定番“パワードサブウーファー”4機種を徹底比較試聴! 買うべきモデルは、どれ? Part3 | Push on! Mycar-life

定番“パワードサブウーファー”4機種を徹底比較試聴! 買うべきモデルは、どれ? Part3

“低音強化”を実行したいと思ったとき、それを手軽に行えるユニットとして人気の“小型・薄型パワードサブウーファー”。それらのバリューを改めて確認すべく、売れ筋定番モデル4機種の比較テストを実行した。その模様を3回にわたりリポートしている。

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定番“パワードサブウーファー”4機種を徹底比較試聴! 買うべきモデルは、どれ?
  • 定番“パワードサブウーファー”4機種を徹底比較試聴! 買うべきモデルは、どれ?
  • ミューディメンション『Black Box X10』
  • テストに使用したスピーカー(ZRスピーカーラボ・エントリーライン)。
  • ロックフォード・フォズゲート『PS-8』
  • ロックフォード・フォズゲート『PS-8』

“低音強化”を実行したいと思ったとき、それを手軽に行えるユニットとして人気の“小型・薄型パワードサブウーファー”。それらのバリューを改めて確認すべく、売れ筋定番モデル4機種の比較テストを実行した。その模様を3回にわたりリポートしている。

最終回となる今回は、人気アメリカンカーオーディオブランド“ロックフォード・フォズゲート”と、国産実力ブランド“ミューディメンション”の上位モデル1機種ずつのテスト結果をお伝えする。

ボディの大型化は極力抑えつつ、振動板サイズとパワーを増強!


まずは“ミューディメンション”の『Black Box X10』のインプレッション・リポートから紹介していく。最初に、当機の基本スペックを確認しておこう。ミューディメンション『Black Box X10』

(写真)ミューディメンション『Black Box X10』

☆ミューディメンション Black Box X10(税抜価格:4万6000円)
●仕様:10inch(25cm)薄型チューンナップサブウーファー(アンプ内蔵)
●最大出力:200W ●定格出力:150W ●周波数特性:30Hz-160Hz ●S/N比:91dB ●クロスオーバー:ローパス50Hz-100Hz ●サイズ(幅×奥行×高さ)369×275×82mm ●ハイレベルインプット付 ●オートターンON/OFF機能(ハイレベル入力時有効)●配線キット付属(除くRCAケーブル)
前回紹介した兄弟機『Black Box X8』との主な違いは、振動板サイズにある。当機は10インチ(25cm)で、『Black Box X8』は8インチ(20cm)。直径で5cm当機の方が大きい。結果、ボディサイズも大きくなっている。幅が24mm、奥行が35mm、高さが14mm、それぞれ拡大されている。

とはいえ、振動板サイズの増加分を考えると、本体サイズの増量分は極力抑えられている。よりパワフルに鳴らそうとしつつも“小型・薄型”であることもできる限りキープされているというわけだ。

なお振動板が大きくなったことに呼応して、内蔵パワーアンプの出力も高められている。『Black Box X8』の定格出力は100W。当機ではそれに対して1.5倍となる150Wが確保されている。この部分の違いが音に与える影響は小さくなさそうだが、果たして…。

ところで当機も、内部に『レアルシルト・ディフュージョン(拡散材)』が装着されていて、ボックス内で発生する“定在波”対策が成されている。ボックスのサイズや形状によって引き起こされる固有の音響的な弊害を、拡散材の効用により抑制し、自然でスケール感のある重低音再生が実現されているとのことだ。その点が出音にどう効いてくるのかにも注目しながら、早速テストを開始した。

テストに使用したスピーカー(ZRスピーカーラボ・エントリーライン)。

(写真)テストに使用したスピーカー(ZRスピーカーラボ・エントリーライン)。

パワーアンプの能力が高められていることが、音にダイレクトに効いている!


結論から入ろう。『Black Box X10』は良くできている。『Black Box X8』と比較して、低音の質が一段上を行っている。

まず、『Black Box X8』でも特長だと感じられた深みや伸びが、当機ではさらに上積みされている。心地良さが増し、量感も上回っている。

その上で、制動力も上がっている。振動板が大型化しているが、その増加率を凌ぐパワーが確保されているからだろう、動かす力、そして止める力、その両方に余裕が感じられる。結果、全体的なすっきり感も増している印象だ。むだな響きが一層排除されている。

