【レクサス UX250h 新型試乗】レクサスの裾野を広げるのに一役買いそうだ…諸星陽一 | Push on! Mycar-life

【レクサス UX250h 新型試乗】レクサスの裾野を広げるのに一役買いそうだ…諸星陽一

◆リーズナブルなレクサスSUV
◆「UXらしい」トルク感のちょうどよさ
◆そのまま遠くへ行ってしまいたくなる

自動車 試乗記
レクサス UX250h
  • レクサス UX250h
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リーズナブルなレクサスSUV

レクサスのラインアップに新たにSUVの『UX』が追加された。レクサスのSUVとしてはもっともボトムに位置するモデルだ。

レクサスのSUVはトップから、『LX』、『GX』、『RX』、『NX』となり、今回追加されたUXがもっともボトムとなる。UXの価格は390万円~509万円で、スターティングプライスは『CT』より若干高めながらほぼ同等。レクサスブランドということを考えれば、リーズナブルな部類に属するモデルと言っていいだろう。

「UXらしい」トルク感のちょうどよさ


試乗車は2つあるパワーユニットのうちのハイブリッド。エンジンは2リットルで146馬力・188Nm、モーターは109馬力・202Nmというスペック。プラットフォームを共有する『C-HR』のパワーユニットが1.8リットルエンジンで構成されるのに対し、よりエンジン、モーターともに最高出力&トルクが増している。しかも使用燃料はレギュラーのままなのでこれは歓迎である。

パワーユニットのフィーリングは良好。EV走行からハイブリッド走行への切り替わりもシームレスで気持ちがいい。なによりもトルク感のちょうどよさがUXをUXらしくする。

発進時のモータートルクの太さは1.5トンのボディをスッとスムーズに発進させる。その後、エンジンが始動したときも気を遣っていればわかるのだが、ほかのことに気を取られると感じないレベル。そして十分に必要なトルクをシステムとして供給しクルマを走らせる。ハイブリッドは高速道路などより、ストップ&ゴーの多い一般道のほうが効率がいいのだが、効率うんぬんではなく高速道路走行がじつに快適だ。

そのまま遠くへ行ってしまいたくなる


フロントにストラット、リヤにダブルウィッシュボーンのサスペションはじつによく動く。そしてボディは剛性感にあふれている。ボディ骨格には高張力鋼板を多用。ボンネットフロントフェンダー、前後ドアにはアルミを使って軽量化。バックドアは樹脂製となっている。剛性感にあふれるボディによく動くサスペンションの組み合わせは乗り心地とハンドリングに対してもいい影響を与えている。

このモデルの試乗は高速道路を中心としたものとなったが、そのまま遠くまで行ってしまいたいような感覚に襲われる。何よりも快適で楽ちんなのである。

仕事柄、ときおり長距離の移動後に試乗などを行うことがある。たとえば200km、300kmと移動してからのさらに仕事として試乗を行うわけだが、そうしたときにはどうしたって移動時は楽で快適なクルマが欲しくなる。そういう移動用してベストフィールを持つのがレクサスUXなのだと感じさせてくれる。

レクサスUXの弱点は


唯一の弱点はSUVというカテゴリーでありながら、ラゲッジルームが小さいことだ。SUVならしっかりと荷物を積んで遊びに行きたいものだが、この容量(編集部注:220リットル、2名乗車時で995リットル)ではかなり少ない(220リットル)。これなら車高を低くして、もっとスポーティなスタイリングにしたほうがいいだろう。

また、ナビなどをコントロールする相変わらずタッチパッドは使いにくい。新たにオーディオは物理スイッチを使ったコントローラーが追加されている、つまりレクサスは自らタッチパッドの使い勝手の悪さを一部認めているのだ。右利きの人が多いなか、左手で操作するタッチパッドを基本とするのは間違い。では右手でコントロールする左ハンドル車はいいのか? いやいやそれはユニバーサルデザインでないからやはりダメだ。

ベーシックモデルなら400万円を切るレクサスUX。確実にレクサスの裾野を広げるモデルだが、試乗車は車両本体が449万円。サンルーフ、3眼フルLEDヘッドライトなどなどのオプションが約70万円で、合計は約520万円。最終的にはやっぱりレクサスの価格となってしまうが、それを求める人には気にならないのだろう。

■5つ星評価
パッケージング:★★★
インテリア/居住性:★★★
パワーソース:★★★★★
フットワーク:★★★★★
オススメ度:★★★★

諸星陽一|モータージャーナリスト
自動車雑誌の編集部員を経て、23歳でフリーランスのジャーナリストとなる。20歳代後半からは、富士フレッシュマンレースなどに7年間参戦。サーキットでは写真撮影も行う、フォトジャーナリストとして活動中。趣味は料理。

《諸星陽一》

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