【ルノー トゥインゴGT 試乗】パフォーマンスのゲインが別次元のクルマに変貌させた…中村孝仁 | Push on! Mycar-life

【ルノー トゥインゴGT 試乗】パフォーマンスのゲインが別次元のクルマに変貌させた…中村孝仁

自動車 試乗記

ルノー トゥインゴGT
  • ルノー トゥインゴGT
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車重にして僅か1トン少々。この種のクルマの場合、ほんの少しのパフォーマンスゲインが、性能に大きな影響を与えることは軽自動車を例にとることもなく明白である。

軽自動車の場合、ターボ車とノンターボ車では性能的に大きな差があることはご存知の通りだと思う。『トゥインゴGT』は、ノーマルの『トゥインゴ』から19psの出力アップと、35Nmのトルクアップを果たしている。まあ、トルクに関していえば135Nmが170Nmになったのだから、その差は大きいのだが、それでも2割程度の性能差なのに、実感する差は倍ぐらいというと大げさかもしれないが、あれやこれやと考えるとそんな風に感じられる差なのである。

そもそも、リアからは何の突起物も出なかった丸っこい可愛いお尻が、不気味なほど太い2本のエクゾーストがディフューザーの両端から顔を覗かせているあたり、もう雰囲気がまるで違うのである。可愛くお洒落で女の子受けしそうなトゥインゴから、武闘派で男心を擽るスポーツ戦士のトゥインゴに変わったという風情である。エンジン音もこのマフラーのおかげで、掛けた瞬間なら野太い音を奏でる。おまけにそこかしこにルノースポールのエンブレムが…

このルノースポール、日本の市場は何と世界第3位のマーケット。だから、顧客も心得たもので、「ルノースポールのやることに間違いはない」そうした信頼のブランドになっているといっても過言ではないのだ。その信頼とは、性能的な期待を裏切らない…ということである。

外観で変わったのはリアだけではない。左サイドには『スマート』と同じようなエアインテークが顔をのぞかせた。このあたりも武闘派に変身した一例である。

トゥインゴはノーマル車も、乗り出した瞬間からウキウキするような楽しさを覚えたもので、デビューしてすぐに乗ったモデルでそう感じさせてくれた。しかし、今回のGTはそのウキウキは確かにあったのだが、クルマに慣れるまでは、それ以上に下からの突き上げ感が比較的激しい、ピョコタンした乗り心地に閉口した。まあ、それまで乗っていたクルマが比較的高級なクルマだったから、なおさら感じたまでの話で、翌日にはすっかりこのピョコタンに慣れてしまった。

今回は、初めの1週間をEDC付きに。そして後半の1週間はMTに試乗した。で、結論からどちらがイイかというと、どっちも一長一短ありということだった。まずEDCの方だが、そもそも6速である。だから、高速でのエンジン回転は5速のMTよりも当然低くなる。ところが、何とタコメーターがない!※恐れながら、お主GTではないのか?と言いたくなるが、とにもかくにもエンジン回転を知るすべは耳だけ。まあいい加減な耳だから、残念なことにどれほど回っているかも、レッドゾーンがどこにあるかもわからずじまいであった。これはルノースポールとしては残念だ。(※編集部注:ルノー専用アプリ「R&Go」を使用すればスマートフォンに回転計を表示させることが可能)

次にEDCの場合、素早くシフトして加速していく際は痛快極まりないのだが、いざ渋滞にはまってしまうと、その悩む様が手に取るようにわかるほど、運転が下手になる。とにかく低速時のクラッチの断続が下手だ。俺はこんなに運転が下手じゃない!とドライバーである僕自身が声を上げたくなるほど。一方でMTはそれがない。

しかし、MT車はクラッチの隣にスペースが全くなく、ドライバーの足を休める場所がない。EDCなら常に床に足を休めておけばそれで済むが、MTの場合は操作を必要とし、おまけに休める場所をクラッチの上と定めると、停止した際にアイドリングストップしてくれなくなる。このクラッチ、えらくセンシブルで、少しでも荷重がかかるとエンジンをかけてしまうのだ。というわけで、否応なくシフトした後はクラッチペダルの裏側の床に、足を休めるほかはないのだが、こいつは甚だ不便であった。因みにEDCにはアイドリングストップ機構が付かない。何故かは不明。

パフォーマンスのゲインは間違いなくトゥインゴを別次元のクルマに変貌させたように思う。40万円アップ(インテンス比)はかなりの出費だが、同じエンジンの『スマートブラバス』よりは40万円安い。何とも悩ましい値段設定である。

■5つ星評価
パッケージング:★★★★★
インテリア居住性:★★★★
パワーソース:★★★★★
フットワーク:★★★★★
おすすめ度:★★★★★

中村孝仁(なかむらたかひと)AJAJ会員
1952年生まれ、4歳にしてモーターマガジンの誌面を飾るクルマ好き。スーパーカーショップのバイトに始まり、ノバエンジニアリングの丁稚メカを経験し、その後ドイツでクルマ修行。1977年にジャーナリズム業界に入り、以来40年間、フリージャーナリストとして活動を続けている。 また、現在は企業向け運転講習の会社、ショーファデプト代表取締役も務める。
《中村 孝仁》

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