また、サウンド全体のリッチさも上昇しているように思えた。中・高音への影響力もさらに伸長し、低域から高域までより豊潤に響き、楽曲の音楽性もより高められている。

そして当機でもリモートベースコントローラーをマックスまで上げてみたのだが、思い切り鳴らしても全体的なスッキリ感は保たれたままだった。低音のエネルギー感が高まりながらもクリアさが妨げられることはなかった。なお前回の記事の中でも触れたように、入力ゲインは約50%にセットしてテストした。普段使いでもゲインは上げ過ぎない方がいいだろう。もしもゲインをマックスにしてさらにコントローラーボリュームも最大値まで上げると、音が割れたり異音が発生することがある。ご注意を。

さて、『Black Box X8』もコストパフォーマンスに優れた製品だと思えたが、当機はさらに高性能だ。もしも予算的に手が届き、そしてサイズ的にも問題がないようなら、当機を選んだ方が得られる満足度は高そうだ。手応えあるサウンドが楽しめた。優良機であることは間違いない。

価格的に抜け出た存在である『PS-8』。作りも堅牢で“質実剛健”な印象が強い。


続いては最後の1台、“ロックフォード・フォズゲート”『PS-8』の試聴記をお贈りする。他モデルと同様に、まずは基本スペックから紹介しておこう。ロックフォード・フォズゲート『PS-8』

(写真)ロックフォード・フォズゲート『PS-8』

☆ロックフォード・フォズゲート PS-8(税抜価格:7万9000円)
●仕様:8inch(20cm)チューンナップサブウーファー(アンプ内蔵)
●定格入力:150W ●周波数特性:25Hz~150Hz ●S/N比:91dB ●クロスオーバー:ローパス50Hz~120Hz(-12dB/oct) ●サイズ(幅x奥行x高さ):354×239×85mm ●ハイレベルインプット付 ●リモートベースコントローラー付属 ●配線キット付属(RCAケーブル除く)
見てのとおり当機は、これまでにテストしてきた3機種と比べて価格がぐっと高くなっている。それに伴い作りのしっかり感も至って高い。持った感じ、ボディは相当に堅牢で、そしてサイズも比較的に大きめだ。振動板自体は前回にリポートした2機種と同じ8インチ(20cm)だが、ボディサイズは10インチ(25cm)の振動板を持つ『Black Box X10』に迫っている(幅は15mm、奥行は36mm短いものの、高さは3mm当機の方が大きい)。

なお、デザインは至ってシンプルだ。トップパネルをアーチ状に緩やかにラウンドさせてあり、かつ中央にブランドロゴがあしらわれているものの、その他では装飾的な要素はほぼない。結果、全体的な印象はまさに“質実剛健”と言ったところ。ただただ性能を追求して作られた、そんな雰囲気がすみずみから醸し出されている。

ところで当機には、“ターンオン”のモードが3タイプ備えられている。リモートを繋げてアクセサリー電源とシンクロさせる通常モードに加え、ソースユニットのオン/オフと連動するモード、ハイレベルインプットの入力と連動するモード、これらから好みのモードを選択可能だ。細かなことではあるが、使いやすさへの配慮も行き届いている。

さて、もろもろ頭ひとつ抜けた存在である当機。そのサウンドは、いかに…。

ロックフォード・フォズゲート『PS-8』

(写真)ロックフォード・フォズゲート『PS-8』

一層の充実感がみなぎるサウンド。価格に見合うクオリティを十二分に確保!


テストトラックの再生が始まった瞬間に、格の違いを感じ取れた。これまでに聴いてきた他機種のサウンドにも不満は感じなかったが、当機のサウンドには一層の充実感がみなぎっている。量感、タイトさ、躍動感、密度感、こういった低音に求めたい要素がバランス良く備えられている。

ベースラインの音程もよりはっきりと感じ取れた。つまり低音の解像度が上がっていて、よりクリアに低音を再生できているというわけだ。

切れ味も増している。音の立ち上がりがよりシャープで、止まるべきときにはビシっと止まる。内蔵パワーアンプのクオリティが高いからだろう。音楽を小気味良く、リズミックに楽しく聴かせてくれている。

価格的には抜けているが、それに見合った本格的な低音を満喫できた。“小型・薄型”であることがマストであり、かつ最大限、低音の質感にもこだわろうと思ったら、当機を検討するべきだろう。当機ならば本格ユニットサブウーファーで鳴らす低音に肉迫するサウンドを奏でられる。当機を選んで後悔することはないはずだ。背伸びをする価値は大いにある。

さて、定番4機種の試聴を終え、“小型・薄型パワードサブウーファー”のバリューを再認識することができた。低音再生力に関してビハインドがあると言われがちではあるけれど、人気機種を選べば満足度の高いサウンドを手にできる。手軽に“低音強化”を実践してみたいと思っている方は、“ロックフォード・フォズゲート”と“ミューディメンション”の各機のチェックを、お忘れなく。

《太田祥三》

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