BMW 3シリーズ 新型、日本の開発現場からの声 | Push on! Mycar-life

BMW 3シリーズ 新型、日本の開発現場からの声

◆55kgの軽量化に成功 ◆軽量化、重量削減、排ガス低減を果たしたエンジン ◆日本市場を見据えた車両テストも実施

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BMW 3シリーズ
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BMWの基幹車種、新型『3シリーズ』の発売が目前に控えた日本市場。本国からの期待が大きく、その開発拠点のひとつとしても活躍している。そこで実際にその開発に携わる人たちから具体的な新型3シリーズの特徴について話を聞いた。

55kgの軽量化に成功

フルモデルチェンジしたクルマを取材すると必ず軽量化の話題になる。今回の新型3シリーズも同様でボディはおよそ55kgの軽量化に成功しているという。

BMWグループジャパンディーラー開発ディビジョンディーラー人材開発&クオリフィケーションテクニカルクオリフィケーションマネジャーの高橋勝昌志氏によると、「スチールだった部分がアルミに変更されたことが大きい」とし、モータービームやフラットタワードーム部分、外板パネルではボンネットフードや左右のフロントフェンダーなどがアルミに変更された。

また、現行と比較をすると、熱間成形の超高張力鋼板を使用している箇所がBピラーのみからより広範囲で使われるようになった。

これは、非常に硬い素材に熱を加えながらプレスして作られるのだが、「その時の圧力やプレスした時の温度などのデータを一枚一枚取っている。そしてBピラーの部分1本1本にシリアルナンバーが打刻され、もし事故が起きて想像以上に大きく変形しまった場合には、そのシリアルナンバーを調べて製造時点の温度やプレス状態に異常がなかったかどうか検証できるようになっている」という。その結果、品質管理を行いながら、強度を落とすことなく重量を削減できているのだ。

軽量化、重量削減、排ガス低減を果たしたエンジン

搭載されるエンジンはB48型のTU(テクニカルアップデート)だ。「燃費の低減や出力・トルクが向上しており、330iでは5kw、50Nmの向上が図られている」と高橋氏。以前のB38型、B48型で導入されたモジュールコンセプトは継承しつつも、今回のTUエンジンでは「ディーゼルとガソリンの間では部品の共有がなくなってきている。これは新しい排出ガス規制などに適合させるためにやむを得ずそうしたのだろうと想像する。その結果シリンダーブロックやシリンダーヘッドもガソリンエンジン特有のものだ」という。

重量削減に関しても、「クランクシャフトだけで1043g軽量化が図られた」。エンジンノイズ低減では、「ディーゼルとガソリンの部品の共用を止めたことにより、タイミングチェーンが1本化することができた」と高橋氏。これまではディーゼルの高圧ポンプがついていたところにガソリンエンジンではアイドルのプーリーがついており、タイミングチェーンが2分割となっていた。しかし、新型では共用化を止めたことから従来通りクランクからカムシャフトまでは1本のタイミングチェーンで駆動するようになったのだ。

排出ガスでは、WLTPでは排出ガス測定を低温時で行わなければいけないことから、なるべく早く排出ガスを温めたい。そこでこのエンジンではクーリングに関しても変更された。ヒートマネージメントモジュールとスプリットクーリングバルブが装備されたことで、「シリンダーヘッドにだけ冷却水を送るなどの細かな制御ができるようになった」と説明。冷感時はウォーターポンプの中だけで冷却水が循環してエンジンには一切冷却水が流れないステップから、シリンダーヘッドだけに冷却水を回す、ラジエーターに水を回す、最終的にはクランクケースにまで水を回すと4段階で細かなクーリングが実現できている。

日本市場を見据えた車両テストも実施

日本においては、商品企画などでの開発以外に、実際に車両テストも行われている。同社デベロップメント・ジャパン試験技術マネジャーの早稲田寧氏は、「なぜ我々が日本でエンジニアリングの活動しているのか。それは、規格や法律インフラなど様々な面でドイツとは異なることから、日本専用で開発する機能が多くあり、またドイツと同じものであったとしても、ドライバーや道路の環境の違いによってドイツで開発した機能がそのまま全ての能力が発揮できないことが多々ある」という。そこで、「我々はドイツから開発車両を日本に持ってきてテストを行っている」と述べる。

より具体的に、と早稲田氏は安全運転支援システムのための三眼カメラを例に挙げ、「長距離。中距離・近距離の広角カメラによって全ての距離の認識率を上げている。かつ従来のレーダーのセンサーの組み合わせによって正確なレーンキープや長距離の危険予測、広角視野での周辺の危険予測が改善された。しかし、ドイツからそのまま日本に持ってきて動くかというと実はそういうことはなく、かなり我々の方で改善している」と説明。

今回のテストでは、「主に東京や大阪、名古屋といった大都市圏で集中的にテストを行っているが、それ以外に郊外や山岳地でも意欲的にテストを行った。東京と大阪の往復は1000km以上だが、今回の検証や改善の効果を確認するテストでは20回以上、2万km以上走り込むことで、日本のマーケットでこの機能が確実に安全に作動、またお客様が求めるアシスト機能がちゃんと作動するということを確認した」とその完成度に自信を見せるとともに、これ以外の機能についても意欲的にテストを行ったことを明かした。

《内田俊一》

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