「プロセッサー」を追加して、音の“聴こえ方”を変える! Part6 機能解説「イコライザー」編 | Push on! Mycar-life

「プロセッサー」を追加して、音の“聴こえ方”を変える! Part6 機能解説「イコライザー」編

現代カーオーディオの必需品の1つとなっている「プロセッサー」について、その存在理由や導入方法等々を解説している当短期集中特集。前回からは機能解説をお贈りしている。今回は「イコライザー」の役割やタイプ違いについて詳細に説明していく。

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「イコライザー」の設定画面の一例(フォーカル)。

現代カーオーディオの必需品の1つとなっている「プロセッサー」について、その存在理由や導入方法等々を解説している当短期集中特集。前回からは機能解説をお贈りしている。今回は「イコライザー」の役割やタイプ違いについて詳細に説明していく。

「イコライザー」の役割は2つある! 「サウンドの雰囲気を変える役割」ともう1つは…。

前にも説明したとおり、「プロセッサー」には主に以下の3機能が搭載されている。「クロスオーバー」「イコライザー」「タイムアライメント」、この3つだ。なお「プロセッサー」にはアナログタイプとデジタルタイプの両方があるのだが、「タイムアライメント」以外の2機能は、アナログ、デジタルの両方の「プロセッサー」に搭載可能だ。

さて今回は、この中の「イコライザー」について説明していく。まずは役割から。

ところで、「イコライザー」とは「サウンドの雰囲気を変えるための機能」と思っているドライバーも少なくないはずだ。「イコライザー」は確かにそのような役割も果たす。例えばリーズナブルなAV一体型ナビ等に搭載されている「イコライザー」にはよく、“ボーカル”とか“パワフル”とか“ロック”等々の名前が付いたプリセットデータがメモリーされていたりする。これらはまさしく「サウンドの雰囲気を変える」ためのもので、例えば“ボーカル”というプリセットデータでは、ボーカルがはっきりくっきり聴こえるような設定が成されている。

しかしながら実は、「イコライザー」は別の役割も負う。別の役割とは「周波数特性の乱れを補正する」というもので、ハイエンドカーオーディオにおいてはむしろ、こちらの役割を担うケースの方が圧倒的に多い。

というのも「イコライザー」の“イコライズ”という単語には、“等しくする”とか“同じにする”という意味があり、つまり「イコライザー」は「音源どおりの音にする」または「乱れた周波数特性を平坦にする」機能なのである。サウンドを“変える”ためのものではなく、むしろ“元に戻す”ための機能、というわけなのだ。

車内で「周波数特性が乱れがち」となる理由とは…。

ところでカーオーディオではなぜに、「イコライザー」が必要になるほどに「周波数特性が乱れがち」となるのだろうか。

答は、「車内はガラスやパネルに囲まれた狭い空間だから」だ。ゆえに音が幾重にも反射する。そしてシートでは吸収も起こる。特にやっかいなのは反射の方だ。平行面に挟まれた空間ではその間を音が行ったり来たりするのだが、その平行面の間の距離と1波長が合致したり、2倍、3倍という整数倍の関係になったり、1/2、1/3というように割り切れる関係になると、その音が増幅したり減衰したりする現象が引き起こされる。

しかし「イコライザー」を使うと、増幅した周波数帯を抑え込むことや減衰した周波数帯を盛り上げることが可能となる。

なお、場合によっては特定の周波数の音が減衰を通り越して消失してしまうこともある。そうであると「イコライザー」での補正が効かなくなる。なくなってしまっていては盛り上げようがないのだ。その場合にはスピーカーの取り付け方を見直す等々の物理的なチューニングが必要となる。このような特異なケースも有り得るので「イコライザー」は必ずしも万能ではないということも頭に入れておくべきだ。また、「イコライザー」に頼る前に物理的なチューニングに手間を掛けるべき、とも言われることも多い。頼り過ぎない方が良い結果が得られたりもする。

とはいえ、物理的なチューニングですべての問題が解決しないこともまた事実で、そして「イコライザー」の力で問題を相当に改善させられることも確かだ。ゆえにカーオーディオでは頻繁にこれが用いられている、というわけなのだ。

「イコライザー」にはタイプ違いがある!? 1つは「グラフィックイコライザー」で、もう1つは…。

続いては、「イコライザー」のタイプ解説を行う。「イコライザー」には2タイプがある。1つが「グラフィックイコライザー」で、もう1つが「パラメトリックイコライザー」だ。

前者は、各バンドの担当周波数帯があらかじめ決められている。例えば「13バンドイコライザー」では、人間の可聴帯域である20Hzから20kHzまでの全帯域が13等分され、各バンドに1つ1つ担当周波数帯が割り振られる。

なお、各バンドの設定の様子は後から一目瞭然で確認できる。なので“グラフィック”という名称が付けられている。視覚的に分かりやすい「イコライザー」というわけだ。

対して「パラメトリックイコライザー」は、調整したい周波数とその範囲を任意に選べる。なので、周波数特性の乱れにピンポイントでアプローチしやすい。つまり、より詳細な補正が可能となる。ただし機能としてはより複雑化するために、調整可能なバンド数が限定的となることが多かった。

ところが…。昨今のデジタル・シグナル・プロセッサー(DSP)に搭載されている「イコライザー」は「パラメトリックイコライザー」である場合が多くなっている。しかも、「ch独立31バンドパラメトリックイコライザー」である機種もかなり増えている。このような仕様であると例えばフロント2ウェイ+サブウーファーというスピーカーレイアウトをコントロールしようとするときには、ツイーターchについてもミッドウーファーchについてもそしてサブウーファーchについてもそれぞれで31バンドの調整が可能だ。つまりこの場合、左右とも計93バンドにわたって調整できる「パラメトリックイコライザー」となっているのだ。

現代カーオーディオでは「イコライザー」は特に、ますます高度化されている。技術の進歩はめざましい。

今回はここまでとさせていただく。次回は「タイムアライメント」について解説する。お楽しみに。

《太田祥三》

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