驚愕のカスタマイズカー『SUBARU・WRX STI TC380』に、"Premium Package"が存在!? そこに込められた"想い"とは…。 | Push on! Mycar-life

驚愕のカスタマイズカー『SUBARU・WRX STI TC380』に、"Premium Package"が存在!? そこに込められた"想い"とは…。

世界中の"スバリスト"を驚愕させた、『SUBARU・WRX STI TC380』というクルマがあることをご存知だろうか。"SUBARU"の正規ディーラー"富士スバル"(本社:群馬県前橋市)が50台限定でリリースした、ハードコア・カスタマイズカーである。

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驚愕のカスタマイズカー『SUBARU・WRX STI TC380』に、
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世界中の"スバリスト"を驚愕させた、『SUBARU・WRX STI TC380』というクルマがあることをご存知だろうか。"SUBARU"の正規ディーラー"富士スバル"(本社:群馬県前橋市)が50台限定でリリースした、ハードコア・カスタマイズカーである。

製作において監修を務めたのは、世界ラリー選手権(WRC)などで活躍する日本を代表するラリードライバー新井敏弘選手。2018年11月1日に発表され、同月3日から発売が開始された。そして、その週末のうちに商談予約が満了するほどの大反響を呼ぶ(SNS等ではそれが即座に"完売"と誤報され、さらなるセンセーションが巻き起こった)。当車が注目を集めたポイントは、主には2点ある。1つはその圧倒的なパワー。公式には"未計測"と発表されているが、最高出力380PS、最大トルクは50kgf・m以上とも言われている。そしてもう1点は、世界で活躍するトップラリードライバーの1人である新井選手が「ラリーフィールドで培ったノウハウを新車カスタマイズにフィードバック・実用化したクルマ」であること。

尚、この『TC380』には、"Premium Package"という名のスペシャル・オプションも設定されている。シリアルID"000"が付けられているデモカーにはそれが装着されているのだが、これまでその内容がメディアで取り上げられることは少なかった。上記の2つの注目点ばかりがクローズアップされてきたからだ。

しかしながら実はこの"Premium Package"は、当車のアイデンティティを象徴するものでもあるという。当記事では、これの存在理由とこれが目指したものをリポートすることで、『TC380』の"価値"をより深く解き明かしていこうと試みる。

パワートレーンをメインにカスタマイズを敢行!

最初に、『TC380』のプロフィールを要約して紹介しておきたい。

ベース車は『SUBARU・WRX STI』。基本的にはパワートレーンをメインにカスタマイズが成されていて、サスペンションやエアロパーツ等はユーザーが好みに応じてチョイスできるようになっている。販売価格は496万5840円(税込)。ベース車と比べて約100万円のプライスアップとなるが、自分でチューニングすることを考えたらむしろコストパフォーマンスは相当に高い。

付加されている主要カスタマイズパーツは以下のとおりだ。これらが匠の技で緻密にチューンされ仕上げられている。・HKS製 GTlll RS SPORT TURBINE KIT
・HKS製 Super Turbo Muffler
・HKS製 METAL CATALYZER
・アライモータースポーツ製 フロントメンバーブレース
・アライモータースポーツ製 RQAエアーフィルター
・TC380専用RECAROスポーツシート(シリアルID付)
・TC380専用カーボンリップスポイラーさらには、シリアルナンバープレート(コンソール、エンジンルーム内)、専用オーナメント(インパネ加飾)、シリアルナンバー入りのキーウェアジャケットといったオーナー限定付属品も多彩に用意されている。

ちなみに、商談予約数は上限に達していて商談の権利待ちも入っているとのことだった。これから購入したいと思っても、それが叶うことは限りなく難しいであろう。さて、今回"Premium Package"について聞くために向かった先は、『TC380』のデモカーが置かれている"富士スバル"の太田店。取材に対応してくださったのは、7名で構成される"富士スバル"内のプロジェクトメンバーとして名を連ねた、須永隆則氏(執行役員 特需部長)と、須田和彦氏(総合営業推進部 営業推進課長)、この両名だ。

きっかけは、企業訪問した際の偶然の会話の中から生まれた…。

まずは、お二人それぞれが当プロジェクトの中で果たした役割について訊いた。

須田氏「私は主に、価格設定をはじめとする販売に関することの検討や、"Premium Package"のナビやオーディオの選定に関わりました」

須永氏「私は各メーカーさんとの調整役です。また、新井選手とのやり取りにおける窓口的な役割も担いました。実を言いますと、私と新井選手は同級生なんですよ。かれこれ30年以上の付き合いになります。ともに群馬県の伊勢崎市の出身です」

