“JLオーディオ”の『プロセッシング・ユニット』の実力に迫る! Part1『FiXシリーズ』とは? | Push on! Mycar-life

“JLオーディオ”の『プロセッシング・ユニット』の実力に迫る! Part1『FiXシリーズ』とは?

この春に実力アメリカン・カーオーディオブランドの1つ“JLオーディオ”から、新機軸なフラッグシップパワーアンプ『VXiシリーズ』がリリースされ話題を集めている。当シリーズの強みとは…。“高音質”であることに加えて「高性能なDSPを内蔵していること」にある。

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JLオーディオ・FiX82
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この春に実力アメリカン・カーオーディオブランドの1つ“JLオーディオ”から、新機軸なフラッグシップパワーアンプ『VXiシリーズ』がリリースされ話題を集めている。当シリーズの強みとは…。“高音質”であることに加えて「高性能なDSPを内蔵していること」にある。

ところで、この『VXiシリーズ』の登場のニュースを聞いて、“JLオーディオ”もいよいよプロセッサー関連アイテムを手掛けるようになったのか、と感じた方も少なくなかったかもしれない。“JLオーディオ”と聞くと、サブウーファー、スピーカー、パワーアンプの名機がさまざま思い浮かぶ。ゆえに、「DSP」も擁していることがあまり知られていなかったのだ。

しかしながら“JLオーディオ”は実は、2006年に『CleenSweep CL441dsp』という初代DSPをリリースしていて、さらに約1年前からは注目すべき“プロセッシング・アイテム”2シリーズも新登場させている。今回の『VXiシリーズ』は、それらで培った技術が投影されて完成されたユニット、なのである。

そしてそれぞれには、独特の先進的なポテンシャルが秘められている。今回は、これまで影に隠れがちだったこれらにスポットを当て、“JLオーディオ”がかくも進んだデジタル技術を持っていることを、改めて解説していこうと思う。

JLオーディオ・FiX82JLオーディオ・FiX82JLオーディオ・FiX82

『FiXシリーズ』とは、純正オーディオと市販オーディオとを“統合する”「DSP」。


今回は、『FiXシリーズ』にスポットを当てていく。

まずは『FiXシリーズ』の概要から解説していこう。当シリーズはいわゆる通常の「DSP」とは一線を画すユニットだ。ジャンル名で言うならば、『ライン出力コンバーター』(または『ハイ/ローコンバーター』)である。つまり、「純正オーディオのスピーカー出力を入力しその信号をローレベルの信号に変換する」という役目を果たす製品であるのだ。

しかし、ボディには『OEM Integration DSP』と書かれている。これは何を意味しているのかと言うと…。

これは、「純正オーディオと市販オーディオとを“統合する”DSP」と意訳できる。『FiXシリーズ』は言うならば、「DSP」的な機能も背負った『ハイ/ローコンバーター』なのである。

その凄さを理解していただくために、まずは一般的な『ハイ/ローコンバーター』がどのような役割を果たすものなのかをおさらいしておきたい。『ハイ/ローコンバーター』とは、純正オーディオを活かしたままで本格的なオーディオシステムを構築するためのユニットである。純正オーディオはライン出力を持っておらず、そのままではその後段に「DSP」や「外部パワーアンプ」を追加できない。なので、純正オーディオの“スピーカー出力(ハイレベル出力)”を一旦、ローレベルに落とす必要がある。そうすることで初めて、「DSP」なり「外部パワーアンプ」の接続が可能となるのだ。

JLオーディオ・FiX86JLオーディオ・FiX86JLオーディオ・FiX86

一部の純正オーディオでは、信号が複雑に制御されている場合もある…。


ところが、すんなりと行かないケースもある。というのも、純正オーディオの中には外部パワーアンプを導入して“マルチアンプシステム”が組まれているケースがあるからだ。その場合、各スピーカーに送り込まれる音楽信号にはそれぞれ“クロスオーバー”が掛けられている。例えばツィーターには高域の信号だけが送られ、ミッドウーファーには中低域の信号だけが送られている。

そのようなケースにおいては、各スピーカーへの出力をすべて取り込み、それをフルレンジの信号へと合成(サミング)する必要が出てくる。

また、“クロスオーバー”のみならず、各chの信号に“イコライザー”が掛けられている場合もある。さらには“タイムアライメント”まで掛けられている純正オーディオシステムも現れてきた。ここまで信号が制御されていると、通常ならばフラットなフルレンジ信号を取り込むことは不可能だ。結果、純正オーディオを残したままで本格的なカーオーディオシステムを構築することを諦めざるを得ない、という状況になっていた。

しかし、『FiXシリーズ』のユニットを使えば話は違ってくる。当シリーズのユニットならば、“サミング”のみならず、“イコライザー”が掛かっていても、“タイムアライメント”が掛かけられていても、その信号をフラットな“素の状態”に戻すことが可能となるのだ。

現存する『ハイ/ローコンバーター』で、ここまでの機能を持ったものは『Fixシリーズ』をおいて他にはない。『Fixシリーズ』はそれほど画期的なアイテムなのだ。

キャリブレーションCD。

付属の調整CDを使うことで、“タイムアライメント”設定までもフラット化可能!


実際の使い方を紹介していこう。『FiXシリーズ』には、“キャリブレーション(調整)CD”が付属している。各スピーカー出力を接続し終わったら、純正オーディオに当CDをセットして調整信号を流す。そうすることで『FiXシリーズ』の本体内で、“クロスオーバー”、“イコライザー”、そして“タイムアライメント”までもを、フラットな状態へと戻すことが可能となるのだ。

なお、シリーズは2機種で構成されている。1つが『FiX-82』(税抜価格:8万円)、もう1機種が『FiX86』(税抜価格:9万3000円)だ。この2機種での違いは以下のとおりだ。前者は2chのアナログ出力と、1系統のオプティカル出力が備えられている。後者はオプティカル出力は備えられていないかわりに、アナログ出力が6ch分備えられている。

もしも当機の後段に「DSP」を組み合わそうとするならば、『Fix82』を選択するといいだろう。当機ならば「DSP」との接続をデジタルで行えるので、シンプルに音楽信号の伝送が行える。

パソコンで補正の状況を確認できる。画面の左上の波形は補正前の状態で、右が補正後の状態。

ところで『FiXシリーズ』は、『VXiシリーズ』と調整用ソフトウェアを共通としている。それを用いることで、音楽信号がフラット化されることを視覚的に確認することも可能だ。これについては画像を添付するので、そちらも確認していただきたい。当ソフトを使うことで、入力された信号の状況と、補正をかけた後の信号の状況を確認できる(何かしらエラーが出ても、その原因も簡単に把握できる)。

いかがだったろうか。“JLオーディオ”の『プロセッシング技術』が、先を行っていることをご理解いただけただろうか。

次回は、「DSP」ユニットである『TwK』シリーズについて解説していく。乞うご期待。

FiX-LSA-4。低インピーダンス仕様の純正パワーアンプにFiXを接続すると、アンプ内蔵の負荷検出機能により出力が制限(ミュート)される場合がある。その際には当アイテムを取り付ける。DRC-100。当アイテムをFiX82に接続すると、リモートマスターボリュームコントロール、ハンズフリーモード、LEDステータスがFix82に追加される。DRC-200。こちらも別売のコントローラー。当アイテムでは、プッシュ操作も可能となる。

《太田祥三》

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