【マツダ CX-8 新型試乗】痒いところに手が届く3列シートSUV…九島辰也 | Push on! Mycar-life

【マツダ CX-8 新型試乗】痒いところに手が届く3列シートSUV…九島辰也

◆ミニバンに飽きたドライバーへの一台
◆このクルマの美点は乗り心地に尽きるが…
◆マツダ車に共通する挙動の優しさ

自動車 試乗記
マツダ CX-8 改良新型
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ミニバンに飽きたドライバーへの一台

あまり知られていないかもしれないが、『CX-8』は昨年、2019年10月に商品改良を行っている。グレードにもよるが、ガラスサンルーフや3列目に充電用USB端子を設け、より使いやすくした。大きなところでは「エクスクルーシブ・モード」という特別仕様車の設定だろう。

キャプテンシートとなる2列目に電動スライド、リクライニング、ベンチレーション機構を持たせることで快適なサルーンカーに仕立てたのだ。そもそもこのクルマは2列目の乗り心地が良いだけに、これは朗報と言える。ミニバンに飽きたドライバーの受け皿になることだろう。

このクルマの美点は乗り心地に尽きるが…

では実際に走らせた印象に移ろう。試乗車は「XD プロアクティブ Sパッケージ」であった。エンジンは2.2リットルのSKYACTIV-D、駆動方式はFWDとなる。

このクルマの美点は乗り心地に尽きる。ロングホイールベースのパッケージングが功を奏して思いのほか快適なのだ。特にバウンシングのこなしは秀逸で、ギャップを一度で抑え込んでくれる。キャビンに不快さを与えないのは嬉しい。このセッティングは絶妙だ。


コーナーリング時もそう。サスペンションストロークに余裕があり、フラットライドを保ってくれる。もちろん、急激なGフォースが起きた時はそれなりにロールする。が、それをコントロールできるのもドライバーが楽しめるポイントと言える。基本ハンドリング性能の高いクルマなので、一人乗車であればコーナーリングを味わいながらのドライビングができるのだ。

コモンレール式2.2リットル直4ターボのディーゼルユニットは相変わらず気持ちがいい。“走り”をイメージさせるパフォーマンスはBMW製ディーゼルに通じるものを感じた。最大トルクの発生を2000回転に抑えながら、高回転型に振ったセッティングだ。

ただ、高速道路での巡航はギアボックスのさらなる多段化を必要に感じる。現状ギアは6速だが、8速くらいまで増やせばより静粛性は上がり快適さも増すであろう。6速でも不都合はないが、他メーカーと比べるとその必要性を感じる。

マツダ車に共通する挙動の優しさ

総合的に言って、CX-8は完成度の高いクルマだと思う。最近のマツダ車はステアリングに対するクルマの挙動が優しい分、こう言った3列シートの人を乗せることを目的としたモデルにマッチする。これなら2列目のパッセンジャーからクレームは出ないだろう。

そう考えると冒頭に述した特別仕様車の「エクスクルーシブ・モード」はその特徴を上手に生かしていると思われる。市場ニーズから生まれたのかどうかはわからないが、痒いところに手が届く感じだ。

それとCX-8のポジティブポイントをもう一つ。このクルマは全長4900mmという長さに対して全幅は1840mmと気持ち細め。同クラスの輸入車からすると扱いやすくなる。その辺も本気で購入を考える人の指標になるのではないだろうか。

■5つ星評価
パッケージング:★★★★
インテリア/居住性:★★★★
パワーソース:★★★★
フットワーク:★★★★
オススメ度:★★★★

九島辰也|モータージャーナリスト
外資系広告会社から転身、自動車雑誌業界へ。『Car EX』(世界文化社刊)副編集長、『アメリカンSUV』(エイ出版社刊)編集長などを経験しフリーランスに。その後メンズ誌『LEON』(主婦と生活社 刊)副編集長なども経験する。現在はモータージャーナリスト活動を中心に、ファッション、旅、サーフィンといった分野のコラムなどを執筆。また、クリエイティブプロデューサーとしても様々な商品にも関わっている。趣味はサーフィンとゴルフの“サーフ&ターフ”。 東京・自由が丘出身。

《九島辰也》

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