1500Wの100V電源が設置されているので、出先で家電製品を使うことができるのも重宝する。ただし、『アウトランダー』にはある電動テールゲートがないのが残念。これも早く設定されるよう期待せずにいられない。


雪はたくさん積もっていたものの、主要な道路は除雪が行き届いていて路面にあまり雪がない。そこで雪の残っていそうな場所を探して散策してみたところ、あるじゃないか! せっかく来た甲斐があった。

乾燥した舗装路でも感じたなめらかな走り味は、雪上でもそのありがたみを実感する。とにかく乗りやすい。アクセルもブレーキもステアリングも、文字どおり意のままだ。

スタンバイ式と違って、わずかでも常時4輪に駆動力を伝えたほうが安定性が高まり乗り心地もよくなるので、そのようにしている、と開発関係者も述べていたとおりで、その強みも出ているに違いない。


前後が独立したツインモーターAWDなら、メカニカルAWDのようにカップリングをつなぐと舵が利きにくくなるようなこともなく、前後をそれぞれより理想的に動かすことができて、それがこの気持ちのよい回頭性を生み出している。動きに応答遅れがなく、斬り始めから立ち上がりまでアンダーステアが圧倒的に少ない。

これほど雪上を万能に走れるクルマはそうそうない


さらには、三菱が誇るS-AWC(スーパー・オール・ホイール・コントロール)のブレーキAYC(アクティブ・ヨー・コントロール)により4輪のブレーキを個別にかけることで動きを制御しているわけだが、エクリプスクロスPHEVでは、ツインモーターの素のよさを活かしてチューニングしており、S-AWCについてもあまり積極的に曲げるような制御にはしてない。

駆動力の前後配分とブレーキAYCをあまり曲がり過ぎないようにするとともに、リアが横滑りしそうになったら抑えるような配分とし、ブレーキを逆向きにかけるようにしているのだという。

とくにSNOWモードは、雪上を安心して安全に走るには非常に心強くて、他のモードとは動きがぜんぜん違う。極めて容易に発進できて、意図どおりに車速をコントロールできる。転舵した状態でのゼロ発進で、少しも無駄に滑らせることなくステアリングを切った方向に進んでいけたり、あえてアクセルやステアリングをラフに操作してみても、舵の利きがよくてリアも不安定になりにくく、挙動をほとんど乱れさせることなく、行きたい方向にしっかり進んでいけることには感心した。そのあたりの一連の制御はさすが三菱、というべき非常に素晴らしいものだ。


その一方で、積極的に走りを楽しむこともできる。ASCを完全OFFにすることもできて、走り系のモードを選ぶとドリフト走行だって楽しめる。むろん地上高が十分に確保されているので、少々の段差や轍もものともしない。これほど雪上を万能に走れるクルマはそうそうないように思う。

三菱ではPHEVの販売比率を約70%と見込んでいるという。手ごろなサイズでスタイリッシュなSUVというトレンディなカテゴリーのクルマながら、これまで日本国内での販売があまり芳しくなかったエクリプスクロスだが、冒頭でも述べたとおり、PHEVの登場を心待ちにしていた人は少なくないはず。そして実車も、文中で述べた要望もあるものの、その期待に応えてあまりある完成度であることをお伝えしておきたい。

■5つ星評価
パッケージング:★★★★
インテリア/居住性:★★★★
パワーソース:★★★★★
フットワーク:★★★★★
オススメ度:★★★★

岡本幸一郎|モータージャーナリスト
1968年、富山県生まれ。学習院大学を卒業後、自動車情報映像の制作や自動車専門誌の編集に携わったのち、フリーランスのモータージャーナリストとして活動。幅広く市販車の最新事情を網羅するとともに、これまでプライベートでもスポーツカーと高級セダンを中心に25台の愛車を乗り継いできた経験を活かし、ユーザー目線に立った視点をモットーに多方面に鋭意執筆中。日本自動車ジャーナリスト協会会員。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。

《岡本幸一郎》

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