【メルセデスAMG GLC43クーペ 試乗】もはや「ハイハイ、あんたは凄いよ」としか言えない…中村孝仁 | Push on! Mycar-life

【メルセデスAMG GLC43クーペ 試乗】もはや「ハイハイ、あんたは凄いよ」としか言えない…中村孝仁

自動車 試乗記

メルセデスAMG GLC43クーペ
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『GLC』と呼ばれるCクラスをベースとしたクロスオーバーSUVが、日本市場では2016年から展開されている。

そのクーペ版が追加されたのは2017年のこと。このクルマ、デビュー時から少なくとも僕の心をがっちりと捉えたクルマである。とにかく隙がない。敢えてつけたくなる文句もまるでない。正直、どうにもすごくいいクルマであることを認めたくないのだが、どうにも抗うことのできないクルマであった。

クーペ版に試乗するのはこれが初めてである。もっと以前にクーペ版に試乗したかったのだが、それは叶わなかった。理由はメルセデスベンツ・ジャパンに試乗車の用意がないから。そう、クーペ版で試乗車が用意されているのは唯一、この『GLC43』だけなのである。

43と名付けられたAMGは、3リットルツインターボV6を搭載し、9速ATと組み合わされる。その出力367ps。最大トルクは520Nmである。少なくともJC08モードで表示される燃費に関し、GLCクラスのラインナップにおいては最も悪い10.3km/リットルを示す。だから何だというのだというツッコミが来る事間違いなし。しかし、どうも重箱の隅をつついてネガ要素を探そうとする悪い癖を持つモータージャーナリストにとって、これほど厄介なクルマはないことは前述した通りだから、何とか「ほら、ここは良くないよ!」という部分を探そうと躍起になった結果見つけたネガ要素がこれ。個人的にはそのくらい、このセグメントのモデルに求められるあらゆる要素を、ほぼ完ぺきなまでにこなしているクルマを知らないから、正直どんな性能を持っていても全く驚かない。

結構なウェット状態での試乗だったのだが、その良さは益々発揮されて、「ハイハイ、あんたは凄いよ」としか言えないレベルにまとめ上げられたクルマだった。メルセデスのクーペ系SUVは、このGLCともう1台、『GLE』があるのだが、あちら、つまり『GLEクーペ』の方は、見るからにデカく、街で遭遇すると小山が迫ってくるようで、移動体としてのサイズ感があまりにもマッシブで好きになれない。そこへ行くとこの『GLCクーペ』の方は、適度なサイズ感だ。

それにスタイルも好感が持てる。背が高くてなだらかなルーフ形状を持つから、当然リアウィンドーが小さく、ドライバーズシートからの後方視界は狭い。ならば、狭いところでの取り回しには苦労するだろう…というのは過去の話であって、今やこのレベルのクルマには、360度しっかリ見ることが出来るカメラが装備されているから、後方視界など全く困らない。困った話である。

ルーフも低くなっているから、室内空間はそれなりにノーマルGLCから比べたら狭いのだが、その点でも「だから何?」程度で、まるで狭いなんて感じられない。今回は短い試乗時間だったから、もしかするとリアに座れば狭かったのかもしれないが、元々リアシートを重視するユーザーなら、このクーペを選ばずにノーマルGLCをチョイスすればよいだけのことだから、心配には及ばないわけだ。

AMGチューンのV6ユニットは、スタート時こそ、スターターボタンを押した瞬間に少し吠える。しかし、アイドルが安定すればそんな咆哮はどこへやらで、実に静かな猫に変身。そしてアクセルをじわっと踏んでやれば静かに、そしておっとりと走り始める。ところが、ちょっとだけアクセルを強く踏んでやると、一気にグイッとノーズを持ちあげてその実力の片りんを見せ始め、パーシャル領域からグイッとやると、その凄さを体感できる領域に誘ってくれる。しかもである。このヘビーレイン状態の路面にも関わらず、4マチックの威力なのか、パワーをかけても不安な要素はこれっぽっちもない。

終始快適で、濡れた路面であっても全く不安要素もない走りを披露してくれた。しかもこのパワーで…である。だから、最早何も驚くことはない。パフォーマンス、デザイン、空間などパッケージングとしての親和性の高さには驚かされるが、それも元のGLCを知っていれば驚くことはない。お値段は高いが(乗り出し価格1027万7120円)、十分に価値のあるクルマだと思う。

■5つ星評価
パッケージング:★★★★
インテリア居住性:★★★★
パワーソース:★★★★★
フットワーク:★★★★★ 
おすすめ度:★★★★★

中村孝仁(なかむらたかひと)AJAJ会員
1952年生まれ、4歳にしてモーターマガジンの誌面を飾るクルマ好き。その後スーパーカーショップのバイトに始まり、ノバエンジニアリングの丁稚メカを経験し、その後ドイツでクルマ修行。1977年にジャーナリズム業界に入り、以来40年間、フリージャーナリストとして活動を続けている。また、現在は企業向け運転講習の会社、ショーファデプト代表取締役も務める。
《中村 孝仁》

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