"Premium Package"について教えてもらう前に、『TC380』を製作することとなったいきさつを訊いてみた。

須永氏「発端となったのは、今年の7月18日(水)に交わされたとある偶然の会話です。私は、仕事柄普段からサプライヤー企業の社長の方々に大変お世話になっています。その日も某大手サプライヤー企業に訪問して雑談していたときに、その社長からこんな提案が持ち掛けられました。『"SUBARU"の地元である群馬から、全国の"SUBARU"ファンに"SUBARU"の元気を伝えたい。我々に何か出来ないだろうか?』と。で、その方は大のクルマ好きでもあるので、『その象徴ともいえるカスタマイズカーを造ったらどうだろう』と。弊社富士スバルの社長もクルマ好きですから、面白いですね、やりましょう!! と盛り上がりました。そして、『須永は経験もあるから、須永に担当してまとめてもらおう』というところまで話が進んでしまったんです(笑)。

私はかつて "富士重工業"のバス製造部門で働いていたんですね。しかし2003年に"富士重工業"がバス事業から撤退し、その部門はスバル車ベースのカスタマイズカーを造る、かつバスのアフターサービスを行うための子会社として生まれ変わりました。私はその前後5年間、カスタマイズ事業に携わっていたんですよ。

それならばと逆に私から、『群馬県産品の“SUBARU”車で、“富士スバル”、“アライモータースポーツ”、“WRX STI”の名前でラリーを戦っている新井選手にお願いしましょうよ』と提案して。それでこのプロジェクトがスタートすることとなったんです」

『TC380』には、新井選手の競技者人生の中で
培われたすべてが注入されている…。

さらに話を続けてもらった。須永氏「なお、基本的には、パーツの選定は新井選手が行っています。我々プロジェクトメンバーは、新井選手がやりたいと思ったことのサポートに徹しようと。

ところでこのプロジェクトには、日程的なゴールがあらかじめ決められていました。11月の3日、4日に、太田店で周年祭が行われることが決まっていて、『その目玉になるように』ということでスタートしているんです。

タイトなスケジュールでしたが、しかし彼にはそもそも構想とノウハウがあり、さらには彼の会社である"アライモータースポーツ"には桑原さんという名チューナーもいます。なので、このプロジェクトは成就できたんです。

まず彼には、『WRX STI』に搭載されている"EJ20"というエンジンに強い思い入れがあり、常々"EJ20"の本当の実力はこんなもんじゃないと思っていたんです。そして、究極の『WRX STI』を作るための構想も頭の中で巡らせていたようです。過去には、"アライモータースポーツ"のコンプリートカーを作りたいと言っていたこともありましたし。

つまり、実質的な開発期間は短かいのですが、実質的な期間は長い。"彼の選手生活の全期間が開発期間"と言うこともできるわけですから。『TC380』は彼の競技者人生の集大成であり、そして"EJ20エンジン"への、『WRX STI』への、"スバル"への想いの結晶と言っても過言ではないでしょう」

"Premium Package"を装着した状態こそが『TC380』の完成形。

続いては、話題を"Premium Package"へと移した。これが『TC380』のアイデンティティを象徴するものでもあるという、その心を教えてもらった。

須永氏「実は、"Premium Package"を装着した状態こそが『TC380』の完成形なんです。パッケージされているものは、新井選手が考える究極の『WRX STI』をコンプリートさせるための最後のパーツ群、と言ったらいいでしょうか。"Premium Package"のアイテムがすべて搭載されているデモカーこそが、現時点での究極の『WRX STI』そのものなのです。『TC380』を買われたお客様によってさらなる究極形が作り上げられるとは思うのですが。そして"Premium Package"には、以下のようなコンセプトも盛り込まれています。『スポーティな走りを楽しめて、街乗りでも快適にドライブでき、後ろに家族も乗せられるクルマ』。ですので、ナビもオーディオもマストアイテムでしたし、サスペンションも乗り心地を重視したものが選ばれています」

須田氏「なお、"Premium Package"のアイテムと標準装備となっているパーツのすべては、協力企業のご支援があってこそ装着が実現されています。場合によっては少ない数にもかかわらず特別にあつらえてくださったり。"SUBARU"を元気にさせたいという想いで最善を尽くしてくださいました。感謝してもしきれません。皆さまの想いが詰まっているという点においても、"Premium Package"は究極形であると思っています」

