あの“モレル”からパワーアンプが堂々新登場! 搭載デモカーのサウンドを緊急Check!! | Push on! Mycar-life

あの“モレル”からパワーアンプが堂々新登場! 搭載デモカーのサウンドを緊急Check!!

イスラエル発の世界的なスピーカーメーカー“モレル”から、遂に、カー用のパワーアンプが新登場した。その名は『MPS Power Amplifier』。果たしてその実力は…。概要解説から搭載デモカーでのサウンドインプレッションまでを、詳細にリポートする。

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モレル・エムピーエス パワーアンプ
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イスラエル発の世界的なスピーカーメーカー“モレル”から、遂に、カー用のパワーアンプが新登場した。その名は『MPS Power Amplifier』。果たしてその実力は…。概要解説から搭載デモカーでのサウンドインプレッションまでを、詳細にリポートする。

■多額の開発費が投じられ、並々ならぬ決意を持って生み出された…。

世界中にファンを持つ、イスラエルのスピーカーブランド“モレル”。日本のカーオーディオシーンにおいても今や、定番スピーカーブランドの1つとして幅広い層からの支持を得ている。

エントリーモデルは多くのカーオーディオプロショップの入門セットプランの中に組み込まれていて、多数のビギナーたちに選ばれている。そしてトップエンドシリーズの『スプリーモ』に至っては、ハイエンドカーオーディオユーザーから絶大な人気を集め、サウンドコンペティターからも“勝てる”スピーカーとして広く採用されている。

そんな“モレル”から、いよいよパワーアンプが登場することと相成った。その第一弾となるのがこの『エムピーエス パワーアンプ』だ。

ラインナップされるのは3機種。サブウーファー用のクラスDモノラルパワーアンプ『MPS 1.550』(税抜価格:6万4000円、サイズ:215mm×170mm×63mm)と、クラスABの4chパワーアンプ『MPS 4.400』(税抜価格:6万4000円、サイズ:315mm×170mm×63mm)、そしてその2つが一体となった『MPS 5.950』(税抜価格:11万8000円、サイズ:465mm×170mm×63mm)、以上だ。なお、各製品の品番の「.」の後に続いている数字は“総出力”(2Ω接続時)を表している。

価格的には、“上級エントリーグレード”というべきリーズナブルな設定となっている。多額の開発費をかけて並々ならぬ決意を持って生み出されているとのことなのだが、手頃なモデルとしてまずは広く使われることが目指された、ということなのであろう。

■ボディには、“モレル”愛好家の心の琴線を刺激する“ロータスグリル”風デザインも。

ルックスについては、掲載している写真でそれを確認していただきたいのだが、デザインはあくまでもシンプル。奇をてらうことなく、落ち着いたスタンダードな見た目に仕上げられている。

しかしながら、トッププレートにはお馴染みのロゴが燦然と輝き、サイドパネルには“ロータスグリル”をモチーフとしたクーリングのための通風開口部が設けられ、“モレル”愛好家の心の琴線を刺激する。

なお、トップパネルは脱着式となっていて、すべての調整はその下に備えられているスイッチで行える。スイッチ類を上から目視できるのでコントロール作業はしやすそうだ。ちなみに配線を固定するための6角レンチは斜めに差し込めるので、パネルが装着されたままの状態でも作業が可能だ。

主要スペックは以下のとおりだ(各スペックの最初の数字がクラスAB、次の数字がクラスDのもの)。

●周波数特性:10Hz-30kHz、10Hz-220Hz
●S/N比:100dB、100dB
●ダンピングファクター:>100、>150
●クロスオーバー:HP/LP_40Hz-400Hz、LP_40-220Hz
●クロスオーバースロープ:12dB/oct(全モデル)
●ch入力モード:4ch/2ch&4ch、1ch/なし
●サブソニックフィルター:なし、有り(25Hz&35Hz)
●入力モード;12V&信号入力自動検知(全モデル)

各スペックはなかなかに優秀だ。そして機能面も十二分な内容が盛り込まれている。問題はこれらが音にどのように表れてくるかなのだが…。

■搭載スピーカーも注目作。リーズナブルな日本専売のアクティブ3ウェイ。

それでは、デモカー「トヨタ・C-HR」でのインプレッション・リポートをお届けしていこう。まずは搭載システムから紹介していく。

ソースユニットにはソニーのウォークマンを使用し、プロセッサーにはアークオーディオの『PS8』が使われている。そしてパワーアンプが今回の新作だ。4chモデルである『MPS 4.400』が2台搭載されている。スピーカー群ももちろん“モレル”だ。フロント3ウェイが『マキシモ ウルトラ 603 アクティブ』、サブウーファーが『ウルティモ SC 104』。

なお、『マキシモ ウルトラ 603 アクティブ』も注目のニューモデルだ。これは、昨年の7月より発売開始されていた『マキシモ ウルトラ 602』(2ウェイコンポーネントスピーカー)からパッシブが外され、そこにミッドレンジが加えられた日本専売の3ウェイシステムである。“モレル”のプレミアムショップで限定販売が開始されたばかりで、税抜価格は8万2000円だ。

ミッドウーファーは、振動板に“トリーテッドペーパーコンポジットコーン紙”が使われている165mm口径、ツィーターは25mmソフトドームタイプ。そしてミッドレンジが65mmで、肉声と楽器の再現性に着目されて新設計されているという。ミッドレンジの周波数特性は300Hz-19kHzと広く、サウンドチューニングの自由度も高そうだ。

ちなみに、今年の9月にはパッシブクロスオーバーネットワーク付きの3ウェイコンポーネントも発売予定とのことだ。

■“上級エントリー機”で紡ぎ出されるサウンドとしては、破格の出来映え…。

さて、そのサウンドだが…。

「トヨタ・C-HR」の運転席に乗り込み、流れ出したテストトラックの音を聴いて最初に感じられたのは、「密度感の高さ」だ。1音1音にハリがあり実が詰まっている。全体的にも音数が多く、充実感が高い。

続いて思ったのは「サウンドステージの奥行きの深さ」。至って立体的に音場を再現できている。

音符の1つ1つの輪郭もシャープだ。明瞭感が高く、各楽器の音が混濁することもない。ステージの見通しも良い。反応も鋭く、リズムの刻みも実に軽快だ。

また、聴き込むほどにいかにも“モレル”らしい味わいの深さも感じ取れた。“モレル”ならではの独特の温かみと艶やかさが、ナチュラルに醸し出されている。

正直、“上級エントリー機”で紡ぎ出される音としては破格の出来映えであると思えた。スピーカーレイアウトが3ウェイであり、かつアクティブクロスオーバーを用いたマルチアンプシステムが組まれているわけで、その意味ではハイレベルなシステムであることも事実だが、パワーアンプとスピーカーそれぞれの実力が高いこともまた確かだ。

パワーアンプに関しては、至って真面目に音作りがされている、という印象を受けた。自らの個性を発揮し過ぎることなく、原音を忠実に再現することに徹している。スピーカーが持つ“モレル”らしさを自然に引き出しながら、淡々とそして確実に仕事をこなしている。

この実力があれば、初めてのパワーアンプとして、またエントリー機からのステップアップ機としても、使い手の期待を裏切ることはないだろう。価値ある“上級エントリーパワーアンプ”を探しているのなら、『エムピーエス パワーアンプ』を候補に入れて損はない。

なお、近い将来にはハイエンドパワーアンプの登場もあるとかないとか…。新たなステップを踏み出した“モレル”から、今後もお目を離すことのなきように。

《太田祥三》

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