ナビとオーディオも外せない。選ばれたのは"Clarion"

では、"Premium Package"の中身を具体的に紹介していこう。採用されているパーツは以下のとおりだ。・YAMAHA製COXボディダンパーキット セッティングby SYMS
・HKS製 ハイパーマックス G サスペンションキット
・WORK製 アルミホイール M・C・O RACING TypeCS
・YOKOHAMA製 ストリートスポーツラジアルタイヤ ADVAN A052(アドバン・エイ・ゼロゴーニ)
・IPF製 LEDライセンスバルブ
・IPF製 LEDルームランプバルブ
・STI製 バンパーサイドベゼル
・STI製 ドライカーボントランクスポイラー
・Clarion製 Quad View ナビ
・Clarion製 Full Digital Sound SPIRIT

尚、この中の"Clarion"『Quad View ナビ』と同『Full Digital Sound SPIRIT』は、『レヴォーグ』『WRX S4』、そして『WRX STI』用にディーラーオプションとして設定されているものである。

ちなみに"SUBARU"は、ナビとオーディオのディーラーオプションを多彩に展開している。多々あるブランドの中から"Clarion"が選ばれた理由は何だったのだろうか。須田氏「新井選手から『ナビとオーディオは外せない』という指示があり、そして具体的な製品選定が"富士スバル"のプロジェクトメンバーに任されました。で、もっとも魅力的でプレミアムパッケージに相応しい製品を選びたいと考え、"Clarion"さんに決めさせていただきました。

また、"Clarion"さんはかつて"マッキントッシュ"というカーオーディオブランドの製品を取り扱われていて、"SUBARU"はそれを長い間メーカーオプションとして採用していたんですね。それもあって、音と真摯に向き合っているブランドという印象が強く、究極の『WRX STI』を作るというコンセプトにも合っていると考えました」須永氏「私も"Clarion"製品の音を聴いて、これはいいなと思っていました。また、私は冒頭でも申し上げたとおりかつては"富士重工業"のバス部門に籍を置いていたのですが、当時は"Clarion"さんにとてもお世話になっていたんです。"Clarion"さんはバス用の音響設備においての有力メーカーでもありますから。個人的に思い入れのあるブランドなんです。

新井選手にも音を聴いてもらいましたが、音の良さに、そしてナビの使いやすさ、画面のキレイさに驚いていました。とても気に入っています」

"Premium Package"の各アイテムは、単品でも購入可能。

最後に、こんな話も聞かせてもらった。

須永氏「『TC380』を完成できて、本当に良かったと思っています。障壁となる事案が次々に発生し、根を上げそうになった局面もありましたが、クルマが完成して颯爽と公道を走る姿を思い浮かべると、なんとしても作り上げたいと気持ちが奮い立ちました。

そしてリリースでき、大反響がいただけて。個人的には、30年以上に渡って"SUBARU"の仕事をしてきて、過去最高の手応えを得ることができています。こんなに凄いクルマを作り出すプロジェクトに関われて光栄に思っています。

おかげさまで完売が見えてきました。ですのでこれから『TC380』を欲しいと思っていただけてもお売りすることはできないのですが、"Premium Package"の各アイテムはそれぞれ愛車に着けていただけます。『TC380』を完成させるための重要なピースとなった各パーツを、お1人でも多くの方にご愛用いただけたら嬉しいですね。特に"Clarion"『Quad View ナビ』と同『Full Digital Sound SPRIT』は、『レヴォーグ』『WRX S4』『WRX STI』用としてオプション設定されています。これらの車種をお選びいただく際には、こちらも合わせてご検討いただきたいですね。自信を持ってお薦めできます」

話題のモンスターマシン『TC380』の誕生秘話を、たっぷり聞くことができた。そして"Premium Package"の存在理由と目指したものも理解できた。

『TC380』のことが気になりながらもこれをオーダーすることができなかったという方は、"Premium Package"に採用されている各アイテムにも注目してみよう。その中の何かを装着することで、『TC380』のエッセンスを感じ取れるに違いない。要チェック。

尚、本記事で紹介したオーディオシステム「Quad Viewナビ」と「Full Digital Sound SPIRIT」は東京オートサロン2019 Clarionブース(西ホール 小間No.215)のレヴォーグにて操作・試聴することが出来るので来場するユーザーにはぜひ立ち寄って体感して欲しい。

《太田祥三》

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